プロレスリングBAKA道場

小林さんインタビュー

今、巷でじわりじわりとその話題を賑わしているプロレスの世界。でも、プロレスなんてテレビの中の遠い世界の出来事だと思っていませんか?ところがなんと、実は東大にもいたんです。プロレスラーが。今回は、現役東大生にしてプロ(?) レスラーの東京大学プロレスリングBAKA道場に所属の小林さん(教育学部3年)にインタビュー応えていただきました。


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─まずはプロレスBAKA道場について質問です。現在、プロレスリングBAKA道場には何人の選手が所属しているのですか?

うーん、そうだね、現役は俺一人だね。一応2年生に1人いるっちゃいるんだけど、なんか他の事で忙しいみたいでね。まあでも、OBの方が2人くらいいらっしゃるのと、基本的に一ツ橋大学とかムサビとかと一緒に活動しているので、興行なんかはそこと一緒にやっているね。

─興行は年に何回くらい行ってらっしゃるのですか?

基本的に春と秋の学園祭シーズンにやっているんだけど、その3大学の学園祭あたりでやったりだとか、最近は東京農工大学さんでは2年連続でやらせてもらったりだとか。あとはそうだね、学園祭以外の所からも、今年の春とかだと埼玉県の川口市の方で依頼を受けて興行をやったりだとか。まあ、年に10回弱ってところかね。

─興行とは別に普段の活動もあると思うですが、どんなことをどれくらいの頻度でやっているのでしょうか?

やっぱり練習をしないといけないから、練習を週に2回、水曜と土曜に一橋大学の小平キャンパスというのがあって、そちらの方で一緒にやらせてもらっている感じですね。
 夏と冬と合宿という名目で夏は沖縄に行ったりだとか、冬にスキーに行ったりだとかしていますね。まあ、海でプロレスをしてみたり、雪の中に投げられてみたりだのしてますね。

─プロレスをみんなで見に行ったりはしないのですか?

一応ね、母体の一橋大学の方の団体がプロレス「研究会」という名前でやっているだけあってプロレスを見に行くことはあるし、それぞれ見に行きたい興行があるときには他の人を誘っていったりだとかとか、あとまあ新歓期だとね、新入生を連れて見に行ったりだとかはしますね。

─やっぱりみなさんプロレスが好きでしょうがない、みたいな感じですね。

まあね。自分でプロレスやりたくなっちゃったくらい好きな人たちだからね。でも意外と、元からプロレス好きな人たちも多いんだけど、全くそうではなくて、うちの興行を見ておもしろそうだと思って、プロレス自体はあんまりもともと知らなかったけれども入ってきて、それからプロレスを見てみたりだとかというような人たちもいるけどね。

─プロレスリングBAKA道場さんはHWWAという団体に加盟して活動しているという形になっていると思うんですが、「HWWA」っていうのはどんな団体なんでしょう?

「一橋大学世界プロレスリング同盟」って、まあ「Hitotsubashi University World Pro. Wrestling Alliance」っていう、現在設立27年目か28年目というかなり歴史のある団体でして、新日本プロレスとかと5年くらいしか変わらないのかな。10年ちょっと前くらいに学生プロレスがテレビで中継されていた時期があって、いまだにリングにあがっているブランコ・オギーソ選手という方がいるんですが、その人とかは当時テレビにも出てたような人だったりします。そういう歴史のある一橋大学のHWWAというのがあって、そこに東大の人たちが入っていって活動しているという形ですね。

─プロレスリングBAKA道場の方はいつ頃からあるのですか?

プロレスリングBAKA道場の全身の河合道場というのが、河合君選手という方が今から9年前にHWWAの方に行って、そこでやりだしたところからはじまるので、そこから考えると歴史としては9年ということになりますね。

─9年の歴史がある中で、学園祭でプロレスをやっている団体と言えば、みなさん「ああ、あの団体ね」となると思うんですが、意外とサークルとしての学内での認知度みたいなものがあまり高くないですよね。

やっぱり、団体の名前とかはほとんど知られてないんでしょうね。学園祭でやってはいるんですけど、どうなんでしょうね。実際やっている東大生の数というのが、河合君選手の時から通算しても4人しかいないわけで、人自体も少ないですし。実際にやっている人の知り合いでないと、学園祭で、ああプロレスをやっているなと思っても、あれを学内の人間がやっているとは思っていないんじゃないでしょうかね。

─実際に人数も少ないようですし。五月祭や駒場祭でもあれだけ人気の企画なのに、それだけ人数が少ないのはもったいないないと思ったりもするのですが。勢力を拡大していこうとか、そういった野望はないのでしょうか?(笑)

ひとまず、僕が今3年生なので、僕が卒業してしまうまでにこのまま人が入らないと東京大学の学生がいなくなってしまうので、そうなると必然的に東京大学の学園祭ではプロレスができなくなってしまうわけですね。実際、今、武蔵野美術大学も同じような状況で、そうなるともう一橋大学でしかやれなくなってしまうということですが、どうせせっかくやるなら色んな人に見てもらいたいということで、そういうことを考えると最低限これからも東大でもプロレスを続けていくことができるように、入ってほしいと思うんですけどね。やっぱりまあ、活動が表に出るのが学園祭の時しかないっていうのもあると思うんですね。一橋では「プロファイ」っていうフリーペーパー的なものが学内に配られていてそちらの方の認知度もある程度あるようで、そういった所からも普段からプロレス研究会の存在が知られているというのもあり、大学の中での認知度も高いですし。学園祭でのポジションも、一橋大学の学園祭では中夜祭というのがプロレスだけの時間であったりとか、扱いとしても大きいので、そういうのも大きいと思うんですね。

─次に、プロレスと学生プロレスについてお聞きしたいのですが、ぶっちゃけ痛くないですか?怪我もけっこうしそうかなと思うのですが、どうなのでしょう?

