環境三四郎


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2012年代表植原さんインタビュー

来学期(編註:平成24年3月取材)に全学自由研究ゼミナール、「環境の世紀18」が開講されます。そのゼミは環境三四郎というサークルによって企画されています。そこで今回は環境三四郎の代表である植原啓太さんにお話をうかがいました。

―環境三四郎は普段どのような活動をなさっているのですか

活動の様子

環境三四郎はプロジェクトごとに分かれて活動しています。「落ち葉堆肥化プロ」「環境の世紀」「駒場祭エコプロ」「みずプロ」「目黒区プロ」という5つのプロジェクトがあります。

一つ目は「落ち葉堆肥化プロジェクト」です。キャンパス内にたくさんある木からは大量の落ち葉が出ます。それらを業者さんが処分しているのですが、その一部は焼却処分されてしまいます。それは燃やすことで、環境に負荷がかかるため、それを減らそうというものです。堆肥化させるのは一部ですが、その落ち葉に生ごみや米ぬかを入れて堆肥化するプロジェクトを駒場キャンパス内でやっています。また、今年度から作った堆肥の効果を調べるため、学内で畑を借り農業を行っています。

二つ目は単位認定される主題講義「環境の世紀」を作るプロジェクトです。自分たちがどのような授業を作っていきたいか、どのような先生を呼びたいかを企画して実際に運営していきます。

三つ目は学園祭での環境負荷を減らす「エコプロジェクト」です。ゴミ分別の指示や学祭終了後のゴミ集積場の管理を行います。来場者にエコを考えてもらうエコブースの運営も行います。

小学校ビオトープ

四つ目は、小学校に行ってビオトープの整備をしたり、小学生に生物や自然の大切さについて教える環境教育を行なったりする「みずプロジェクト」です。駒場キャンパスのある目黒区の多くの小学校にビオトープが作られていますが、管理や学習への活用が難しいため放置される場合が少なくありません。そこで、小学生が自然に触れる機会を増やし、親しみを持ってもらうことを目標としています。


五つ目のプロジェクトは、目黒区の区役所の方と協力して区民や子供たちに向けて環境意識啓発をするために色々な環境に関するイベントを企画するもので、「目黒区プロジェクト」通称「ろくプロ(※)」です。この昨年度からやっています。

(※)ろくプロジェクトの「ろく」は目黒区の「ろく」に由来。

この5つのプロジェクトを普段はやっていて、学期中はミーティングが平日の放課後に割り振られています。そしてミーティングで次にどんなことをしていくかということを話し合っています。

3、4月には一人暮らしをしている先輩方から引越しで不要になった家具・家電を回収して新入生に安く販売するという「リユース市」を行っています。これは6つ目のプロジェクトと言えます。目的は、新入生が一人暮らしに必要なものを安く手に入れることができるようにすることです。これは10年以上前からやっている企画です。

―メンバーは活動にどのようにかかわっていますか

メンバーはプロジェクトの中で自分が興味を持ったものに入ります。堆肥や野菜作りに興味を持ったら堆肥化プロジェクトに入り、講義を作りたい人だったら環境の世紀プロジェクトに入ります。一人で何個のプロジェクトに入るかは自由で、全部のプロジェクトに入っている人もいますし、「自分は環境教育に興味がある」といってひとつだけに専念している人もいます。このように環境三四郎への関わり方は自由です。

―活動の理念や目標はどのようなものですか

環境三四郎には創設時のメンバーが立てた理念が三つあります。それは「学習と行動」、「批判ではなく提案」、「交流そして成長」というものです。

大学だと研究までのところが多いし、自分たちも環境問題といっても実際に行動するのは難しいと思います。「学習と行動」というのは、ただ「このような問題があるのか」と学習するだけでなく、行動していくということを大事にしようというものです。また一般に批判するのは簡単ですが、実際に提案するのはさらに難しいと言われます。そこで批判するだけでなく実際に改善案を提案できるようになろうというのが「批判ではなく提案」です。最後の「交流そして成長」は、目黒区や企業の人たちを始めとする外部の方と交流していくことで、自分たち自身も成長して社会の中で発信していくことのできる人間、社会に役に立つ人間になろうというものです。

―今までの活動の中で印象深かったものについて教えてください

文化祭ゴミ

自分はいろいろなプロジェクトに関わっていますが、一番印象深かったのはエコプロジェクトですね。学園祭のときごみがこんなに出るのだなというのがひとつ。駒場祭のとき、実際第二体育館の裏で集積場を学祭後にやっているのですが、山になるほどごみがありました。このようなことは実際に関わらないとわからないものです。また黙々と作業をするのではなく、ごみ山を積み上げる中でも楽しめるということに気づきました。

また、みずプロジェクトで実際に小学校に行って授業をした際に子供たちのリアクションが純粋で関心を持ってくれたことにやりがいを感じました。自分がもし小学校の時に環境に関することを体験していたら考え方が変わっていたのではないかと思い、環境教育も大切だと思います。小学校での授業には3回行きましたが初回が特に新鮮で、今後も継続的に関わっていこうという思いを新たにします。

―サークルの歴史・メンバーの人数・雰囲気について教えてください

環境三四郎というサークルは来年度で20年目になります。これは一般的なサークルの中では短いとされるかもしれません。1992年のリオサミットを契機に環境問題が世界的に広く認識され、問題視されるようになりました。しかし当時は、環境問題が認知され始めた時期ということで、現在のように「環境問題について考える」などの環境問題だけを扱った講義がまだありませんでした。これから社会を担っていく立場の大学生が環境問題について知らないのは問題だと考え、環境の世紀プロジェクトが始まり、これを契機として環境三四郎が発足しました。環境の世紀プロジェクトは代々引き継がれてきて、今回で18回目になります。

その後環境の世紀プロジェクトだけなく、学校側と協力してキャンパスでのごみ回収の時に調査をしたり、学園祭の時に駒場祭実行委員と協力してエコプロジェクトを行ったりし始めました。また、自分の興味のあることをやっていくプロジェクト制に変更し活動を拡大させてきました。これが10年位前ですね。10周年の時に総長賞も取りました。あとは環境の世紀で話し合ったことを本にしたこともありました。(※)それは「エコブームを問い直す」というもので、エコがブームのようになっていて、本当に環境問題の解決につながっているかを授業を通して考えたものです。

環境三四郎のプロジェクトを実際に動かしているのは主に1年生と2年生で、駒場キャンパスで活動しています。例年1・2年生合わせて30人前後です。それぞれが自分の興味のあるプロジェクトに入るので、各プロジェクトによって人数はまちまちで、6から10人くらいですね。

活動は和気あいあいと、楽しみながらしています。小学校の授業にせよ環境の世紀にせよ楽しんでやっています。小学生に授業するのは面白い体験です。また環境の世紀は興味深いですね。まず教授について知れるというのがあります。また話を直接聞きに行くことができるのは面白いです。

(※)『エコブームを問う 東大生と学ぶ環境学』東京大学環境三四郎「環境の世紀」編集プロジェクト 学芸出版社


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掲載日:12-04-08
担当:廣瀬翔太
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