東京大学法律勉強会

社会の最前線で活躍なさっている方々と交流している東京大学法律勉強会。今回はその会長をされている中村さんにお話を伺いました。サークルとして社会とどう関わるか、大学生活をどのように過ごせばよいと思うか、などということについて話を聞くことが出来ましたので、受験生の皆さんも大学生の皆様もぜひご覧ください。


―まず、設立の経緯について教えてください。

東京大学法律勉強会が設立されたのは30年くらい前です。当時、法学部の3年に所属されていた呉東正彦さん、今は横須賀で弁護士をされている方ですけれども、その方が作られたサークルです。最初はいろいろな社会問題について研究を深めるということと、法律勉強会という名前の通り法律をお互いに勉強し合うこと、その2つが趣旨でした。しかし、最初に言った社会問題を研究するという傾向がだんだんと強くなっていき、実際に社会で働いている方々のところを自分たちで訪問してお話を伺うということが活動の中心になっていって、今に至ります。

―法律や社会問題の勉強には座学の勉強会、講義、ゼミといったものもあると思いますが、訪問だからこその意味は何だと思いますか。

法学部や他の学部もそうですけれども、授業に出たり本を読んだりすることから学ぶことも多いと思います。でも大学生という時期はすごく特殊だと思うんです。高校生とかよりは一応大人、でも働いていない、という宙ぶらりんな状態ではあります。しかし、そういうときに実際に働かれている方、活躍されている方を実際に訪問してお話を伺うと、自分の将来に活かすということができるんだと思います。

訪問をして自分からお話をうかがうことで、将来どうしたいかなどを自分で考えることができますからね。大学生だったらまだ軌道修正も効きますし、直接お会いする際に質問をぶつけて双方向のやりとりもできますし。

―訪問の準備や、訪問先をどのように決めるのか、相手の選び方やプロセスについて教えてください。

過去に訪問させていただいたところの中で、特につながりが深いところは毎年訪問させていただいています。そのほかに部員から「こういうところに訪問したい、こういう業種・ジャンルのところに訪問したい」という意見があれば聞いて、できるだけ幅広い訪問先を設定するようにしています。

―訪問の雰囲気はどのような感じでしょうか。

訪問先によります。でもそこまで堅苦しいものは無いですね。最近は訪問したら、大体最初に1時間ぐらい訪問相手の方から自分の仕事はこのようなものですとか、どんな経験をしたとかそういう説明をしていただいています。そのあとにこちらが質問をして答えていただくという質疑応答の時間を30分から1時間ほどやっています。初めて訪問する会員でも気軽に質問できるような雰囲気です。

―法律勉強会という名前ですが、法律以外にも、たとえば政治や経済も扱われているとお聞きしました。そのような法律以外の分野を取り上げる意味を教えてください。

法律だけやっていればいいというものでもない気がしますね。法律は一つの、それはそれで大きな学問ではあります。でもそれが日常のいろいろなところに幅広く関わっていますので、どういうふうに法律というものが日常に関わっているか、ということを、法律以外の問題にも目を向けて広い意味でとらえたいんです。

―他大学の人も参加する、いわゆるインカレサークルだと伺いましたが、たとえばどのような大学の人がいらっしゃるのですか。

聖心女子大学の人が多いですね。その他にも中央大学や国学院大学・お茶の水女子大学の人もいます。それほど人数は多くありませんが、それ以外の大学からもちらほら、ホームページを見てこういうサークルがあると知って、連絡をしてくれる人も多いですね。

―男女比はどのくらいですか。

男子のほうが多いですね。7:3〜8:2くらいです。

―OBやOGとの交流が盛んだと聞きましたが、どのように交流されているのでしょうか。

先ほど言った法律勉強会をつくった呉東正彦弁護士には、先週横須賀まで出かけて、訪問の一環としていろいろなお話をお聞きしました。このように訪問でお会いすることも結構あります。それ以外ですと、OB・OGを交えて新年会なども開きます。

―活動の頻度はどのくらいですか。

週に1回訪問することを目標にしています。

―活動の成果をどのように伝えるのでしょうか。

駒場祭に向けてそれまでの研究をまとめた冊子を作ります。去年作ったのは労働問題、地方自治、そしてエネルギー問題についてのものです。普段の訪問とまた少し違った感じですけれど、冊子を作るにあたって自分たちで少し調べてもいます。実際にどういう取り組みをされているかを、訪問させていただいて、実際に話を聞いて、また考える、深めるというやりかたでやっています。労働問題の冊子を作った際の訪問先は、労働組合の方、女性労働者のための労働組合である女性ユニオン、ブラック企業アナリストの新田さん、カネボウ化粧品などです。また、数年前の官僚に関する研究は、こういう駒場祭の冊子から始まり、昨年本として出版されました。