いや、あの…、痛いときはけっこう痛い(笑)  まあ、あくまでも僕らはプロではないんで、プロの方ほど身体も作れてないですし、とくに安全には気を使っているんですけれども、やはり避けられない部分というものもあるので、僕もね、先日一橋大学の一橋祭興行で指を脱臼してしまったり。怪我をしてしまうことも、あるにはある。ただやはり基本的には、先ほども申しましたとおり、僕らはプロではないですから、そのために生活をかけているわけではないですから、やはりそこで他の生活に支障を来たすわけにもいかないということで、安全性にはほんとに気を使っています。

─普段はどんな練習をされているのですか?

まず、各自がストレッチ等をしてから、はじめに受身ですね。受身が何よりも基本ですから、受身ができないと技も受けられないですし。とりあえず受身は絶対にやらないといけないということで、ウォームアップがてら受身をします。
 それからプロレスの基本であるボディースラムを順番にかけて、ドロップキックの練習ですね。要は基本的な技、投げ技なり打撃技をやってから、次に細かい技の展開みたいなものをやり、そして、みなさんブレーンバスターとかジャーマンスープレックスとかバックドロップとか言ったらお聞きになったこともあるかと思うんですが、そういった大技の練習をやり、それから全体を通してのスパーリングですかね。実際の試合を想定しての練習をやるといった形になっていますね。

─今、世間で話題のあの人も昔やっていたという学生プロレスですが、学生プロレスと普通のプロレスとの違いですとか、学生プロレスの方が実はすごいという所はありますか?

同じ学生プロレスと言っても、団体ごとのカラーというのがやはり違いがありますね。「普通のプロレスとの違い」という話でしたけれども、普通のプロレスにできるだけ近づこうとしてやっているような団体もあります。うちの場合は、HWWAの基本的な精神として、「インチキ万歳」というがあってですね、まあインチキ万歳なわけですよ。とくに学生プロレスの活動場所が、先ほども申しましたとおり学園祭という場が多いんですね。学園祭って言うと、プロレスを見に来ているお客さんと言うよりも、純粋にお祭を楽しみに来ているお客さんが多い、固定的なファンの方もいるんですが初めて見る方が多い、だろうということで、初めてみる方でも楽しんでいただけるように、その場で見てシンプルに楽しんでいただけるというのを考えていてですね、まあ、おもしろいこともあり、やっぱりプロレスですから「すごいなあ」と魅せられる部分もあり、普通のプロレス以上に初めてのお客さんが楽しめるということを意識してやっていると思います。

─最後に、小林さん自身のことと、今度の駒場祭興行についてお聞きしたいと思います。 プロレスをやっていて、「ここがおもしろい!」とか「こんなところがつらいなあ」という所はどんな所でしょうか?

やっぱり、リングに上がって試合をするというのは、すごい注目を受けるわけじゃないですか。例えば入場してくる時なんかは全ての視線が自分に集まってきますよね。で、試合をやっていて技をかけているときというのはまた、自分に視線が集まっているわけで、その中で、リングというお客さんよりも一段高いところに上がって、自分がやりたいようにやるという行為はすごく気持ちのいいことでして。僕はもともとプロレスが好きで、ああいったことをやりたいなと思っていて、そういったことをみんなに見せられる中でやれるっていうそういう楽しみもありますし。もともとプロレスを知らなかった人もやっていると言いましたが、そういう人たちというのはそれ自体がエンターテイメントとして見せることの楽しさみたいなものを感じながらやっていると思うのですよ。やっぱり、学生プロレスって普通のプロレスとは違うところとして「自由である」っていうところがあって、おもしろいことをできるだけ提示したいという部分があるわけで、プロレスという形はとっているけれども必ずしもプロレスの文脈に則っている必要はないわけですよ。やっぱりその、プロレスができるっていうことも楽しみだし、プロレス以外のこともできるというところも楽しみなんじゃないかな。それでお客さんに見てもらえれば、すごい気持ちいいことなのじゃないかな。  で、まあ、つらいことは…いいや。なしで(笑)

─実はなんと東大ヘビー級チャンピオンの小林さんですが、間近に迫った駒場祭興行への意気込みをお聞かせください。

駒場祭興行ではですね、13時からと15時からの2部構成で興行をやらせていただくのですけれども、第2部のメインイベントの方で東大ヘビー級王者の防衛戦をやる予定です。もう何度目の防衛戦だろ…5度目の防衛戦ですね。相手はちょっとまだ決まっていないのですが、おそらく一橋大学からの刺客を迎え撃つという形になると思います。やはり、ホームの東大ですし東大のベルトですし、ぜひ防衛したいところです。やっぱりたくさんのお客さんに見に来てほしいなと思いますので、そして、見てもらっておもしろさを感じてもらってやりたいと思ってくれる人が少しでもいてくれればいいんじゃないかなと思います。

─最後に、小林さんにとってプロレスとはなんでしょう?

やっぱりリング上で起きていることっていうのは夢なんだよね。だってなんでも許されるんだぞ。だって反則だって許されるんだぞ、5秒以内なら(笑)ファイブカウント以内の反則なら許されるわけですよ。そしてカウントは基本的にフォーで止まるわけですよ。やっぱり「永遠の夢」だよ、プロレスは。「永遠の夢物語」だよ、プロレスは。


はじめは荒っぽかった口調もいつの間にかとても丁寧に。饒舌に語るその姿から、プロレスへの熱い思いが溢れていた。
ホームページ(HWWA): http://go.to/hwwa


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