東京大学 神社・神道研究会

「東京大学 神社・神道研究会」――この名前だけを聞くと、何やらただならぬ空気を感じる方もいるかもしれません。では、実際のところはどのような活動を行っているのか、会長と巫女をなさっている方にお話を伺いました。


神社研

―東京大学 神社・神道研究会とは?

2007年1月、東京大学の文化人類学研究室の大学院生が、東京大学に神社にまつわる文化を扱うサークルを作りたいと思ったのが始まりです。最初はその人の知り合いだけの少人数で神社巡りや勉強会をやっていたのですが、それ以降少しずつ会員が増え、現在では20〜30人の会員がいます。

会員の所属大学は東京大学だけでなく、早稲田・慶應・明治・立教・青山・お茶の水女子・東京女子・実践女子・学習院女子・國學院・武蔵野美術・東京外語・その他いろいろな大学の学生が所属しています。また、大学院生の会員もおり、所属大学も年齢もいろいろな学生が一緒に活動しています。「神社・神道研究会」という名前ですが、活動内容も神社や神道に限らず日本文化全般を扱うようになってきており、実際には神社文化や和風文化が好きならば誰でも入れる和風オールラウンド・インカレサークルといった感じです。神社文化を核として日本文化にかかわる和風なことならば何をやってもいいという感じですね。

それから、言っちゃなんですが、サークルの名前から宗教系だとか政治系だとかそういう誤解を受けたりしかねないんですよね。実際は全然そんなんじゃないんですけど。そういうこともあって、特定の神社や団体との過度な関わりは持たないように気をつけています。もちろん個人としてはどんな考えを持っていても構わないですし、むしろいろいろな考えを持った人が気兼ねなく集まれる点がこのサークルの魅力だと思ってます。ですから、一緒に活動を楽しめる人でさえあれば、どんな人でも歓迎ですよ。ただ、「布教」や「宣伝」のようなことは常識として当然厳禁ですし、その点は他のサークルと変わりありません。

―活動について

神社・神道研究会(以下、神社研)では現在主に次のような活動をしています。

神社研

1つ目は「神社巡り・街歩き」で、神社を中心にお寺や名所旧跡など行きたいところを巡りながらみんなで散策をします。普段は1回数時間程度で都内の神社などを巡っていますが、長期休暇には京都などにも行きます。昨春は伝手を頼って京都の伏見稲荷大社にも泊まらせていただきました。また、神社仏閣や名所旧跡を巡るほか、お祭りや縁日などにも行きます。要はそういった雰囲気が好きなんですね。この神社巡りが一番気楽に参加しやすい活動かと思います。

2つ目は「勉強会・自主ゼミ」で、神社文化や日本文化に関わる読書会や発表会をしています。内容は特に決まっているわけではなく、みんながそれぞれ興味があるテーマを持ち寄って語ったり話し合ったりする感じで、いろいろな主題を取り上げています。

神社研

3つ目は「神楽・巫女舞」で、お祭り等でいろいろな舞や神楽を見学するのはもちろん、実際に神楽を舞えるようになるために都内で練習をしたり、会員の友人の実家という関係から岩手の神社で合宿をしたりもしています。岩手の神社では無形民俗文化財に指定されている「早池峰大償流・土沢神楽」を習っていて、東京での練習は国際基督教大学(ICU)の日本民俗舞踊同好会と合同で行っています。また、神楽とは別に巫女舞の稽古をしている人もいます。現在は神職の方から習っていて、次の五月祭で発表できたらと考えています。(編注:2009年の五月祭は終了しています。)

神社研

4つ目は「雅楽」で、日本の伝統音楽であり重要無形文化財である雅楽を先生から定期的に習いつつ練習しています。特に「龍笛(りゅうてき)」「篳篥(ひちりき)」「笙(しょう)」という管楽器を用いて「越天楽(えてんらく)」や「五常楽急(ごしょうらくのきゅう)」などの曲の演奏を練習しています。また、都内で行われる雅楽の演奏会を聴きに行ったりもしていて、去年は明治神宮や皇居などで行われた演奏を聴きに行きました。

