えだまめの会

大学に入ると、就活を意識し始める人も少なくないのではないでしょうか。労働に関する問題の一つに「過労死」があります。今回は過労死について学生視点から考えているサークル「えだまめの会」のメンバー、教養学部理科一類2年前島拓矢さんにお話を伺いました。


―えだまめの会はどのような活動をされているサークルなのですか?

僕たちは、学生の立場から過労死をなくすことを目標として活動している団体です。まず過労死問題の実態を知るために、勉強会をやっています。基本的には1、2週間に1回くらいの頻度を目安に駒場の学生会館の会議室などで開いていて、2013年度夏学期の間は過労死に関わるアクター、すなわち労働者や企業、弁護士、国などが関わり合う中で、何故、どのようにして過労死が生まれるのかを考える勉強会を行ないました。2013年度の冬学期の間は、戦前から現在に至るまでの日本型雇用システムの歴史について学んでいます。

そして僕らは「行動する」ことも理念の一つとして据えているので、過労死遺族の会と連携して「過労死防止基本法」の制定を目指し、議員会館の訪問もしています。他にも、残業時間や過労死に関するアンケートを企業に対して行なっています。残念ながらこのアンケートの回答率は低く、この点は悩みの種なのですが、このアンケートを送ることで学生が過労死について関心を持っていることだけでも企業に伝わればいいな、と思っています。

―「えだまめの会」という名前の由来について聞かせてください。

僕らの団体は、学生の視点から過労死をなくすことを理念としています。そもそも過労死があるということは幸せでないサラリーマンがいることを意味していると思い、過労死をなくすことがサラリーマンの幸せにつながるのではないかと考えました。そこでサラリーマンの幸せって何だろうと考えたのですが、その一つとして家族とか同僚とかとお酒を飲む、枝豆をつまむというのが、小さいけれど幸せなことなのではないかなと思いまして、この名前に決めました。

―えだまめの会では、過労死をどのように考えられていますか。

「過労死はやはりあってはならない」ということを、当然ですが大前提としています。

過労死は他の労働問題とも関連しているので、労働法やサービス残業という面から考えたり裁判の判例の面から考えたりしています。話すと長くなるのでこのくらいにしておきます。

―団体の構成について教えてください。

えだまめの会は2012年10月にできたとても小さなサークルで、現在(2014年1月現在)は3年生5人、2年生3人、1年生2人の計10人で、男女比はほぼ半々です。引退時期や代変わりについてはまだ何とも言えません。扱っているテーマが過労死ということで、社会人になっても所属し続けられるサークルに見えるかもしれませんが、団体の理念として「学生視点から」ということがあったり、社会人になると労働組合に入らなければならなかったりするので、実際には3年生が終わる頃に引退という感じになるかなぁと思います。

―前島さんはなぜ入部しようと思われたのですか。

僕の場合だと、将来システムエンジニアの方面に就職したかったのですが、調べてみるとシステムエンジニア全体のうち過労死した人の割合が、他の職種と比較してみてもすごく大きくて、過労死の危機を身近に感じたからです。他の人の場合だと、親が過労死しそうだから、という人もいます。

―団体内で意見が食い違った場合はどうされているのですか。

お互い納得し納得されるまでとことん議論しあいます。夏休み中に合宿があり、3日間で20時間ほど議論したくらい、本当にとことん話し合います。それでも納得しなかったら次回に持ち越し、になっちゃいますけど。この過労死の問題は、答えが見えなかったり、答えがいくつもあったりする場合があるので、慎重に議論しようとはしています。

―これからのえだまめの会の展望について聞かせてください。

今後も「学生視点から過労死について考える」という理念の通りに活動していきたいのはもちろんですが、社会だけでなく学生に対しても発信する活動をしていければと思っています。社会人になるとこうした問題について考える時間はあまり取れなくなる可能性もあり、無知であるからこそ会社に良いように使われてしまう場合があります。だからこそ、社会人としての束縛が無い学生の頃から企業の実体を見極める眼を養う必要があると思います。そうした意味でも学生に向けて発信できれば、そして学生の内に学んでおければと思っています。講演会を開いてみたいのですが、なにせ部員が少ないのでこちらはまだ先になりそうです。

―最後に、学生へのメッセージをお願いします。

東大の1、2年生はわりと授業時間的にも余裕があるので、その頃からこうした労働に関する問題について学んでいれば、3、4年生以上になって就活するときにも役立つのではないかと思います。過労死に興味がある人はもちろん、将来に不安がある人、日本に何かアタックしてみたい人、東大生でなくても誰でも大歓迎なので是非来てみてください。

―ありがとうございました。

このページにコメントを送る
このページへの評価:
いい!よくない!
掲載日:14-03-02
担当:川口倖左
*