マラバリスタ

 誰しも一度くらいは、ボールを3つ持ちジャグリングに挑戦したことがあるのではないでしょうか。そして大抵の人は、落ちていくボールを眺めあきらめてしまうものです。だからこそ、たくさんのボールを落とさずに投げる彼らを見ると、つい足を止めて見入ってしまいます。今回のサークル紹介は数々の大道芸をやってのけるマラバリスタです。部長の増田さんと副部長の本間さんにお話を伺いました。


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─マラバリスタの紹介をお願いします。

malabaristas

 ジャグリングサークル・マラバリスタです。普段はキャンパス近くの駒場小学校で週2回ほど活動しています。ジャグリングを披露するステージは主に五月祭や駒場祭ですが、他にも1年を通して10回くらいサークルに営業依頼が来るので、それに応じてパフォーマンスを行います。あとはサークルの内部で"Malabaristas Juggling Festival"(MJF)という大会を行っています。ちなみに"Malabarista"とはポルトガル語で「曲芸師」の意味です。

─メンバーはどのくらいいますか。

 サークルに入っている人は100人くらいいます。東大生は80人程度で、他大学の人や社会人もいます。東大のOBでマラバリスタ10年目という人もいますね。ただし練習は任意参加なので、練習に来ている人数はそのうち3割から4割です。

─マラバリスタで扱う道具はどのようなものですか。

 扱う道具はとても多くて、ボール・クラブ・リング・ディアボロ・デビルスティック・ポイ・シガーボックス・シェイカーカップ・ヨーヨーなど大道芸全般ですね。

 ボールやクラブは目にしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。ジャグリングの時に使うボールは、ジャグリングの専門店で売っているもので、革で丈夫に作られているので半年くらい使っても全然壊れません。一度も触ったことがない人が持つと、見た目より少し重い印象を受けると思います。クラブはボーリングのピンみたいなもので、これらの道具を複数個投げてキャッチするのが主な使い方です。リングはその名の通り輪っかのことで、投げて使います。

 ディアボロは中国ゴマとも呼ばれていて、お椀を2つ逆向きに重ねたような形をしています。そして両手に紐の付いた棒を持って操るんです。ポイは、紐またはチェーンの先端に錘を付けた道具で投げたり振り回したりして使います。シガーボックスは2つの箱で1つの箱を挟んで持ち空中で落とさずに操るものです。中には4つ以上の箱を使う人もいます。シェイカーカップは金属のカップを投げたり重ねたりするもので、カップを重ねて取るときに鳴る金属音が特徴ですね。

─100人のメンバーの中でどの道具が多く使われていますか。

 みんな大体2,3個できたりします。最初は多くの人がオーソドックスなボールから入りますが、最近の練習ではクラブが多いですね。ボールのように物を投げるのを「トス系」と呼んでいますが、その中でボールより難易度が高めのクラブに移行していくのがよくあるパターンのようです。クラブは2人で投げることもでき、1人でやるのとは違うおもしろさがあり部内で人気のある道具です。

─新入生のジャグリング経験はどれくらいですか。

 勧誘するとき、こちら側としては新入生の経験の有無は考えていませんが、高校でジャグリングの同好会がある場合もあり、実際入ってくるメンバーを見ると未経験者と経験者がだいたい半分ずつだと思います。中学からやっている人だと、大学1年生でもすごくうまいです。あまり学年と技術力が比例していない感じですね。実際高校生で非常にうまい人がマラバリスタの練習に来たりします。

─営業依頼は主にどのようなところから来ますか。

 多いのが小学校、幼稚園のお楽しみ会のゲストとして呼ばれるパターンです。特に駒場小学校には練習場所として体育館を借りているので、その関係で呼ばれます。他には地域の集まりや他大学の学園祭などに呼ばれ、こちらは大人向けにやります。毎年確実に呼ばれるのはこれくらいですね。

─学園祭・営業・サークル内でのステージに違いはありますか。

 お客さんの違いに合わせてこちらの演技も変えていきます。サークルの内部の大会なら、ジャグラーが相手なのでそちら向けの演技をしても大丈夫です。逆にお客さんが素人の場合、わかりにくい技は難しいのに相手に伝わらない場合もあるのでそういう技は控えめにしています。また大人向けと子供向けで司会が話す言葉もどんどん変わりますし、演技も子供向けだと高く上げるだけで盛り上がりますが、大人だとそれだけでは盛り上がりに欠けるので、もう一工夫必要ですよね。営業に関しては、行きたがる人と行きたがらない人がいるので、積極的な人に行ってもらうようにしています。特にお金をもらってやっているので、できる限り質を高めるという意味でもそのようにしています。

─他大学のジャグリングサークルと比べた時のマラバリスタの特徴は?

 サークルの規模としては大きい方だと思います。それとうちは割と個人技がメインですね。例えば他大学のサークルでは、集団で何か1つの演技をすることがありますが、うちは個人あるいは少人数のグループが順番に出て演技をするといった形です。

─ジャグリングはスポーツとして確立されていますか。

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 スポーツとしてジャグリングをやっている人もいて、"Japan Juggling Festival"(JJF)という公式戦もあります。スポーツとしてジャグリングをつきつめると、投げるものが増えるにつれ高く上げるための筋力も相当必要になってくるので、技術力向上のためにスポーツ並みの練習をする必要があります。それがスポーツ寄りのジャグリングですが、単純に個数ではなくてパフォーマーとしてお客さんを楽しませるジャグリングは、スポーツとは少し違うかなと思います。そこはやっているジャグラーの考え方によりますね。マラバリスタでは個人の自由でやってもらっています。スポーツとしてやっている人もいて、毎年1人2人はJJFに出ますね。JJFはまず最初にビデオ審査があり、それに通った人が本番に出場します。ボール・クラブ・リングといった部門には分けずに点数を競います。ただ、フィギュアスケートみたいにどの技が何点と決まっているわけではなく、やはりお客さんを一番盛り上げた人1番になったりしますね。その大会だとお客さんもジャグラーが多いので、難しいことをわかってくれるメンバーがそろっています。また日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカでも多くの大会が開かれていますね。

─例えばボールだと何個くらい投げるんですか?

 サークルでは最高5個の人が多いですね。これだと練習の密度にもよりますが、1年練習すればなんとかなるといわれています。ちなみに奇数個の場合はボールを八の字に、偶数個なら2で割って片手でタイミングをずらして投げるのが普通です。例えば6個の場合、左右に3個ずつ持ち、右手にいるボールはずっと右手にいます。世界記録を言うと確か10個ですね。このレベルだと筋力も大変でしょう。パフォーマンスの中に組み込む場合は多い人でも7〜9個くらいだと思います。うちのサークルだと7個使える人は多分一桁です。8個も16キャッチ(編注:ボールを1回取ると1キャッチになる。この場合8個のボールを全て2回キャッチすると16キャッチとなる。)ならできる人はいます。ただ16キャッチだとすぐ終わってしまうので、ステージでやるのなら7個までですね。7個だと30秒くらい続けられる人もいます。


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掲載日:08-12-17
担当:栗田萌
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