'08 オープンキャンパス(本郷キャンパス)
本郷キャンパスのオープンキャンパス当日の模様をリポートします。
法学部
場所: 法文二号館 法学政治学系総合教育棟
教室としては本郷で随一の規模を誇る、法文二号館の法31教室。訪れた400人の高校生達は、まずその大きさに驚いた事だろう。そんな中で、法学部のオープンキャンパスが始まった。最初に法学部長の井上正仁教授が挨拶で「どういう道に進み、何をしたいかを考えて」と訴えかけ、次に政治学と法学の模擬講義が行われた。
政治学の模擬講義を担当した谷口将紀准教授は、政治学の定義と民主主義について説明した。政治とは「人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み」(『広辞苑 第六版』)であり、我々は家庭や部活といった日常の小さな集団の中でも広義の政治を行っているという。また、政治学の対象を国家が行う狭義の政治に絞るとしても、哲学・歴史学・法学・社会学・経済学・心理学など多様なアプローチの方法があり、政治学は捉えどころのないものである。「政治学者は昔から“政治学とは何か”という問題を考えてきた」という先生の言葉が、学問の奥深さを物語っていた。
対して、法学の模擬講義を担当した大村敦志教授は、英国スピード社製の水着「レーザー・レーサー(LR)」というタイムリーな話題を取り上げて講義を展開していった。今年6月に日本水泳連盟が北京五輪で使用する水着のオープン化を決定し、ミズノ社と個人契約を結んでいる北島康介選手もLRで五輪に臨むことになった。ここから、「契約」という仕組みを取り上げ、その契約がもつ法的な拘束力や、契約の内容解釈といった問題を説明した。一見法律とは関係の無さそうな事象を「法的な見方」を通して考えるという事を、実例に即して分かりやすく説いた講義であった。
模擬講義の他に、正門脇の法学政治学系総合教育棟には、文献・資料展示のコーナーや、助教と学生による質問コーナーが設けられていた。
担当: 渡邉洋平 ![]()
経済学部
場所: 経済学研究棟

経済学部のオープンキャンパスは、経済学研究棟の第1教室で開催された。まず、伊藤元重経済学部長から挨拶があった。経済学は簡単に言うと世の中に対する見方を提供する学問であり、社会の見方として世界の多くの国で共通の見方がある学問が経済学部であるから、グローバルな社会で仕事をする方には一番良い学問である。経済学部には、経済学科・経営学科・金融学科の3つの学科があり、経営学科は現場のビジネスに近いことを学ぶ学科で、金融学科は最先端の金融の理論を学ぶ新設学科で、経済学科は実際の経済運営を考える学科である。経済学部は学科ごとに性格が違うので、自分に向いた分野を勉強できる。経済学部で学ぶことで、人生の幅が広がり、新しい考えを身につけることができ、自分たちがやってみたいと思う面白い学問を見つけることができることであろう。そのように経済学部を紹介された。

次に石見徹教授による模擬講義「経済とは何? 経済学とは?」が行われた。高校生のために経済学の導入として、経済学を大きく3つの立場に分けて説明された。1つ目は、アダム・スミスが言う“見えざる手”すなわち個人の利益の追求が社会の福利厚生に役立つことについて、そのプロセスを調べる立場で、2つ目は、資本主義がはらむ問題を批判するマルクス的な立場で、3つ目は、市場は万能ではなく限界があると考え、どれほど政府が介入すべきかを考える立場である、とのことだ。導入のあとは市場の限界について地球温暖化問題を例に挙げて説明された。資料を用いて、2050年までCO2排出量を半減させることがいかに大変なことであるか、どうやってCO2を減らしていくかを示し、炭素税や排出量取引やセクター別アプローチといった削減方法の可能性と問題を語られた。
5分休憩ののち、大森裕浩准教授による模擬講義「エコノメトリクス―経済データの分析方法―」が行なわれた。計量経済学(エコノメトリクス)とは、簡単に言うと経済のデータを用いてどう分析するかを考える学問であると説明された。また、マクロ経済やミクロ経済がどのようなデータを用いて分析するのかを説明された。そののち、一切数学を使わずに、内閣支持率や原油価格高騰による首都高の交通量の変化を例にとって、データ分析について説明がなされた。数学を一切使わずに説明するというのは、准教授自らも話されたように、チャレンジングなことであったと思う。やはり難しかったのか、頭を抱える高校生の姿が見受けられた。

