解けるゲーム・解けないゲーム

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情報基盤センターの田中哲朗先生の講座「解けるゲーム・解けないゲーム」には、午前中にもかかわらず約50人の方が集まりました。「ゲーム」という言葉につられたのか高校生・大学生が多く来場していたほか、年配の方の姿も見られました。

東大にはデジタルゲームを扱う研究室もありますが、ここではコンピュータを使わないゲームのうち、ゲームの状態が離散的かつルールが明確で研究がしやすいものが扱われました。その具体例がチェスや将棋などです。この2つのゲームのように、指し手や盤面などゲームの状態をデジタルに表しやすいものは離散的なゲームに分類され、逆に知恵の輪や棒倒しのようなデジタルに表しにくいものが連続的なゲームに分類されます。離散的なゲームを解くというのは、互いが最善を尽くした場合に先手必勝か後手必勝かあるいは引き分けになるかを導くことをいいます。完全に解かれたゲームでは、どの局面ではどの手を指せばいいかまで分かってしまいます。例えば田中先生は子供向けに簡略化した将棋である「どうぶつしょうぎ」を完全に解析して、後手必勝であることを証明しました。

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一方、チェスや将棋などは極めて複雑で、そのような完全な解析はできません。その場合でもなるべく強い手を指せるように探索する技術が田中先生を含む多くの研究者によって発達してきています。その中の1つが、田中先生のチームが開発している「GPS将棋」です。このようなコンピュータ将棋は現在ではプロ棋士にさえ勝つ場合があるとのことで、その話がされると多くの方が驚いたのか口を抑えたのが印象的でした。また、実は人間の頭は将棋の手を考えるときにコンピュータがやるのとは全然違う方法で思考していることが明らかになっており、それなのに結果的に同じような手が選ばれるというのは興味深いことであるという話もされ、とても共感できました。講演終了後も多くの方が熱心に質問を行なっていて、来場者は皆ゲームの研究に興味を惹かれていたようでした。