地文研究会地理部

テレビの旅番組。駅に掲示された路線図。書店の旅行ガイドブック。私たちの身の周りには、地理情報が溢れています。しかし、様々な土地に自ら足を運び、歩いてみるという体験に勝るものはない――そう語って下さったのは、東大地文研究会地理部の宮代翔さん(文科二類2年)です。


インタビューその1 | インタビューその2 | 巡検体験ルポ


インタビュー

宮代さん
宮代さん

―まず、地理部の概要について教えて下さい。

地理部は1951年に創立されたサークルで、今年で61年目を迎えます。他に、天文部・気象部・地質部というサークルと4つあわせて、地文研究会という一つの大きなサークルを形成しています。地文研究会っていうのは一学年200人位の組織なんですけど、部室を共有したり、合同で新年会を開いたりしています。駒場最大の自然科学サークルと銘打っていて、予算も下りる東大公認のサークルですね。地理部の普段の活動としては、巡検っていうものをやっています。巡検というのは、もともと地理学の用語で、その場所を訪れて、自然地理にしても人文地理にしても、その地域を調査して報告するということなんです。地理部というのは散歩旅行サークルということで銘打っているわけですが、その散歩・旅行っていう活動を、巡検と名付けています。巡検とは言っても、本当に地理学を専攻している方がやるような真面目な巡検というわけではなくて、簡単なフィールドワークっていう感じで、ほぼ毎週――毎週全員が参加するわけではないですが――東京の近郊に出て、観光スポットとか、隠れた町の見どころみたいなのを見て、町の魅力に触れるという活動をしています。長期休暇中には、遠方への合宿を企画して、首都圏以外を訪れる機会も提供しています。巡検以外には、立体地図の製作も行なっていまして、駒場祭や五月祭で展示しています。国土地理院で発行された地形図を買ってきて、等高線に沿って切り取って、それを積み上げていくという形で作るんですね。

―地文研究会の他のサークルとの、日常的な交流はありますか?

その4部は基本的には別のサークルなので、緩い繋がりがあるという程度です。基本的に日常の活動としては全く別で、昔は4部合同で合宿をやったこともあるんですけれど、やっぱりそれぞれのサークルで目的が違うので、ニーズが異なるということで廃れてしまいました。最近では、毎年新入生を招いた時に、合同で新入生の歓迎会をしたり、忘年会や新年会を開いたりという具合に、年に数回集まって顔合わせをするという程度ですね。

―では、地理部の方の具体的な活動の方に話を進めていきたいと思います。巡検では、今までにどんなところに行かれましたか?

巡検はほとんど毎週のように企画されているので、一口では語りきれないくらい多くの所に行っています。東京であれば西側の多摩地区から丸の内、東は羽田空港まで。近隣の埼玉県・千葉県・神奈川県などにも足を延ばしていますし、本当にいろんなところに行っていますね。

宮代さん

―今までに訪れた中で、特に印象的だった場所はありますか?

普段の巡検ではないのですが、この前の合宿で北九州に行ったとき、大分県の別府市を訪れました。別府温泉で有名なところですが、そこには、「地獄」と呼ばれる観光用の温泉があるんです。温泉といっても人が入れるわけではなくて、見るんですが。そこは「温泉」なんですけれど、色がついていたり粘り気があったりと、地球の活動を感じられるんです。温泉というものにしても、今までは入る温泉しか知らなかったわけですが、イメージが変わりました。「地獄」という言葉のイメージから来る、「暗い」とか、そういうイメージも一転させられるような場所でしたね。これは口で語るだけでは言い尽くせないので、機会があったら、是非行ってみてもらいたいと思います。

―巡検を通じて物の見方が変わる、ということですね。

巡検っていうのは部員がそれぞれ持ち回りで企画するわけですけれど、企画する人によって全然色が変わるんです。「自分はこう見ていたけれど、この人はこういう見方で町を捉えて、こういうルート取りをして……」ってことですね。そういうのを見ていると、今までの自分の固定観念のようなものが払拭されて、行ったことのある場所でも行ったことがない場所でも、新しい気持ちで臨めるっていうことが、地理部の魅力の一つだと思います。


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掲載日:11-12-11
担当:美世一守
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