Fresh Start@駒場
FRESH START@駒場という企画をご存知でしょうか。今年度で2回目を迎える新入生向けのイベントで、先生方の講演を聞いたり、いくつかのグループに分かれてジュニアTA(新入生を引率する東大生)と一緒に行動したりします。ジュニアTAは企画をあらかじめ2,3個準備していて、企画はグループごとに違います。全ての企画を紹介することはできませんが、FRESH START@駒場に参加しなかった新入生にもその様子をお伝えします。
- 開会式
- オルガン演奏会(数グループ合同)
- ディスカッション〜ニートを復活させるには?〜(チームISHIGAKI)
- 研究室見学(グループB)
- キャンパス案内(E班)
- KOMABA人生ゲームSP(G班)
- 閉会式
開会式
場所: 18号館ホール
開会式は18号館のホールで行われ、200人近くの新入生の前で、小宮山宏総長・小島憲道教養学部長・浅島誠副学長が演説をしました。とはいえ、小宮山総長は会場には姿を見せず、演説をしている総長の映像がプロジェクターで映し出されました。新入生が総長を直接見るのは入学式までお預けのようです。総長は、東京大学が1,2年生全員を教養学部に所属させ教養教育を行っている日本で唯一の大学であること、そしていかにその教養教育が重要かということを新入生に説いていました。小島先生も教養学部の意義を説明するとともに、レイトスペシャリゼーション(遅い専門化)やリベラルアーツ(学士課程における人文学・社会科学・自然科学を包括する専門分野)についても説明していました。一方浅島先生のお話は、自分の研究内容に関わる話が多く、研究者としての自分のエピソードなども話していました。いずれも高校には無い大学ならではの雰囲気がありました。 ところで、このホールの椅子は横についている板を引っ張って回転させると机になるという気の利いた構造になっていて、このようなちょっとしたものも新入生に対して高校までとは違う大学らしさを演出していると思われます。
この3人の演説は合わせて1時間弱くらいでしょうか。最後に司会の方がこの後のグループ活動について簡単に説明をして、新入生があらかじめ割り振られていたグループのジュニアTAのところに集まり18号館のホールを後にしました。
担当: 栗田萌 ![]()
オルガン演奏会(数グループ合同)
場所: 900番教室
合計15グループくらいあるうち、およそ5グループくらいが開会式の後900番教室へ向かい、ヘルマン・ゴチェフスキ准教授の演奏を聴きました。オルガンは900番教室の2階席の一番後ろにあるため、新入生は椅子に座り後ろを向くという少し窮屈な体勢をとっていましたが、心地よい演奏もあってか特に苦にする様子はありませんでした。曲は自作の曲も少し含まれていましたが、バッハの曲がメインでいずれも賛美歌でした。ゴチェフスキ先生は駒場でドイツ語を教えていて、必修のドイツ語の講義のほかに、賛美歌をテーマとする国際コミュニケーション(必修とはなっていない第二外国語)の講義もやっています。そこでは合唱もやるらしく、演奏会の最後に「音楽に興味のある方は是非」と言っていました。
担当: 栗田萌 ![]()
ディスカッション〜ニートを復活させるには?〜(チームISHIGAKI)
チームISHIGAKIのメイン企画は、新入生に議題を与えて実際にディスカッションをさせてみるというものでした。企画の内容もそうですが、他の班の名前がグループBやE班だったりする中でここだけチームISHIGAKIであるなど、なかなか意気込みが感じられます。ディスカッションは新入生を2つに分け、それぞれに司会としてジュニアTAが1人ついて行われました。「ニートを復活させるには?」というテーマがジュニアTAから発表された時は新入生からどよめきの声が聞こえましたが、始めてみるとどちらの班もジュニアTAが上手く議論を誘導していて、結構みんな自分の意見を言えていました。ニートの原因としてはどちらの班も、本人の内面的な要因としてコミュニケーション不足ややる気の無さを、社会的な要因として働かなくても生活できてしまう社会の豊かさをメインに挙げていました。改善策については、コミュニケーション能力を早くから鍛える方法や、ニートに目標を持たせる教育などが提案され、2つの班に相異が見られました。最後に2つの班から代表者を決めて話し合われた内容を発表してもらい、質問タイムが設けられました。 その中には鋭い指摘もあり、発表者やジュニアTAを戸惑わせました。
ディスカッションが終わった後、それを見ていた石垣琢麿准教授からコメントがあり、「初対面であるにも関らず、ここまで議論する雰囲気ができるのが興味深い」と言っていました。また新入生も、「普段は人と雑談することはあっても、人の意見を真剣に聞く機会は少なかったので良い勉強になった」と言っていて、ハードルの高い企画と感じられましたが好評だったようです。
濃いディスカッションが終わると、新入生がジュニアTAや石垣先生と自由にお話をしました。ジュニアTAによれば、さっきのディスカッションがメインディッシュで、こちらがお口直しのデザートのようです。主に、新入生の質問にジュニアTAと石垣先生が答えるという形で進んでいきました。ここではそこで出た質問と回答を一部紹介します。
Q.サークルは大体の人はいくつくらい入っていますか?
A.1つの人が多いかな。でも運動系のサークルと文化系のサークルを掛け持ちしている人もいるし、1つも入っていない人もいるよ。
Q.授業は週どのくらいありますか?
