茶道裏千家同好会

別府さんインタビュー

 日本の伝統的文化の代表ともいえる茶道―そんな優雅なひとときを堪能できる場がここ駒場にも存在する。
今回お話を伺ったのは、数ある東大の茶道サークルのなかでも大規模な団体である茶道裏千家同好会の先代部長・別府文弥さん(法学部3年)。インタビューに快く答えてくださいました。
駒場キャンパスの片隅にたたずむ、ここ柏蔭舎にて別府さんに茶道の魅力やサークルの活動風景について聞きました。


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茶道って一体何だろう?

柏蔭舎

─ではまず茶道ってどんなものなのか教えてください。

 茶道は中世までに中国から日本に伝来したものです。茶道は千利休が禅と一体化させて、修行としての茶道を確立しました。このような禅と茶道との融合を「茶禅一業」と呼びます。

─千利休は日本史で誰もが習う有名人ですよね。「修行」というくらいだから茶道って本来厳しいものだったのでしょうか?

 いいえ、千利休のころは武家の力が強い時代でしたし茶道にも修行的な禅の要素が強かったのですが、茶道ではお茶を出して客人をもてなすということも重要です。それに茶室は床の間に掛け軸や花を飾ることで、季節の趣(おもむき)を出すようにしてあるのです。

─なるほど。他者や自然に対するはたらきかけも茶道では求められるのですね。
 実は個人的に前から疑問に思っていたんですけど茶道には「表千家」や「裏千家」といった異なる流派が存在しますよね。これらの違いって何なのですか?

 利休の弟子には織田信長の子孫である織田有楽斎などがいまして、有楽斎は現在の有楽町(地名)の由来にもなっています。有楽斎の流派は「有楽流(うらくりゅう)」といい、千利休の教えをそのまま受け継ぎました。
 しかし利休のひ孫の代になって、ひ孫たちがそれぞれの茶室を設けてそれぞれの茶道を始めました。これが「表千家」、「裏千家」、「武者小路千家」です。ですがどの千家の精神も同じであり、違いはそんなに際立ったものではありません。

別府さん

─そうですか。改めて茶道の歴史や奥深さを感じました。それでは初心者が茶道を始めるのってやっぱり難しいのですか?

 いいえ、そんなことは全然ありません。茶道は形式から入るのでまずは手前を覚えます。そしていろいろな人のお茶をいただくこともしながら自分の手前を大成していくのです。客人にお茶を出すということを経て、自分を客観化できるようになります。それまでには10年位かかるといわれています。茶道は「細く長く」ですね。

─長い「修行」が必要なのですね。では初心者に向けてのアドバイスなどはありますか?

 何も特別なことはいりません。まずはお茶とお菓子を楽しみましょう。気軽にお茶会などをたずねてみてください。

─ありがとうございました。気軽に始められるのも茶道の大きな魅力ですね。それが茶道がたくさんの人に愛されてきた理由かもしれませんね。
忙しい毎日に疲れたら、そっと茶室を訪れてみるのもいいかも。

東大で茶道―茶道裏千家同好会の活動風景とは?

─では今度はサークルとしての活動内容を中心に伺いたいと思います。まずはサークルに関する基本データを教えてください。

 はい。このサークルは昭和30〜40年くらいから活動している伝統あるサークルです。また、所属部員数は1〜4年合わせて50〜60人くらいです。活動時間・場所については、駒場生(主に1・2年生)は駒場キャンパス柏蔭舎で毎週火曜の9〜18時、金曜の9〜17時に活動しています。本郷生(主に3・4年生)は本郷キャンパス近くのお寺で活動しています。でも休日に活動があるときには本郷生も駒場の柏蔭舎に出向いて一緒に稽古したりします。このサークルでは一週間に何回来るとか活動の強制はありませんから、気軽に参加することができます。サークルの活動の場がキャンパスでの安らぎの場となればいいなと思っています。

別府さん

─今日(取材日)も先輩と思われる方々がたくさんいらしていますね。駒場生・本郷生隔たりなく仲がいい様子がうかがえます。それに気軽に来ることができるというゆったりした感じも本当に魅力的です。まさに「安らぎの場」ですね。
 では一年間を通しての活動はどのようなものですか?

 年間を通しての主な活動は、5月の本郷キャンパスでの五月祭茶会、9月ごろにお寺などを借りて行われる本茶会、11月の駒場キャンパス柏蔭舎での駒場祭茶会、そして1月の初釜です。
 そして他大学との交流も一年を通してたくさんあるんですよ。大学は関東圏だけでも様々な大学と交流をもっています。

─4回も大きなお茶会があるのですね。これなら普段習ってきたお茶のお手前を試す機会がたくさんありそうですね。
 話題はがらりと変わりますが、先代部長さんはどういったきっかけで茶道を始められたのですか?

 中学のときに学校に茶道部があったんです。それで最初はお茶とお菓子につられて茶道部に入部にしたんです。でもそれ以来ずっとお茶を続けていますね。

─そうなんですか(笑)。でもそれ以来続いているってとてもすごいですよね。茶道の世界って人を引きつける力があるのかも。 それだけ長くやっているとつらいこととかもあると思いますがどうでしょう?

 はい、ありますよ。やはり何といっても長時間正座していなくてはいてないことが一番つらいです。合宿のときなどは一日トータルで10時間くらい正座しなくてはいけないときもあります。しかも足を崩すことはできないし・・・つらいですね。
 でも逆に茶道を続けていてよかったと思うことは、ふと茶室の外を眺めたときに四季折々の美しい景色が味わえるということですね。春は桜、秋はもみじなど、日本の色彩豊かな四季の景色が茶室の外には広がっているので季節を感じることができます。

─いいですね。ここ柏蔭舎でもそのような景色が楽しめるんですよね。茶道の魅力はいろんなところにあるんですね。うーん、奥深い。

四大茶会のひとつ・駒場祭茶会―その見所とは?

庭園

─さて、もうすぐ駒場祭ですよね。今年も駒場祭茶会をこちら柏蔭舎で行うんだと思いますがこの茶会の見所はずばり何ですか?

 駒場祭茶会は一年生が初めてお茶を茶会という場でいれるという、まさに「デビュー戦」なんです。ですから一年生のお茶が初披露されるというのがこの茶会の特徴ですね。

─一年生の成長が見られるわけですね。

 はい。それに毎年約400人ものお客様がいらしてくれます。お客様の年齢層は幅広く、学生からお年寄りまで様々です。まずは玄関口で受付をしてもらい、外に設けてある待合にてお待ちしていただきます。この季節だと美しい紅葉がご覧なれますよ。部員は女性が着物、男性が袴かスーツを着ておもてなしをいたします。短いひとときにお茶とお菓子をたのしめるのでぜひいらしてください。お待ちしております。

─魅力たっぷりのサークルですね。駒場祭茶会も楽しみです。
 では、今日はどうもありがとうございました。


駒場祭茶会は、11月下旬駒場祭時に柏蔭舎で催されます。詳しい情報などは下記ホームページでお調べください。
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
2005年駒場祭  11月25日(金)〜11月27日(日)
東京大学茶道裏千家同好会ホームページ:http://cha.u-tokyo.org/


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掲載日:05-10-22
担当:佐藤愛果
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