模擬講義のあとは施設見学があり、図書館・ものづくり経営研究センター・金融教育研究センターのいずれかを見学することができた。
これらプログラムによって、将来経済を勉強しようと心に決めている人は、自分が何を勉強していくのかについて理解が深まり、まだ目標が定まっていない人は、大学に入って何を勉強するかを決めるための選択の幅が広がったのではなかろうか。
担当: 大野雅博 ![]()
文学部
場所: 法文二号館
文学部オープンキャンパスは、法文二号館を中心に行われていた。大きく分けて「研究室見学」と「模擬講義」の二つがあり、どちらも多くの高校生で賑わっていた。
研究室見学は、「言葉たちの森へ(言語学研究室・ドイツ語ドイツ文学研究室)」「知よ、越境せよ(西洋史学研究室・倫理学研究室)」「社会と文化の動態(社会学研究室・文化資源学研究室)」という3つのコースが用意されており、筆者は「社会と文化の動態」のコースに同行した。文化資源学研究室では、文化とは何か、資源とは何かという内容を交えながら研究室の紹介が行われ、また社会学研究室でも過去の卒業論文などを提示しながら、研究内容などについての紹介がなされた。高校生は普段見慣れない書架いっぱいの文献や卒業論文などにやや圧倒されながらも、見学を楽しんでいるようだった。

模擬講義は計3回行われ、「死に直面した時の希望」「源氏物語の深さと美しさ―紫の上について―」「漢字と宗教」というテーマが設定されていた。筆者は藤原克己教授による「源氏物語の深さと美しさ―紫の上について―」を聴講した。資料として源氏物語のうち紫の上が登場しているシーンをいくつか抜粋したものが配布され、それを読み進めながら解説していくという内容であった。高校の教科書に登場するような部分もあり、理系の筆者も「この内容は知ってる」と思える内容だったので、おそらく講義を聞いていた高校生も同様だっただろう。筆者の前の席に座っていた高校生は資料に熱心にメモをとっていた。

それ以外にも、学生による質問コーナーや教員著書展示の企画もあり、文学部の研究の一端が垣間見える内容となっていた。
担当: 金井雄太 ![]()
教育学部
場所: 赤門総合研究棟
教育学部のオープンキャンパスは赤門総合研究棟の200番教室で行われた。
初めに簡単な学部の説明があった。教育学部は教師を目指す人が集まるところというよりも教育に関する研究をする人が集まるところだということが強調されていた。

次に「教育の公共性について考える」という模擬講義が行われた。公共性とは何かという定義から始まり、教育思想の歴史を公共性と絡めて説明をした後、改めて現代の教育の公共性について問い直すという構成だった。「大学とは、本来アウトサイダーの場」などと刺激的な内容があり、さらにフィクションの中の教師や家族を取り上げていて面白い講義だった。高校生たちも高校の授業とは一味違った講義に驚いたのではないだろうか。なお、筆者は午前中に伺ったのだが、午後には「人の感情の不思議さについて考える」という講義が行われたようだ。
少し休憩をはさんだあと、教育学部の各コースから1人ずつ学部生が集まり、自分の経歴や自分のコースについてガイダンスを行った。大学生活やコースの雰囲気、さらには卒業後の進路など様々な話題があった。(個人的には民間企業への就職が良いという話がうらやましかった。)その後の質疑応答では学部生たちが教室内に散り散りに分かれ、高校生たちから受験やサークルなど思い思いの質問を受けていた。

