'06 オープンキャンパス
8月1日には本郷キャンパスで、2日には駒場キャンパスでオープンキャンパスがありました。 当日は晴天にも恵まれ、多くの高校生達が各学部や学生団体の主催する企画を見にやってきていました。
1日に本郷で行われたオープンキャンパスの様子をリポートします。
学生ガイダンス
場所: 法学部31番教室
法学部31番教室では、「トウダイ、ドウダイ? 〜学生ガイダンス 2006夏〜」が行われた。
まずは東大の科類とは何か、前期課程と後期課程の違い、後期課程の学部・学科を決めるための進学振り分け制度についての説明が学生からなされた。その次には、文系・理系合わせて10ある学部のそれぞれを代表する学生が、各学部の授業や雰囲気など、思い思いに魅力を語った。短い時間ではあったが、時にコミカルに、それでも真摯に学部の姿を高校生に伝えていた。
そして最後には、高校生が各学部の東大生と直接話し合う時間が設けられ、高校生たちが東大についての疑問を積極的に投げかけていた。
学生の手による、学生の視線からの東大ガイダンス。東大生の一番の生の姿に触れられる貴重な時間となったようだ。
担当: 渡邉洋平 ![]()
経済学部コース
場所: 経済学研究科棟
経済学部では、まず、学部長の挨拶が10分ほどあり、その後、模擬講義が行われた。 まず最初は、神取道宏教授による「文科と理科の融合:ゲーム理論で社会を見る」という講義。トランプのゲームを交えながら、ゲーム理論についての簡単な講義が行われた。続いて行われた講義は、和田一夫教授による「フォードシステムの『寓話』」という題目の講義で、こちらはより普段の学部での講義に近いものであったようである。
その後、希望者は経済学部図書館・ものづくり経営研究センター・金融教育研究センターの見学に参加することができた。筆者が同行した金融教育研究センターでは、来年経済学部に開設される予定の「金融学科」についての説明があった後に、株式についてのビデオが放映されていた。見学に来ていた高校生はやはりみな、経済や株式などに興味があるらしく、積極的に質問をし、説明に熱心に耳を傾けていた。
担当: 金井雄太 ![]()
法学部コース
場所: 法学政治学総合教育棟
法学部のオープンキャンパスは、法学政治学総合教育棟で行われた。通常は法科大学院、いわゆる「ロースクール」の講義が行われる場所である。高校生らはまだ新しい教室に感激しながらも法学部長の説明に耳を傾けていた。学部長の高橋教授は「法学を体系的に学習することとは、ただ条文を暗記するのではなく、物事を深く考えるためにあるのです」と仰っていた。結果ばかりが注目されてしまう今の法学教育に警鐘を鳴らす、重要な言葉だったように思う。
学部長からの挨拶の後、加藤淳子教授による「政治学」と、寺谷広司助教授による「法学」の模擬講義が行われた。どちらも高校の授業では学ばないことばかりで、高校生をはじめとした参加者は戸惑っていた様子だったが、先生からのアプローチに次第に答えられるようになり、講義の終盤では法学部の雰囲気を十分につかめていたようである。
担当: 野島史暁 ![]()
薬学部コース
場所: 薬学系総合研究棟
薬学部では、ガイダンスとして研究室の見学ツアーを行っていた。高校生たちが約10人づついくつかのグループに分かれ、薬学部生に連れられ2つの研究室を訪れるというものだ。筆者はひとつのグループに同行させて頂いた。
一つ目の研究室では、薬開発に利用可能な天然物を探しだす新しい方法がスライドで説明された後、その方法に用いられる機器の紹介がされた。DNAなど普段は授業でしか耳にしないものを実際に扱う機器を高校生たちは興味深そうに見ていた。
二つ目の研究室では、まずアルツハイマー病についての説明がされ、次にアルツハイマー病を実際に患った方の脳のプレパラートの観察が行われた。最後にまた研究室で使われる機器の紹介がなされた。タンパク質などを扱う機器類に再び高校生たちは興味津々だったようだ。
途中、「東大の薬学部は他の大学に比べて研究重視」という話を聞いて、意外に思った高校生が多かったことが印象に残った。
担当: 養田直倫 ![]()
医学部コース
場所: 医学部2号館本館
赤門から東大構内に入ってまっすぐ歩いたところにそびえる医学部2号館本館。医学部のガイダンスはその3階にある講義室で行われた。
ガイダンスは医学部長である廣川先生の挨拶から始まり、その後、飯野正光先生による模擬講義が同じ部屋で行われた。題目は「細胞のはたらきを目で見て分かる」。細胞の様々な動きを可視化する手法についての講義であった。
模擬講義は一時間ほどで終了し、続いて医学部の施設見学をすることになった。施設見学は3つのコースに分かれており、医学部附属病院や医学図書館内を見学することができる。筆者は医学部附属病院内の2ヶ所を見学するコースに同行した。