他にも和服を着て神社や紅葉を見に行く「和装」や、和歌や和文を創作する「歌道」、無人神社の清掃ボランティアなどもやってます。全ての活動が自由参加なので、神社巡りの場合は一度に10人以上集まることもありますけど、だいたいはどの活動も1回あたりの参加者は5人ぐらいですね。

どの活動もだいたい毎週あるいは月1,2回の頻度で活動をしているのですが、各会員にはメーリングリストで活動ごとに参加案内のメールが流されます。基本的にすべての活動の案内が流れてくるので、会員は興味を持った企画に自由に参加できるというわけです。活動ごとに責任者や参加者は異なりますが、神社巡りや勉強会など複数の活動に参加してもいいですし、雅楽だけなら雅楽だけというふうにひとつの活動だけに参加しても構いません。

―百軒店商店街の「まちおこし」

渋谷に「百軒店(ひゃっけんだな)商店街」という商店街があって、そこに千代田稲荷神社という小さな神社があるんですよ。その関係で商店街のまちおこしに協力してほしいという依頼を受けてそれをやっています。具体的には商店街のホームページを作成して、商店街の歴史やお店の紹介記事を自分たちで取材・調査して掲載しています。また、百軒店商店街と千代田稲荷神社に関する歴史記述を集めて資料作りをしたり、商店街のイベントを企画の段階から任されたりしています(編注:当取材後の2009年3月に「第4回ひゃっけんだな祭り」が開催された)。そうやって商店会の人と一緒にまちおこしのようなこともやっています。

神社研

―神社研に入ろうと思ったきっかけ

会長 自分が入ろうと思ったきっかけは、一番には神社とか日本の古いものとかが好きだったということですね。「神社巡りとか楽しそうだな」みたいな感じで入りました。

巫女 高校生のころから神社で巫女さんのバイトをやっていたのですが、大学がキリスト教系で自分の専修もキリスト教系だったので、「もっと好きなことしたいな」って(笑)。好きなことしようと思って入りました。

―神社研の魅力

会長 ここのサークルの特徴と言ってもいいと思うんだけど、普段では体験できないような活動ができる機会が結構あります。たとえば合宿で神社に泊まらせてもらったり神社でバイトをしたりということは普通には体験できないので、そういう機会が数多くあるというのがいいところかなと思います。あとは、いろいろな大学の人がいるし、院生も多いので幅広い年齢の人と知り合いになれるっていうのもいいですね。

巫女 大学で「神社好きなの」とか言うと、結構「変わってるね」みたいな感じでひかれ気味だったんですけど、ここに来たら同志がたくさんいて(笑)。

会長 神社や和風なものが好きな人っていうのは友達と話が合わなかったりするのかもしれないけど、このサークルに来たらそういう人が多いので好きなだけ話ができるよっていうことです。

―最後に一言

やっぱり「神社・神道研究会」って名前がちょっと堅いかもしれないですが、実際のところはみんな楽しく神社巡りや神楽みたいな日本文化に関わる好きな活動をしているという感じなので、神社や和風な雰囲気が好きな人はためらわずに入ってきてほしいですね。基本的に神社・神道に限らず和風なことなら何をやってもいいし、設立してからまだ日も浅いので、誰でも「これをやりたい」って言ったらすぐできます。自分(会長)も、雅楽が平安貴族みたいな感じでかっこいいなと思ったので自分で雅楽を始めましたし、和服姿が好きだからってことで和服を着始めたりしました。とにかくもっといろいろな人に入って来てもらいたいと思っています。ぜひ一緒に神社巡りしましょう。

あとがき

果たして神社研とは、神社巡りを楽しむ活動から舞や神楽を習う活動、はたまた本気で神社文化や日本文化について学ぶ活動まで、広く神社文化・日本文化の豊かさを味わうためのサークルなのでした。興味を持った方は五月祭企画に足を運んでみてはいかがでしょうか。また、神社研によるホームページとブログにはさらに詳しく活動内容が記されているので、こちらもぜひご覧ください。

リンク

神社研公式ホームページ:http://jinzya.web.fc2.com/
神社研ブログ:http://jinzya.blog86.fc2.com/

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掲載日:09-04-01
担当:土本一貴
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