担当: 養田直倫 ![]()
理学部
場所: 理学部一号館
安田講堂を正面から見ると、左奥に見える大きな建物が理学部一号館。この理学部一号館とその隣の理学部四号館、キャンパスの南西端にある理学部二号館の3つの建物にわたって、理学部のオープンキャンパスが行われた。
理学部のオープンキャンパスのテーマは「解かれていない謎がある!」。理学部には10もの学科があり、各学科による展示や研究室公開のほか、学科によっては模擬講義も行われていた。それぞれの分野ごとの謎をとりあげ、真理を発見するための最先端の研究を紹介していた。
このうち、昼過ぎに理学部二号館で行われた生物学科の講義では、顕微鏡の話題がとりあげられ、生きた細胞内の動きを直接確認することができる新しい顕微鏡が開発されたことによる生物学上の大きな発見と、顕微鏡の開発での苦労話を知ることができた。途中、どのような実験を行えば仮説を検証できるかのクイズも出され、会場に来ていた人達が考える機会もあった。
理学部一号館では、天文学科と、地球惑星物理学科・地球惑星環境学科、物理学科の展示を見て回った。どこの展示も理学部生が積極的に話しかけてくれて、高度な内容を、高校の理科の話もからめながら分かりやすく説明していた。「この展示は科学の最先端。10年後にようやく本になるくらいのものです」の言葉が印象に残った。

地球惑星物理学科・地球惑星環境学科の展示室では、地球の海洋・大気に関する実験も行われ、多くの人が集まり盛り上がっていた。
また、学科に所属する理学部生と交流をするコミュニケーションスペースがいずれの学科にも設けられており、多くの高校生が訪れ、大学生活、理学部の魅力や大学受験などの話をして交流した。
担当: 小長谷貴志 ![]()
工学部
場所: 工学部八号館

