韓国朝鮮語
1.韓国朝鮮語について | 2.学生に対して
駒場の学生が教養として韓国朝鮮語を学ぶ意義
最近、韓流ブームなどといって韓国に関心を持つ人が増えている一方で、マンガ『嫌韓流』が売れたり、北朝鮮に対しても関係は最悪で良い感情を持っている人は少ないですね。ただ、日本の隣国ですから、その隣国とどういう関係を作っていくのかということは、常に考えるべき問題だと思います。週2,3回の授業を1,2年受けたくらいで、韓国朝鮮語が使い物になるとは、そう考えられませんし、特に、私が赴任して去年・今年と理系のクラスを持っていたのですが、理系は研究発表の場では英語でしょうから、韓国朝鮮語を知っていたからと言って役に立つことはないでしょう。しかし、言葉を勉強したことによって、歴史的にも将来的にも深い関係にある隣国との自分なりの向き合い方を持ち、そこから発展して中国・台湾・東南アジアなどに関心を広げられれば良いと思います。韓国・朝鮮について関心を持ってくれた人が、辞書を引けば何とか韓国の新聞・論説くらいは読め、隣国のことについて自分自身で何か調べられる、という程度の理解さえしてくれれば十分に良いのだと私は思います。
授業をする際に心がけていることや授業の特徴について
矛盾する二つのことなのですが、一つは、型どおりの授業はしたくないということですね。淡々と文法を説明していくという授業ではなく、むしろ授業準備はルーズにしておいて、ここからここまでやるとはきっちり決めずに、その場その場で話したことに対する学生達の反応を見ながら授業を進めていきます。また言語のことだけではなく、自分の専門である歴史のことだとか、自分がこれまで韓国朝鮮語と付き合ってきて感じたことや留学の体験など、型どおりの語学以外の内容も盛り込もうとしています。授業についてくれる留学生のTAについても、発音の指導や作文の添削という使い方の他に、TAからいかに面白いエピソードを引き出すかということを考えています。せっかくネイティブスピーカーのTAが居るのだから、生の韓国・朝鮮情報を聞こうと考えています。
もう一つは、型どおりの授業はしたくないと言いながら、読むことを重視したいのです。文法事項中心ではなく、むしろ韓国がどういう国か、韓国に住んでいる人達はどういう人達なのかといったことも含めて勉強してほしいのですが、かと言って音声や映像を使った会話中心の授業はしません。私は、外国語の力を身につけるには、基本的に読むことが一番だと思っています。しっかり音読ができて、辞書や参考書を調べながら自分の力で文章を読める力さえついてれば、もし実地に応用する会話を身につけようとすれば、現地に半年か1年居れば十分身につきます。最終的にすらすらと会話を楽しむことを授業で目指すのではなくて、着実に自分で調べながら読んでいける力をつけるようにしたいと考えています。
学生へのメッセージ
今は中国からも韓国からも多くの人が日本にやってきますが、そのような人とふれあう時に相手の国のことを全く知らないのはまずいです。歴史の話を韓国人からされて、そんなことは初めて聞いたといったようなことにはならないように、過去の日本が近隣諸国とどのような関係を持ってきたのかということについては関心を持ち、自分なりに本を読んだり調べたりして基本的な知識を持っていていただきたいです。
一方で韓流もあり、もう一方で嫌韓流もあり、隣国に対するものの考え方は色々あると思いますが、嫌いなら嫌いで構わないし、好きなら好きでそれは良いけれど、とりあえず自分なりに隣国について何か考える足場を持っていただきたいです。それは、日本をどう考えるかということもにも通じるはずです。
編集後記
語学の授業を担当されながら、語学以外のことも学び取って欲しいという月脚先生のお話には共感するところがあった。実は筆者も、第二外国語として韓国朝鮮語を、第三外国語として中国語を選択したが、見知らぬ国の言葉ではなく隣国の言葉として勉強でき、歴史や文化にも興味を持つことができた。語学は、読めたり話せたりすること以外にも面白さがあるのだと思う。
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