奇術愛好会代表

小栗さんインタビュー

 奇術愛好会───100人前後もの部員数を誇る手品師集団。現在そのトップを務めていらっしゃるのが、理科一類二年の小栗秀悟さんだ。奇愛を見渡す彼の目には、どのような光景が映っているのだろう?もう少し奇愛のことが知りたいんです。お話、聞かせてください。


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お話を伺った、奇愛代表の小栗秀悟さん

─まず、奇愛の設立はいつですか?

 詳しい年代はわからないんですが、30,40年上のOBの方もいらっしゃるのでそのくらいは続いていますね。

─OBの方との縦の繋がりは割と強いんですか?

 そうですね。練習の時、よく見に来てくださる先輩もいます。あとは毎年OB会も開かれています。そこに行くともう白髪のおじさんばっかり、とか(笑)。

─部員数100名程度というのはずいぶん多いですね

 基本的に活動するのは1,2年生だけですよ。その後、3年生はスタッフにまわります。4年生は原則下級生への助言のみですね。年によっては4年生の卒業発表会というのを内輪でやって、そこで卒業、という形になりますね。

─部員の男女比は?

 今の1,2年生は男:女=2:1くらいです。年によっては1:1くらいだったり、逆に女性が多いこともあったりします。実はインカレなんで。

─「東京大学奇術愛好会」ですよね?(笑)

 はい、まあ……東京周辺大学ということで(笑)。東女、本女とか、女性は他大が多かったりしますね。

学外発表会

─練習披露の機会は主にどういったものがありますか?

 学園祭、発表会。それから営業もやってます。HPに案内を載せていて、依頼が来たらやりに行く。クリスマスシーズンは子ども会でやってくれとか多いです。

─サークルでやるマジックと、プロマジックに違いはありますか?

 学生マジックとプロのマジックはだいぶ違いますよ。学生マジックは無茶をして、自分の限界までやる感じ。プロは失敗をしないように、100できても30しか見せない。簡単なことしかやりませんね。ただ、技術自体はあまり変わりませんよ。プロの世界でやられている手品は学生にも広がってきますし。プロはそれを何種類も組み合わせて連続でやる。学生はそれを細分化して、一人一演目という感じですね。

─演出はすべて演者が考えるんですか?

 はい。ただ、演目ごとに技法として確立されたものはあります。それをどういった流れで見せるか、を考えます。技法自体を新しく作る人もいますが、やっぱり学生の範疇ではなかなか難しいですね。

─ずばり、手品の魅力とは

 意外に人が騙されやすいのがわかるってことはありますね。騙しているんだけど、拍手がもらえる。そういうと言葉が悪いですけど、不思議な体験をさせられる、夢を与えることができるっていう。それが一番嬉しいですね。

─なるほど。では逆に苦労する点は?

 練習は、まあ、苦労しますよ(笑)。お客さんのわからないところでたくさん練習を積まなきゃいけないところとかはやっぱりつらいですね。それをやらないと手品全体が成り立たない。でもお客さんの側からはそこまでの苦労は見えない。まあ、そこをなんともない顔でやってのけるのが手品なんですけどね。だから顔の表情もステージ用に鍛えます。こういうキャラで行く、と決めたらそれに合わせて表情を作っていく。手品も演劇みたいなものですかね。ステージに立って、魔法使いを演じているんです。

─小栗さんが学外発表会で演じられた手品は変わったものでしたね

小栗さん演じる「和妻」

 あれは「和妻」という演目で、和風の手品。和傘を出したり扇子を出したりするものなので、日本でしかやらないです。そういう意味では珍しいといえば珍しいですね。プロでもたまにしか見かけません。道具が大きいので、とても重い。その上ずっと中腰の姿勢でやるのが僕のスタイルだったので、足腰や腕の筋肉も鍛えなきゃいけなかったんです。

─学外発表会を振り返ってどうでしたか?

 演者ごとに違いますけど、全体としては7,8割の出来ですかね。割と成功したほうだと思います。今年は、ジャグラス(グラスを使った手品)が一番人気でした。手品の技法だけではなくて、ジャグリングの技を多く取り入れたこのタイプの演技はうちのサークルでは初めての試みだったんです。それが高く評価された。やっぱり挑戦って大切ですね。頑張った分だけお客さんに評価されるというのは手品をしていてとても嬉しいことです。

─駒場祭に向けて、現段階での調子はどうですか?

 まだわからないですよ(笑)。やっと学外発表会が終わって練習体制が整ったばかり。強いて言えば、進んでる人と遅れてる人の差が激しいかな。でもあと1ヶ月弱もあるので、これからに期待しようかなと。

─駒場祭ではどんなことをやるんですか?

 普段の活動はステージマジックが多いので、ステージがメインですね。22,23日の二日間です。一年生は全員ステージに立ちます。でも今年はクロースアップマジック(観客のすぐ目の前でやる手品)も力を入れていこうという動きも出ています。ステージでクロースアップの宣伝もするので、そのまま流れで両方見に来てもらえると嬉しいですね。手品を存分に堪能してもらえればと。

─駒場祭が一年生の初めての晴れ舞台になるわけですか?

 そうですね。

─じゃあ今が一番大事な時期ですね

 ただ、この駒場祭を終えて初めて手品が好きになるという人も多いですから。今はまだ真の楽しさを知らない時期ですね(笑)。

─在学生がこれから奇愛に入る、ということはできるんですか?

 できますよ。数週間前にも一人入部しました。ただ、学年ごと年間のスケジュールは決まったものがあるので、もう少し時期が遅くなると一年遅れで次の一年生に交じってやっていくことになりますね。実は今の一年生の中にも一部二年生が入ってやっています。

─駒場祭、楽しみにしています。小栗さんもご指導頑張ってください。
本日はありがとうございました!


奇術愛好会:
部員数、約100名。5月の五月祭、11月の駒場祭、9月(or10月)の学外発表会におけるステージ発表をメインの活動とする。2004年度に行われた第77回東京大学五月祭においてはMay Festival Awards総合部門第二位に輝くなど、多くの人々を魅了し続けている。
ホームページ: http://ut-magic.org/


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掲載日:04-10-27
担当:浅岡凜
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