―訪問の他にこういう冊子を作られていて、配布されるのは駒場祭ということなのですけれど、駒場祭以外に何かまた冊子を作っていらっしゃるのですか。

作るのもなかなか時間がかかるので、今のところは駒場祭でしかやっていないんですけれども、部員から何か企画とか提案とかがあれば、取り上げて法律勉強会としてやっていきたいな、と思います。

―普段でも勉強会をされているのですか。

勉強会は今のところやってないんですよね。今は訪問だけをしています。何か最初のきっかけになればなぁと思っているんですよね。気軽に、弁護士、企業、そういう人のお話を聞きに行けるということが私たちのサークルの特長なので、そういうことをきっかけにしてもっと勉強を頑張るとか、そういう風に役立ててもらえればいいな、と思っています。

―印象に残った活動は何ですか。

僕は官僚や省庁に興味があるので、そういうところを訪問したことです。官僚というと縦割りだ、とかお役所仕事だ、とか結構言われますけれど、でもそれは必ずしも真実ではありません。確かに仕事がきついということはありますけれど、意外と自由にできるんだな、思っていたよりも1つの省庁でいろいろなことをやっているんだな、ということを僕は感じました。

―部員の方々ではどのような職業を志望されている人が多いのでしょうか。

やっぱり法学部、経済学部の人が多いので、官僚や弁護士、いろいろな民間企業を目指す人が多いですね。でも、理系でも結構法律勉強会に入って、ちょっと視野を広げたい、そういう人もいるので、将来どうしたいかということに関しては結構バラバラですね。

―全体を通して活動の面白さは何だと思いますか。

自分の視野を広げることができる、ということに尽きますかね。1人だけだとなかなか会いに行けないような人でも、こういうサークルでは訪問して実際にお話を聞けます。ですから、会長をやっている身としてはサークルを利用して、人にお話を聞きに行って、視野を広げてもらいたいですね。

―サークルの将来の展望について教えてください。

今のところは幅広く訪問を計画していくということが一番ですね。

他には、現在会員が100人ほどいるんですけれども、会員同士のつながりがまだなかなか無いのを改善したいと考えています。会員同士でもお互い意見を共有したり意見をぶつけ合ったりして、こういう考え方もあるんだなぁ、という風になるような場をもっと設けていきたいと思いますね。

―大学のサークルがどのような感じか知りたい受験生と、会長と同様に今駒場にいる学生に対して、それぞれメッセージをお願いします。

上から言えることではないですけれども、大学というのは、高校の時に思っていたよりも実際はいろいろなことができるんだなぁということが、とりあえず1年ちょっと大学生をやってきた感想です。やりたいと思っていることや、やろうかどうか迷っていることがあったら、とりあえずやってみればいいのではないでしょうか。その選択肢の1つが法律勉強会に入ることだったらそれでも大歓迎ですし、他のことであってもいいのではないかな、と思います。

多分大学生になったら誰しも自分が今打ち込んでいることが何かしらあると思うんですけれど、そういうのはこのサークルであれ授業であれバイトであれ、何か自分が今打ち込んでいてこういうことを思った、などということを周りと話して意見を交換したら楽しいだろうと思います。

―話を聞いてそこからモチベーションを上げるという、活動の趣旨が面白いなぁって思いました。中村会長以外に身近に、法律勉強会をきっかけとして将来の夢が少し拓けたという人はいますか。

同じクラスの人で1人省庁訪問に行って、意外と自由だ、いろいろなことができるんだなぁ、と知って、やはり自分は官僚になりたいな、という思いが強くなったそうです。

―最後になりますが、包括的なメッセージがあればお願いします。

今までいろいろ言わせてもらった中にも被るところはありますけれども、私たち東京大学法律勉強会の1番の売りは、気軽にいろいろな立場や業種の方にお話しを伺いに行けるところですね。そういう経験ができる場、というものがここにはあるので、何か少しでもそういう分野に興味がある人がいたらぜひ法律勉強会に入っていただきたいです。そして、何かこういうところを訪問したいのですという意見がありましたら、挙げてもらいたいな、と思います。

リンク

東京大学法律勉強会:http://houben.jimdo.com/


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掲載日:13-10-06
担当:伊藤重賢
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