工学部のオープンキャンパスはのべ6回の模擬講義と各学科による研究室案内、そして学生が来場者の様々な疑問に答える「学生だんわ室」と盛りだくさんの内容だった。筆者が参加した「エレクトロニクス―電子が創りだす知能の世界」というテーマで行われた模擬講義では、電子工学科の柴田直教授が電子とは何か、電子の性質を利用することでどういったことが可能になるかなどを軽妙な語り口でわかりやすく解説していた。
研究室案内はほとんどの学科が3回に分けて行っていた。筆者が参加した都市工学科の研究室案内では、都市工学科を構成する2つのコース(都市環境工学コース・都市計画コース)の研究内容がそれぞれの研究室で紹介された。研究室には実際に学生が実習で作った成果物や模型、実験器具などが展示されており、10人程度いた参加者は熱心に模型に見入ったり、他のコースや学科との違いについて質問したりする姿も見ることができた。
担当: 関口慧斗 ![]()
農学部
場所: 弥生講堂
農学部では、高校生たちがいくつかある模擬授業と研究室見学の中からそれぞれ1つ選ぶという形でオープンキャンパスが行われた。筆者は模擬授業「日本人と米食」と研究室見学「高度動物医療の現場を見る」を取材した。
最初の概要説明では担当の教授が農学部の歴史や特色を説明していた。農学部は、食・生命・環境に関わる総合的な研究をしているようで、総合的という言葉通り工学や経済の分野の研究も行っているようだ。また、日本の各地に東大農学部の演習林や農園があり、学部別の敷地面積は農学部が群を抜いて広いらしい。
模擬授業「日本人と米食」では、日本の米食の歴史が説明された。真面目な高校生は、配られたレジュメに教授が話した言葉などを書き込んでいた。日本人が1人当たり消費する米の量は1960年代以降だんだん減っているのはわりとよく知られた話だが、代わりに小麦が増え続けているかというとそうでもなく、実際1日のカロリー摂取量を見ると、小麦由来のカロリーは1970年頃からあまり変わっていない。むしろ最近では米の次は油脂由来のカロリーが多いようだ。
「高度動物医療の現場を見る」では動物医療センターを見学した。案内役の学生が10人くらいの高校生を1部屋ずつ案内して回り、その部屋の用途や装置の説明をしていた。中にはドッグフードのようによく見かけるものから、人間でさえあまり見ることのない医療装置までたくさんのものがあった。それぞれの部屋では獣医学課程の学生や教授と思われる人たちが実際に動物の検査などをしていたので、高校生たちには動物医療センターの様子がよく伝わったのではないだろうか。
担当: 栗田萌 ![]()
薬学部
場所: 薬学部総合研究棟
薬学部のオープンキャンパスは薬学部総合研究棟で行われた。受付開始から20分ほどで研究室見学の定員が埋まってしまうほど人気だった。はじめに、2階講堂で学部長による挨拶があった。薬学部が人気であるために、進学振り分けにおいて高得点が必要なことを聞いた高校生達は驚いていたようだが、その後の薬学部の魅力を伝える話には皆が聞き入っていた。薬を開発するには生物化学・薬理学をはじめとした様々なサイエンスが必要だが、薬の開発は人を救う研究であり、夢のある仕事なのだということが分かった。
学部長の挨拶の後は研究室見学があり、10人×15グループに分かれて行われた。筆者は第1グループへ参加してきた。はじめは、有機合成化学の研究室へ案内された。ここは新しい薬品を合成する研究室で、ドラフト(排気装置のついた大きな実験台ケース)がたくさん並んでいた。担当の熊谷先生は、合成する際に苦労する点などを高校生でも分かるように説明していた。説明の後は高校生の質問に熱心に答えていた。研究生活は単調な日々ではなく、新しいことがどんどん起こる楽しい世界だということなど、研究生活についての話もしていた。そして、議論などに参加していく積極性が必要であること、世界レベルでやっていくために英語が大切であることなどを強調していた。
その後は、微生物薬品化学の研究室へ伺った。黄色ブドウ球菌の研究をされている松本先生が、研究を始めてから現在に至るまで、研究生活でどのような苦労があってどのような工夫をしてきたかを熱く語っていた。研究室内は、デスクの反対側に実験台があるようなつくりになっていて、デスクで考えたことをすぐに実験にうつせるような工夫がみられた。また、大学院生には決められた課題を与えるのではなく、自由に研究させることで自分自身で問題を発見し解決していくような力をつけさせ、世界で通用する研究・世界で通用する研究者の育成を目指しているそうだ。高校生へ向けたメッセージとしては、大学入試を最終目標とするのではなく、何か将来の夢を持ってそれをモチベーションとして、大学受験や大学生活・研究生活を乗り越えて欲しいということを伝えていた。
研究室見学と並行して、2階講堂では学部3年生による進学相談が行われていた。受験生活のアドバイスや大学生活の様子など、学生の視点からの本音で高校生の相談に答えていた。今回の薬学部オープンキャンパスでは、薬学部で何をやっているかということだけでなく、高校生の視点に立ち、そもそも大学とはどういう所なのか、研究とは何なのかということを伝えている点が印象に残った。
担当: 麻生尚文 ![]()
医学部
場所: 医学部二号館 医学部教育研究棟
医学部二号館(本館)では医学部医学科のオープンキャンパスが行われた。午前・午後の2部構成で、いずれも催しは1時間弱の模擬講義、及び医学図書館公開である。筆者は午後の部を取材した。
模擬講義の会場となった3階大講堂は、座席が階段状でいかにも大学風であり、高校生には新鮮に映ったのではないだろうか。14時15分受付開始の予定だったが、その時間には既に多くの受講者で席が埋まっていた。初めに医学部長・清水孝雄教授による挨拶があり、その中では東京大学医学部の設立に関する逸話や、「研究医育成」という同学部の使命についてお話があった。続いて肝胆膵外科・人工臓器移植外科の國土典宏教授による、「肝臓外科の進歩」をテーマとする模擬講義が始まる。肝臓とは何か、肝臓の病弊とは何かといった話題から、肝臓手術の歴史、最新の肝臓外科技術の説明まで内容は濃密だったが、多くの映像資料が交えられ、わかりやすい構成となっていた。

