FairWind

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「地方の高校生に追い風を」――地方出身者も多く在学する東京大学ですが、やはり首都圏外であるために東大受験に壁を感じる高校生も多いのではないでしょうか。今回は、そんな地方高校生の東大進学支援をしている学生団体FairWindの代表をつとめる教養学部3年の品田智之さんにお話しを伺いました。

代表インタビュー

FairWind

―FairWindとはどういう団体なんですか?

地方の高校の進学支援をしている団体です。東大に進学している人の過半数が有名進学校を中心に都市部の高校出身であるのに対し、地方からだと東大に来づらいと思うんです。その原因として、情報が偏っていることがあるのではないかと。地方の高校生からしたら、同じ高校から東大に行った卒業生の数も少ないわけですから。そういった、地方と都市の格差をなくそうと活動しています。

具体的には、私たち東大生が地方に出向いていく「東大生地方出張セミナー」や、学校行事などで高校生が東京に来るときに東大ツアーをしています。その両方の中で個別相談会というのを実施して、東大生と高校生が直接話をする場を設けています。

―個別相談会について教えてください。

多くの高校生から聞かれるのは、どうやって東大に入ったのかっていう勉強方法のこと、あと大学生活・大学の勉強はどういうものなのかということですね。学問について聞かれることは多いです。「進振り」っていう名前だけ知ってるけど実際はどういうシステムなんですか、というのもよく聞かれます。

雰囲気としては、高校生に何か伝えたいという熱意のある東大生が参加していることもあって、東大生側が高校生のもっている疑問を引き出せるようにフレンドリーに話しかけています。だから最初は固い空気でも、5分もしないうちに打ち解けて、多少個人差もあるんですけど高校生みんなが聞きたいことを聞けるようになります。

―品田さんがこれまで相談会をしてきたなかで、印象的な質問があれば教えてください。

「後期の教養学部って何をする学部なんですか」って聞かれたときはびっくりしましたね。東大の後期教養っていうのは「国際性」と「学際性」をかかげて語学の勉強をしたり、ひとつの学問分野にとらわれない多面的な視点から研究をしたりするところ、って言葉では聞くけど実際どうなの、と。自分がそれを聞かれたのが今年(大学2年時)の夏、後期教養に進学しようとしていたところで、なかなか答えづらかったですね。自分が普段無意識にやっているがゆえに、東大生なのに東大のことを答えられなかった悔しい思い出です。そういう点でいうと、個別相談会は高校生のためだけじゃなくて、自分が今やってる学問を見直す機会でもあるのかもしれません。

―東大生地方出張セミナーについて教えてください。

地方の学校から東大を見に来ようとすると、東京近辺の学校から来るのに比べて時間的金銭的に高いハードルがあります。大学当局が主催する主要大学説明会もありますが、それも各地方の中核都市でしか開かれない。そこで、そういうものでカバーしきれないところへ学生の軽いフットワークを活かして足を運ぼうというのが私たちの出張セミナーです。

そこではもちろん個別相談会もやるんですけど、キャンパスツアーに比べて参加する高校生の数が多いので、全員に効率よく大学のことを知ってもらうために講義形式のプレゼンテーションを併せて行うこともあります。あとパネルディスカッション。せっかくたくさんの東大生が来るんだし多様な意見が聞けた方がいいだろうということで、十人十色の大学生活の話をして、大学生活って高校までとは全然違うなとか、東大生もふつうのキャンパスライフ送ってるんだなといったことを感じてもらえるように工夫をしています。

―活動の中でやりがいを感じるのはどういうときですか?

高校生から「東大受けてもいいかなって思いました」って言われるときですね。東大に受かった人たちみんなが特別な天才じゃなくて、部活終わって疲れたところをちょっとがんばって勉強したとか、そういう誰でも少し意識すればできることをやっただけっていうことを感じた高校生が「自分も東大いけるんじゃないか」って思ってくれるみたいです。そういうとき、変なイメージだけのハードルみたいなのを取っ払えたっていうのはとても嬉しいかな。

あと、これは逆説的ですが、交流が終わったあとに「東大は自分には違うと思いました」って言われるときもやってよかったと思います。というのは、漠然と東大を考えるんじゃなくて、東大生と実際に話してみないとわからないようなポイントで自分の進路をしっかり考えてもらえたんだなって思うからです。

FairWind

―発足して2年という新しい団体ですが、今後どういうビジョンを考えていますか?

まだまだ認知されていない団体で、このFairWindという商品を選ぶ機会の無い高校というのはたくさんあります。そういう状態を改善していかなければいけないと思っています。そのために、いろんなところで企画をうっていきたい。もうひとつは、団体の提供するものの質ですね。これを上げていかないといけない。経験を積んだり、新しい企画をしたりしていく中で、話の内容や効率、運営の手際などの質を上げていきたいと思います。

―最後に、高校生にメッセージをお願いします。

「東大が全てではない」というのは私たちが最初に言うことです。その上で、もし自分のやりたいことが東大でできるというのであれば、それはぜひ挑戦をしてもらいたいと思います。自分も地方出身だけど、やっぱり地方だと情報がなくて東大が変に神格化されてることもあるかもしれないし、「東大を受けたい」ってお父さんお母さんに言いづらいかもしれない。もちろん東大は、これはどこの大学でもそうだけど、何もせずに入れるところではありません。でもやりたいことのために努力するっていうのは勉強以外のことと同じだと思うので、やりたいことのためにしっかり大学を選んでがんばって欲しいです。そしてそのきっかけとして、FairWindを使っていただければなと思います。東大が自分に合うところなのかどうか、東大に行きたいと思ったときにどうすればいいかといった情報を私たちから提供したいと思っていますので、よろしくお願いします。


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掲載日:12-07-02
担当:平山いずみ
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