東大音感

「バンド」ってどういうイメージがありますか? 音楽好きにとっては日常的で馴染み深いものでしょうし、逆にあまり音楽に興味のない人にとってはエレキギターの爆発的な音のイメージもあって何となく敬遠してしまう人も多いかもしれません。でも本当は、うるさい音楽だけがバンドの音じゃないんです。「本気」の音には人を魅了してやまないものがあります。今回はバンドサークルに焦点をあて、東大音感の部長の篠塚史弥さん(理科一類、2年)にお話を伺いました。


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―東大音感の概要を教えて下さい。

東大音感

東大音感は部員が100名以上いる、学内最大級のバンドサークルです。構成員は東大生が中心で、その他に東京女子大学や御茶ノ水女子大学・日本女子大学・桐朋音大・日本赤十字看護大学・昭和女子大学・聖心女子大学などの他大生も参加してくれていて、いわゆるインカレサークルになっています。また、学園祭のライブや、合宿などに参加してくれるOB・OGの方を含めるとすごい人数になります。

活動場所は、新学生会館にある部室と音感専用のロビーが中心です。部室はオーディオルーム(AR)と呼ばれています。ARは音感が練習に使う音感専用の防音スタジオで、機材の充実ぶりは都内の有料スタジオにも負けないほどです。音感は「音」へのこだわりを大事にしているので、良い音で練習して早く上達できるようにしています。また、音感専用のロビーも新学生会館にあり、ここでは楽器の練習をするもよし、音楽を聴くもよし、同級生や先輩など他の部員と喋るのもよしの、いわば部員の憩いの場として使われています。

―ライブは年に何回開催するのですか。

五月祭・駒場祭で2回やるのと、その他にライブハウスを借りてやるのが年に2回、それから教室でやるライブも年に2回あります。

―1つのライブに向けての練習期間は。

東大音感

だいたい1か月くらいです。練習回数としては、少ないところで4,5回、多いところだと10回くらいやると思います。当然ライブの前は忙しくなります。

―特に何もない期間の活動は。

サークル全体としての活動は特にないです。早いところであれば、次のライブに向けて2,3か月前から練習に取り組んだりするバンドもあれば、個人練に明け暮れる人もいたりで、それは本当に人それぞれだと思います。

―音感は、学年の呼び名が特殊ですよね。

はい。音感では、学年の名前を音階になぞらえて呼んでいます。「ド」つまりCから始まるハ長調になぞらえて、1年生から順にC(ツェー)・D(デー)・E(エー)・F(エフ)・G(ゲー)・A(アー)・B(ベー)と呼んでいます。

―その呼び名は昔からの伝統なのですか。

あまり聞いたことはないですけど、たぶんそうだと思います。でも、そう名付けるのにあたって、音楽をやるのには年齢は関係ないっていう精神がモットーにあるのは確かです。だから何歳から入っても、例えば社会人が入っても、1年目だったらC年から入ることになります。

―インカレで部員数も多いですが、まとめるのは大変ですか。

別にそんなことはないです(笑)。音感に愛着を示してくれる人が多いので、「集まって」って言ったら、他大学の人でもちゃんと東大まで足を運んでくれて、準備とかも手伝ってくれます。だから、そんなに苦労はないですね。

―他のバンドサークルが多くある中で、音感の特徴って何だと思いますか。

音感のモットーである「本気で音楽」という言葉に集約されると思います。それは具体的に言うと、まず人数が多い分、それだけ幅広い音楽に触れられること。それから向上心を持って活動できること。さらに、東大の中でかなり高いレベルを維持していると思いますし、楽器や機材も非常に充実しているので、音楽をやるのに適した環境が揃っているのも音感の特徴だと思っています。

東大音感

それから、ライブにおけるステージ作りに関して、機材を借りるというところ以外は、全部自分たちの手で作っているのも音感の特徴だと思います。ステージのセッティング、配線、PA(注:音響装置のこと。これを担当する人はライブで音のバランスを調整する)、さらに照明に関しても自分たちの手でやっています。PAの技術の良し悪しなんかは客観的な評価が難しいですけれど、先輩から着実に技術を受け継いできているので、一定の水準は保っています。音感では一つの機材についての担当者が決まっていて、例えばギターでしたらギター機材係、ドラムならドラム機材係といったように、細かく役職が分かれています。こういうのも、技術を後輩に受け継いでいくための工夫です。

―東大POMPと併せて、東大の二大バンドサークルのイメージがありますが。

POMPと音感は似たような音楽の趣味をしていて、結構似たところがあると思います。POMPと音感は、どちらも幅広いジャンルの音楽を扱っていると思います。また、POMPはホーンセクション(注:吹奏楽器のパートのこと)に強いイメージがありますが、音感もPOMPと同じくトランペット・サックス・トロンボーンなどのホーンがいます。

―ホーンの話が出ましたが、他に特殊な楽器の使用はありますか。

音大の人が数名いるので、その人たちがバンドでヴァイオリンを弾いてくれます。これなんかは、特殊な例なんじゃないかと思います。

―本気で音楽をやっている音感ならではのエピソードを教えて下さい。

合宿ですね。合宿は5日間で行くんですけど、最後の日は1日中ライブをやろうっていう目的で、他の日は1日中スタジオを貸し切りにして練習しているんです。合宿中に合宿限定のバンドを組んで、最後のライブに向けて仕上げていくので、みんな練習しよう練習しようって感じで、寝る間も惜しんで練習しています。夏合宿では睡眠時間がそれこそ2,3時間しかとれないくらい練習するんですよ。本気で音楽をやっているからこそのエピソードだと思います。

―合宿以外に他のイベントもするのですか。

年に1回バーベキュー大会はありますけど、その他は音楽のイベントが中心です。


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掲載日:09-12-05
担当:杉山達彦
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