その後の医学図書館公開にも、多くの見学者が訪れていた。膨大な量の専門書が集積され、海外の医学雑誌なども取り寄せている医学図書館は、高校生の知的好奇心を大いに刺激したに違いない。また、『解體新書』をはじめとする所蔵貴重書も特別に公開されており、医学部の歴史を感じさせていた。
担当: 松澤有 ![]()
地震研究所
場所: 地震研究所一号館
弥生キャンパスの外れにある地震研究所1号館。ここでもオープンキャンパスの催しが行われており、数十名の高校生が参加していた。セミナー室に集合した参加者はまず地震研究所の役割や研究内容に関する説明を受けた。配布された世界中の地震の震源地を表した世界地図を眺めた参加者は日本周辺に地震が集中していることをあらためて実感させられている様子であった。

その後、参加者は3つの班に分かれ、研究所内の施設見学に向かった。まず一行は大学院生による様々な実験の実演を見学。実演の中には「ごま塩による堆積の実演」や「ココア断層の実演」など身近にある素材を使った実験から、「鉄筋コンクリート柱の破断実験」といった大がかりな実験までいろいろなものがあり、参加者は興味深そうに説明に耳を傾けていた。その後、一行は大小様々な地震計が展示されている「地震計博物館」に移動し、地震計の原理についての説明を受けたほか、地震計を取り囲んで参加者が一斉にジャンプし、揺れを記録する実験も行われた。
このほかにもポスター展示、あるいは大学院生による地震研究所への進学案内などもあり、普段あまり表に出てくることが少ない地震研究所を身近に感じさせるような工夫がなされていた。
担当: 関口慧斗 ![]()
分子細胞生物研究所
場所: 総合研究棟
弥生キャンパスにある総合研究棟の2階会議室では、高校生のための生命科学シンポジウムが催され、分子細胞生物研究所の生命科学研究が紹介された。講義は「細胞が癌になる仕組み」「がんとくすり」「ストレスと酵母」の3つのテーマで行われた。講師はわかりやすいたとえを多く交えたり、東大入試の過去問を出したりして、高校生にやさしく講義した。生命科学研究の最先端に触れるもので少し高度な内容だったが、高校生はメモをとったり質問したりして積極的に参加していた。帰り際に講義について友達と議論する姿もみられた。

