日本エチオピア学生会議

※「日本エチオピア学生会議」は2008年4月をもって「日本アフリカ学生会議」になりました。取材当時(2007年)の記事としてお読みください。

メンバーインタビュー(1/2)

 国際問題を扱って活動するサークルは数多くありますが、エチオピアという国に焦点を当てている所は珍しいのではないでしょうか。今回はそんな団体「日本エチオピア学生会議」を紹介します。駒場祭が間近に迫った11月の肌寒い夜、代表の神谷伸彦さん(法学部4年)をはじめ、メンバーの皆さんに集まっていただき、団体について議論していただきました。


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―日本エチオピア学生会議が結成されたきっかけは何ですか?

(神谷伸彦さん)2005年に、日本とエチオピアの国交正常化50周年を迎えました。それを記念して日本とエチオピアの間で色々イベントが行われたんですが、エチオピア側からも日本側からも、学生で何かできないかという要望がありまして、そこで僕が手を挙げました。向こうの要望と、僕のやってみたいという気持ちが一致する形で立ち上がりました。それがきっかけです。社団法人日本エチオピア協会という社会人の団体もあるんですが、オジサンオバサンばっかりで。そこで学生で何かできないかという要望もあったんです。

―メンバーはどのような人で構成されていますか?

日本エチオピア学生会議

(神谷)僕はたまたまエチオピアの講演会を聴いた時に「エチオピアは面白い国だなあ、魅力的だなあ」と思って、それ以来エチオピアに興味を抱くようになりました。ただ、僕がこの団体を立ち上げようと思っても、エチオピアに興味を持ってる人なんてそんなにいないんですよ。なので、とりあえずエチオピア関係のイベントにたくさん参加して、エチオピアに興味がある人を集めて、さらに何か新しい事をやってみたい人も集めました。メンバーもそういった人で構成されています。うちはインカレ(編注:メンバーが複数の大学の学生により構成されている)の団体で、何か新しい事を始めたいという理由で入った人は東大生が多いかな。エチオピアに関係がある人は他大生が多いです。例えば、土屋君はエチオピアに旅行に行ったことがあるし、一人はエチオピアに留学中です。一人はエチオピアに関して卒論を書くために、女の子1人で1ヶ月間フィールドワークをしていました。あとは大学院でエチオピア関係について研究したいという人もいます。

(北側真一朗さん)メンバーのうち、東大生はあまりエチオピアに行ったことがなくて、これから行こうかなというところです。大体メンバーの半分がエチオピア経験者で、半分が未経験者。2006年度末に大勢でエチオピアに行く予定なので、これでやっとメンバー全員がエチオピアに行くことになると思います。

(神谷)本当は去年行きたかったんですけど、去年はデモがあったり、皆色々忙しかったりして行けなかったので、今年こそ行こうかと思います。

―普段はどのような活動をしていますか?

(神谷)まず月に1,2回集まって簡単な勉強会をしています。勉強会を兼ねた食事会ということで。ただ、定例会だから絶対に集まるぞという感じじゃなくて、必要があったら集まるという感じです。周りから色々話を聞いたところによると、月1回ミーティングをやると皆集まらないそうですが、僕らはイベント前など必要があるときにだけ集まるから、マンネリ化しないんです。

―イベントにはどんなものがありますか?

(神谷)これまでにやったイベントが、例えばエチオピアンナイトです。社団法人日本エチオピア協会が年に1回開いている、500人規模の大きなイベントです。僕らは学生として企画を立てて、当日会場の設営をやったり、進行役を任されたり、会場を盛り上げるために寸劇をやったり、最後にエチオピアンダンスを踊ったりしました。エチオピア大使館でダンスをやってくれという要望はよくあるんですよ。旅行会社が大使館を使ってエチオピアの紹介をするんですけど、その時に僕らも協力して踊ったりします。あとは、5月に外務省主催のアフリカンフェスタというイベントがありました。そこではメインステージでエチオピアダンスの時間が割り当てられていて、僕らも立って踊りました。

(北側)エチオピアはコーヒー原産の国なんですが、エチオピアの人達がコーヒーを飲む時に色々な儀式が加わるんですよ。その儀式を再現してエチオピアに興味を持ってもらおうという事で、学生を集めて大使館でコーヒーセレモニーをやったんですね。そこではエチオピアに住んでいたNPO団体の方の講演やダンスなどをして、学生なりのPRというものをしました。あとは、駒場祭と一橋祭にエチオピアンカフェを出店します。そこではエチオピアンコーヒーを売って、学生に限らずいろんな世代の来場者の方にPRをする予定です。

―エチオピアは、どのような国ですか?