まず最初に案内されたのが医工連携研究室という部屋だった。ここでは工学部と医学部の研究者が共同で研究を行っている。医師の手の動きを10分の1 にスケールダウンして再現する医療用ロボットアームや、病に冒された肉体の組織を超音波で破壊する装置などについて、機械系の大学院生の方が解説してくださった。
次に案内されたのは、中央病棟4階にある手術室であった。と言っても当然手術室の中に入ったわけではなく、手術室の脇にある見学通路から天窓越しに見下ろす形での見学であった。筆者が見学したときは数人の患者さんが手術を受けていた。一人の患者さんに5〜6人の医師の方がつき、何やらやっている様子を見ることができた。見学通路にはモニタが設置されており、グロテスクな患部のアップが映っていたりもした。筆者はあまりそういうのに強くないので比較的早々と見学通路を後にしたが、中には興味津々といった感じで長い間手術の様子に見入っていた高校生も何人かいたようであった。
担当: 伊藤俊夫 ![]()
教育学部コース
場所: 赤門総合研究棟
教育学部は、赤門総合研究棟でガイダンスを行った。
初めに金子元久学部長が、学部の研究概要・学科(コース)を紹介し、「大学・学部は自分が本当に興味の持てる所を選んでください」と話した。続いて、金森修先生による模擬授業では、「ユートピアとディストピア」についての講義がなされ、理想郷における価値観、トマス・モアやシャルル・フーリエといった社会主義者の思想が説明された。
その次には、各コースの学生6名が、教育学部を選んだ理由、授業の様子、学生生活の様子、将来の夢について、じっくりと詳しく語っていた。最後には学部の学生と教職員に対する質疑応答の時間が持たれたのだが、「教育学部」だけあって、高校生からは教員免許の取得についての質問が目立った。「教育学部では、社会・地歴・公民科、保健・体育科の免許が取れるが、実際に教職に就く人はあまり多くない」との答えに、高校生は少し驚いたことだろう。
担当: 渡邉洋平 ![]()
理学部コース
場所: 小柴ホール
理学部では、オープンキャンパス講演が小柴ホールであり、それと平行して、各学科の公開研究室の自由見学があった。
講演は午後コースの「みえないものをみる-自然をまねしたナノの“手”で、触って感じるDNA」を聞いてきた。まずは物理学科の酒井教授から理学に関する話があった。物理とは自然の「ことわり」(仕組み)を学ぶ学問で、その全ての分野を東大理学部では全学科でカバーしているそうだ。その後、化学科の大城研究員から、DNAの説明と自分の研究の紹介。大城研究員は、トンネル電流という、走査型トンネル顕微鏡のシステムを応用して、顕微鏡では分からなかったDNAの配列を分かるようにした人である。うまく行くか行かないかで論争があったが、やってみたら成功したという研究だそうだ。
情報科学科では、「計算と知能を科学する」というテーマの講義を聴いてきた。コンピュータの能力と可能性についての話で、スライドを使った講義を20名ほどの高校生が熱心に聴いていた。
物理学科では、「重力波をつかまえる」・「やわらかい物理の世界」の二つのコーナーを見てきた。「重力波をつかまえる」では、時空のゆがみというものにより放出される重力波を調べて宇宙の様々なことを調べる研究について発表していた。「やわらかい物理の世界」では、DNAをのばすときに必要な力とのびとの関係や、水を2枚のガラス板で挟んだときに出来る模様など、複雑なものの中に規則を見つけるという研究を発表していた。現実に合うモデルを考えるという点で、とても科学的な研究だなと思った。
天文学科では、廊下にたくさんのパネルを並べて、そこで研究内容の紹介をしていた。パネルを見ている高校生はとても興味を持ったようであった。
地球惑星物理学科と地球惑星環境学科は1部屋で合同に展示をしていた。部屋にはたくさんの展示物があって、説明員が高校生に熱心に話をしていた。そして、先生も学生と一緒になって学科の紹介をしていた。この2学科の連携の強さと、学生と先生の信頼関係の強さを感じた。
化学科では、「科学の目で地球と宇宙を見る」という説明を聞いてきた。ここではパソコンなどいろいろな機材が並ぶ中、学生が高校生向けに楽しそうに講義をしていた。
生物化学科では、免疫などの重要な生命現象についての研究の発表をしていた。そして、平成19年度から設立される生物情報科学科の説明もあった。東大理学部として30数年ぶりに新学科が誕生するそうだ。
生物学科では、模擬授業形式で4つのテーマについて講義をしていた。午前中はたくさんの人が聴きに来ていて、高校生はみな楽しそうに話を聴いていた。
数学科では、施設見学と模擬講義があった。施設見学では、数理科学研究科棟の図書館などを見て回った。
遺伝子実験施設では、高校生の前で高度な機器を実際に使って説明をしていた。フラスコの並んだ光景は圧巻だった。
担当: 麻生尚文 ![]()

