第69回模擬裁判『手折られた花』

五月祭1日目の5月20日(土)、安田講堂にて東京大学法律相談所による第69回模擬裁判『手折られた花』が上演されます。また、同日の模擬裁判終了後と翌日に交流会も行われます。模擬裁判と交流会について、法学部4年の成田旭宏さんにお話を伺いました。


成田旭宏さん

―東京大学法律相談所はどのような団体ですか。

法学部の3・4年生から構成されています。私たちの基本的理念は「学問的研鑽」と「地域社会への貢献」の2つです。戦後間もない1947年に設立され、今年入った3年生が72期になります。設立以来の本郷での法律相談のほか、年に1回の地方での移動相談も行っています。普段のメインの活動は法律相談ですが、模擬裁判も設立2年目から毎年安田講堂で行っており、今年で69回目になるので、法律相談と同じくらい重要な位置づけになっています。

―今年の模擬裁判はどのような内容でしょうか。

模擬裁判では民事事件と刑事事件を隔年で扱っており、今年は民事事件になります。テーマは「アイドルと恋愛禁止条項」です。このテーマを設定した理由は2つあり、1つめは一般の方が法律の世界を知るきっかけにしやすいという点です。刑事裁判であれば事実を扱っているので、一般の方でも比較的想像しやすくなっています。例えば昨年の模擬裁判では、被告人が被害者をベランダから突き落としたかどうかが焦点になりました。一方で民事裁判は契約が問題になるのですが、法律に馴染みのない方からすると若干分かりにくい点があります。そこでアイドルを取り上げて一般の方がイメージしやすくなるように配慮し、さらに雇用契約なのか委任契約なのかを焦点にしていくことで、契約に関する法制度について学べるようにしました。2つめは、アイドルの現状に対する問題意識です。最近芸能人のスキャンダル報道が過熱している中で、アイドルの人権についても考え直すべきなのではないかと思い、注目してみました。

―模擬裁判の特徴は何ですか。

毎年そうなんですが、シナリオや判決文は法曹実務家の法律相談所OBの監修を受けつつもオリジナルで作っています。そして「リアルとエンターテイメントの調和」を目標にしています。裁判を扱うエンターテイメントは、ゲームやドラマなどで最近増えてきていますが、五月祭の模擬裁判はリアルさも追求しています。

―模擬裁判の観客はどのような方が多いですか。

老若男女幅広く来られます。ですからその方々全員が楽しめるものを作る必要があります。今年は例えばSNSのようなお年寄りには分かりにくい言葉も出てくるので、その説明にも気を遣っています。

―交流会はどのような内容ですか。

土曜日の模擬裁判の終了後はキャストと観客の方々の交流の時間です。日曜日は普段と同じように法律相談所として法学部の学生と一般の方々の交流を行います。去年は高校生向けにゲームを通して法律を学ぶという企画でした。今年の企画はいま詰めているところです。

―法律相談所ではどのような相談が多いのでしょうか。

民事事件のみを承っていますが、遺産や嫁姑のような人間関係や、「家のリフォームを頼んだけど壊された」というような契約についての相談が中心です。今年の模擬裁判も契約を扱った民事事件ですので、普段の法律相談にも近いものがあります。アイドルが私たちの法律相談所に来たことはありませんが(笑)。弁護士に相談する前に私たちのところに来て、弁護士に頼んで解決できる問題なのかを確認されるという方も多いです。

―模擬裁判は法学部の3・4年生で運営されていますが、法学部の4年生は忙しいですよね。

3年生も駒場から本郷に移ったばかりで、右も左も分からないまま活動しているという状態ですが、一方で私たち4年生も模擬裁判の翌日に司法試験の予備試験があり、他にも就活があるなど、非常に忙しい日々です。基本は3年生が主体で、4年生はサポートとして運営に関わっています。

―ありがとうございました。

日程

  • 模擬裁判
    2017年5月20日(土) 開場:11:45 上演:12:00~14:30 場所:安田講堂
  • 交流会
    2017年5月20日(土) 14:30〜、21日(日)9:00〜16:00 場所:法文1号館3階311教室



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担当: , 坂井桂祐