A.うーん。人それぞれだからなんとも言えないかな。たくさん授業を取る人もいるし、バイトやったりしてあまり授業を取らない人もいるからね。
Q.飲み会で一気飲みのコールがあったらどう対処すればいいんですか?
A.アルコールハラスメントは訴えることもできる時代だけど、空気を読むのが難しいよね。重要なのは、飲み会に行く人達の間での自分のキャラの作り方じゃないかな。お酒が苦手な場合はお酒を強要するサークルは避けた方がいいかもね。
Q.バイトはどんなのが多いですか?
A.東大だとやっぱり塾講師とか家庭教師かな。もちろんレストランとかでバイトしている人もいるけどね。
Q.1人暮らしで大変なことは何ですか?
A.料理と洗濯かな。
Q.履修を決める時に、逆評定(編注:『教員教務逆評定』。サークル「時代錯誤社」の出版物で、教員に単位の取りやすさに応じて、大仏・仏・鬼・大鬼などのランクをつけている)の評価は気にした方がいいですか?
A.目安にはなるけど、結局は自分で頑張るのが大切かも。ちなみに石垣先生は、大仏よりランクが高い大神だって。
Q.シケ長(編注:「試験対策委員長」の略。みんなで協力して試験を乗り切るためのまとめ役)というのはどうやって決まるんですか?
A.オリ合宿の時のノリで決まる場合が多いんじゃないかな。出身高校の知名度が高いとシケ長をやらされることが多いから注意した方がいいよ(笑)。
他にも様々な会話が飛び交っていました。この時期の新入生が去年度の逆評定を持っていたことに驚かされました。
担当: 栗田萌 ![]()
研究室見学(グループB)
グループBは、三昧堂を見学した後、散歩を兼ねて研究室まで移動して見学、そしてフリートークというコースとなっていました。筆者は研究室見学への移動から同行しました。
新入生はまだどことなく緊張している様子でしたが、ジュニアTAの2人ができるだけ緊張をほぐそうと盛り上げていました。天気は良くはありませんでしたが、満開の桜も新入生を歓迎しているようでした。
研究室見学では、浅島誠教授の研究室を見学しました。発生やES細胞の研究などを行っている研究室で、実際に実験中の細胞など、普段はなかなか目にすることができないものを見せてもらっていました。新入生のみならず、引率のジュニアTAや筆者にとっても興味深い見学でした。
さらにその後、実験で使う動物を飼育している小屋にも案内してもらいました。こちらは駒場の奥の方にひっそりと建っている、普段は存在さえ気づかないような建物で、中ではカエルやイモリなどの生物がたくさん飼育されていました。新入生も、独特のにおいに戸惑いながらも、珍しそうに見ていました。
この後、簡単なフリートークがあり、閉会式となりました。
担当: 金井雄太 ![]()
キャンパス案内(E班)
E班では今後の学生生活で使われる機会の多い施設を中心に駒場キャンパスを巡る「キャンパス案内」、そしてジュニアTAや同行教員(里見大作教授)との座談会が行われました。筆者はこのうちキャンパス案内に同行しました。
一行はまず図書館を訪れ、実際に書架や閲覧席などを見学してその雰囲気を味わいました。そして生協や体育館を見学した後、銀杏並木を通り駒場博物館へ。初めて訪れるキャンパスの中の博物館に参加者は皆興味津々の様子でした。その後一行は教務課などが入るアドミニストレーション棟、今年3月に修復が終わった正門扉を見学し、座談会へと向かいました。
銀杏並木の東端にある「農学部計量器」と書かれたマンホールや駒場博物館の以前の姿など、キャンパス案内のところどころでは里見教授による詳しい解説もあり、参加者は普段なかなか知る事のできない駒場キャンパスの一面に触れる事ができたようです。
担当: 関口慧斗 ![]()
KOMABA人生ゲームSP(G班)
続いて訪れたのはG班。この班では入学してからの1年間を体験できる「KOMABA人生ゲームSP」が行われました。ゲームは参加者全体を一つの「クラス」に見立てて進行していき、「オリ合宿」(クラス内の親睦を目的に4月上旬に行われる合宿)として全員が自己紹介を行い、メンバー同士の交流を深めました。
その後メンバーは特別に作られた架空の「シラバス」を参考にしながら自分の時間割を作る練習、いくつかの「サークル」に分かれて駒場祭の企画を立案する練習といったグループ作業の他、同行教員である丹野義彦教授の模擬授業、さらには模擬授業を踏まえた「テスト」も行われました(といっても、感想を書く程度ですが)。
ジュニアTA2人の絶妙な掛け合いもあってか、全ての「行事」が終わり、「来年のFreshStart」を迎える頃には参加者もすっかりうち解け合い、あたかも本物のクラスであるかのような雰囲気でした。
担当: 関口慧斗 ![]()
閉会式


全ての企画が終了した後、再び18号館ホールに全員が集合して閉会式が行われました。西中村副学部長による閉会の言葉のあと、運動会応援部によるデモンストレーションが行われました。突然の応援団の入場に最初はビックリした様子の新入生でしたが、リーダーやチアリーダーの華麗な演技に次第に引き込まれているようでした。デモンストレーションの中では「東京大学の歌」として知られる「ただ一つ」なども演奏され、「東大生になった」ことをより実感する事ができる一幕でもありました。
担当: 関口慧斗 ![]()