担当: 富川恵美 ![]()
東大ガイダンス
場所: 法文一号館
今年の東大ガイダンスは、東大生によるプレゼンテーションと、東大生とのフリートークの二本柱だった。プレゼンテーションでは学生が自分の学生生活をアピールし、フリートークはその名の通り東大生とお話をする企画だ。
筆者が参加した回のプレゼンテーションでは、授業での勉強に収まらないような勉強をしている2人の学生がプレゼンテーションを行った。1人目はビジネスサークルの活動に取り組む文系の1年生で、企画を作るおもしろさに触れ現在でも精力的に活動している様子だった。2人目は学術的なCGを作ることに興味を持つ3年生で、「医学以外は独学で知識を身につけることもできるんじゃないか」と思い理科三類に入学し、さらに1年生のときにCGの専門学校とダブルスクールをしていたという切れ者だった。彼が作るCGは何度か大手マスコミに取り上げられたようだ。2人に共通して言えるのは、自分のやりたいことに打ち込んでいるということで、高校生にステレオタイプな東大生とは一味違う東大生の姿が伝わったのではないだろうか。
フリートークでは、高校生1〜3人に対して東大生が1人ついて自由な話題で盛り上がっていた。受験やその後の大学生活に関する話題が多く、進学振分けの話題もところどころで聞こえてきて、高校生は熱心に聞いているようだった。
担当: 栗田萌 ![]()
女子学生コース
場所: 情報学環・福武ホール
東京大学男女共同参画室が企画する「女子学生コース」は、東大女子学生を増やすことを目的としている。きれいで広々とした情報学環・福武ホールのラーニングシアターには、午前から多くの女子高校生と母親が集まっていた。
男女共同参画室長からの挨拶に続いてOGによる講演が行われ、文系と理系各1名の講師からお話があった。東大での学生生活と、学生生活の中で進路を決めるきっかけになったこと、現在の職業について、自らの体験を話してくれた。
休憩の後、パネルディスカッションが行われた。参加者には予め質問用紙が渡され、参加者は質問事項を書き込む。これに現役女子東大生5人が答える形式だった。
質問は「女子校から来て違和感はありませんか?」といった女子ならではの質問から、「受験勉強はいつから始めましたか?」といった全ての受験生が抱くであろう疑問、さらには学費やアルバイトについての質問まであった。「東大は女子が少なくて、はじめはカルチャーショックを受けたけど、すぐに慣れました。」「女子が少ないからかえって仲間意識が強くなって悩みが相談しやすいです。」「高2の夏は部活をやっていました。受験勉強は高3の夏に一番頑張りました。」など、パネラーは自身の体験にそって丁寧に質問に答えていた。現役女子東大生の生の声に、参加者は頷きながら熱心に聞き入っていた。
最後に交流会があった。卒業生や現役東大生が参加者に話しかけに行き、参加者の個人的な質問に答えたりしていた。
東大だからといって特に心配することはない。とても楽しいところだから是非入ってきてほしい。このような企画者の熱い思いが伝わってくるようだった。
担当: 富川恵美 ![]()
キャンパスツアー
場所: 本郷キャンパス
キャンパスツアーは、学生が約1時間でキャンパスの見所を案内する企画で、すっかりオープンキャンパスの定番になっている。今年は実に21回ものツアーが行われ、多くの高校生が参加した。
筆者が同行したツアーは赤門から福武ホール・総合図書館・三四郎池・御殿下・安田講堂と回った。案内役の学生は東大の歴史や建築物に関する豆知識に精通していて、筆者の勉強にもなった。意外なところでは、総合図書館の正面のデザインは本棚に並ぶ本の背表紙をモチーフにしているらしい。また、ちょうどその説明のとき図書館前の噴水の水が上がり、「ツアーで噴水が上がった場合、その参加者は東大に合格するジンクスがある」と学生が言っていた。もしかしたらこの写真にもなんらかのご利益があるかもしれない。参加した高校生は、趣のある建物や御殿下の充実したトレーニング施設に興味を寄せていた。
担当: 栗田萌 ![]()
その他施設
場所: 総合図書館・大学院情報学環・史料編纂所・総合研究博物館
オープンキャンパス当日は、学部ごとの企画とは無関係の施設の一部も公開され高校生で賑わった。ここでその様子を紹介する。
総合図書館 普段は大学関係者でないと中に入ることができないが、オープンキャンパスでは逆に学生向けには本日閉館の看板が表示され、高校生にのみ公開された。見学していた高校生は、内部の蔵書や新聞が充実していることに驚いていた。また、オープンキャンパスで歩き回った疲れを取るために友達と休憩している高校生も多く見られた。
大学院情報学環 大学院情報学環の展示は福武ホールにて行われ、学生が製作した機械の展示が行われていた。実際に体験できるようなものもあり、筆者は自分の体の重心の変化に応じてスクリーン上のクラゲが動きを変える装置を体験させてもらった。まわりも似たような機械があり、それで遊んでいる高校生の姿が見られた。
史料編纂所 史料編纂所では、その一角が公開され、いずれも江戸時代を思わせる絵が展示されていた。赤門や正門から近いこともあり、多くの高校生が行き来していた。
総合研究博物館 本郷キャンパスの端にある総合研究博物館では通常の展示の他に、オープンキャンパス向けの特別展示もやっていた。通常の展示としては、動物の頭蓋骨のコレクションや、大昔に人間が使っていた道具のようなものが展示されていた。また、特別展示では、紙製の建築の模型を学生がリアルタイムで作っていて、本物そっくりの出来が高校生を楽しませた。
担当: 栗田萌 ![]()

