理学部(オープンキャンパス2012)

理学部

理学部コースでは、多くの講演会・研究室見学のほか、各学科に分かれての相談・質問コーナーが設けられており、たくさんの高校生たちで賑わっていました。理学部7号館で行われていた蓮尾一郎講師による情報科学科の講演会「コンピュータで証明を書く―論理学入門―」は、「証明で金もうけ」という、高校生のときに学ぶ証明とはイメージの異なる話から始まりました。製品の安全性の証明、システムが正しく動くか否かの証明など、ビジネスにおける証明は多くあります。しかし、証明が正しいかをチェックするのは難しくなくても、証明を書くのは難しく多大なコストがかかります。そこで、自動で証明を書いてくれる機械を作れないか、というのが次の話題でした。そこで疑問となってくるのが、「どんな言葉で証明は書かれるのか」、「どんな問題の証明も書けるのか」という問題です。

理学部

まず第一の疑問の答えとして、「論理式」と「演算子」という論理学で用いられる記号を使ってどのようにして証明が書かれていくかが説明されました。第二の疑問の答えを教えてくれるのが「ゲーデルの不完全性定理」です。大雑把にいえば、「論理式がある程度の表現力を持っているとどんなルールを持ってきても証明できない問題が存在する」というもの。不思議な定理ですが、それだけに高校生の興味を誘う話題だったのではないでしょうか。最後に、「ゲーデルの不完全性定理」の証明で用いられるテクニックである対角線論法が、これを用いて証明できる「実数と自然数の濃度(集合に含まれる要素の個数のようなもの)が異なる」という命題を題材に説明されました。大学生でも分野によってはあまり聞いたことのない話題も登場しましたが、来場した高校生にとっては、普段高校の授業で聞く数学や証明とは違った話を聞ける貴重な機会だったと思います。