外交は世論に従うべきか

土曜日(11/24)の最後の公開講座、藤原帰一先生による「外交は世論に従うべきか」。この講座では、まず外交と世論についてのこれまでの議論についてみていった後で、アメリカと中国、そして日本について外交と世論の関係をみていきました。

当時戦争は一般的な国民にとっては苦痛だったので、共和的な体制が平和のために必要だと考えたイマニュエル・カントや自由に懐疑的でありながらも妥協して議会制民主主義を肯定し、外交の目的と合意を国民に公開するとしたハロルド・ニコルソンについてみたあと、外交交渉による外交における国益と、他国から独立した国内における国益との間にはギャップがあることや、議会制民主主義でも世論を押し切れること、独裁といえど世論には弱いことを確認しました。

このあとアメリカ・中国・日本について関連する話も含めながらお話がありました。

アメリカについては、まず、トクヴィルがアメリカの外交について否定的であったこと、世論に発生を期待された米西戦争、戦争を終わらせるための戦争というキャンペーンをしたふたつの大戦、文官によって引き起こされた中東の戦争についての話があり、そのうえで現在のアメリカに関連する外交はどうなっているのかについて説明がありました。

次に中国については、独裁政権でも消極的支持は必要なため、規制の緩和などをするが、一方で国防よりも多くの予算を公安につぎこみ、世論の押さえつけなどをしているとおっしゃった後で、中国にとって脅威となる外交に対して政府がどう動いたかについてのお話がありました。要は権威主義を保ちたいからこそ世論は大きな影響力を持つということです。

最後に日本についてですが、ここでは先生がどのような考えをもっていらっしゃるかについて話されていました。

講座の最後には質疑応答の時間があり、聴衆からも鋭い質問がいくつか出ていました。この公開講座では、普段の大学の授業を少し簡略化しながらも、先生自身がどう判断をし、どのような意見を持っていらっしゃるかについて明らかにされていたので、私たちが外交などについて再考する大きな助けとなるでしょう