(神谷)エチオピアには遥か昔から1974年まで皇帝がいました。日本の天皇と同じ感覚ですね。だから日本と仲が良かったんです。戦前には日本の皇族とエチオピアの皇子様のお見合い話があったぐらいです。アフリカの中では一番日本との付き合いが古いんじゃないかな? そのきっかけは日露戦争で日本が勝ったことだと言われていて、「ああ日本スゴイな」と思い、お互いに政治体制が似ていたこともあって、日本を真似することになりました。エチオピアは日本の文化を多く取り入れていて、向こうでは演歌がはやっているし、車は大体トヨタ製です。

(北側)先程も言いましたが、コーヒーの原産地なんですよ。確か13世紀に、エチオピアで初めてコーヒーの木が発見されて、そこからイエメンに伝わり、世界に広まったんです。他の所ではよく品種改良をやっていますが、エチオピアのコーヒーは昔からのアラビカ種です。

(土屋宏亮さん)独自の文化で、エチオピアでは1年が13ヶ月あるんですよ。

(神谷)暦ってその国の文化を表すわけですよ。日本が明治時代に西洋の文化を取り入れるために暦を変えたように。でもエチオピアは暦を変えてませんからね。

(土屋)エチオピアンタイムというのもあります。僕らにとっての朝6時がエチオピア時間では0時で、そこから1日が始まります。

(神谷)今(2006年11月)はエチオピア暦では1999年ですね。西暦2006年9月にエチオピアでは新年になりました。あと、宗教はエチオピア正教会というのがあって、カトリックに対抗する勢力です。

(北側)エチオピア正教会はエジプトを起源とするコプト派から派生した宗派で、独自の教義です。これがおそらく暦や文字に繋がってきているんです。

日本エチオピア学生会議

(神谷)アフリカで唯一固有の文字を使っていますし、言語もアムハラ語という独自のものです。エチオピアには独自の文化が数多く残っているんですね。80以上の民族を抱えながら、アフリカでは唯一植民地化されず、独立を保ち続けたところはすごいです。

(土屋)アフリカの自然と言ったらサバンナとか動物とかのイメージがあると思うんですけど、エチオピアの首都アジスアベバは標高2,000mぐらいの高さがあって、夜は息が白くなるくらい寒いんです。結構山が多い国で、アメリカのグランドキャニオンぐらいのアップダウンはあると思います。あと、すごく大きなタナ・レイクというのがエチオピアの北部にあるんですが、その池の中の島に教会が建っていて、そこを回るツアーとかもあってすごく綺麗ですよ。

(神谷)一方で、貧困が大きな問題となっています。1人あたりの年間所得はおよそ100ドルで、1日1ドル以下です。年度によっては世界最下位になります。WHOに世界最貧国って認定された事もあったよね。

―エチオピアのどんな所に魅力を感じますか?

(土屋)国民性です。面倒見がいいっていう感じですね。友達以上の関係が作れます。旅行に行ってもガイド(編注:エチオピアを旅行するときは、自ら現地でガイドを雇うそうです)と旅行者という感じではなく、ガイドになってくれたらその家族とも知り合いになれるし、日本に帰ってからも連絡を取り合えるという感じですね。

(神谷)アフリカで一番治安がいいとも言われています。そこも魅力なのかな。国民性やエチオピア正教の影響じゃないかと思います。

(鈴木かおりさん)魅力はやっぱり人だと思います。皆が家族や友達や親戚や周りの人と一緒に話す時間があるんです。「貧困で生活が苦しい」なんて言ってるけど、それでも笑って生活してて、皆が一緒に集まれる時間を持っている限り、この人達は幸せなんだなって思いました。自分自身がエチオピアに興味を持って行こうと思った理由が、飢餓問題や貧困問題に対して、どうやって開発しなきゃいけないのか、何か出来ることはないだろうかと思った事だったんですが、実際に行ってみると、日本とかが今までやってきたような発展や開発が必要だとはあまり感じませんでした。エチオピアはエチオピアなりの方向性があるんですね。

(土屋)エチオピアの魅力というのを旅行に行った経験から話させていただきますと、どこに行ってもドラマがあります。町に行ったら絶対いいことがあるし、町に行く途中の移動手段でも日本じゃありえないような経験をさせてもらえます。例えば、ある町に行く途中で、偶然同じ町に向かう少年に会ったんですが、その少年の家に泊めてもらって、その家族と一緒にご飯を作ったりして、今でも連絡を取っています。あと、町にはストリートチルドレンが溢れ返っていて、本当にもう何か物を寄付してあげないと生きていけないような子どもたちで。ある男の子は靴磨きをやっていたんですけども、僕と一緒にいた男の子の靴を磨いてくれたんです。本当に誠意を持って一生懸命磨いてくれたんだけど、スニーカーだから靴の中が水浸しで(笑)。でもその5,6歳ぐらいの少年は本当に一生懸命磨いてくれて感動しましたね。現地の話は他にも色々あるんですが、こんな素敵な人達に触れ合う体験ができる、とても魅力的な国だと思います。そうそう、エチオピアは美男美女が多いよ。女の人超綺麗だよ。それが最大の魅力かも!?(笑)


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掲載日:07-01-30
担当:渡邉洋平
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