当日の様子(研究紹介)

研究紹介の様子

2013年駒場研究公開の様子です。

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研究紹介 | スタッフ企画 |


マクロ~ナノで観る液体の世界
酒井啓司研究室 @Be棟 Be-305

Be棟の3階を歩いていると、廊下の両壁に「えきてきぽろぽろ」や「光と波のコラボレーション」など、かわいいタイトルのポスターが張られていました。
 その他にも、何やら高速で回転している機械があったり、説明係の学生さんがいたり、何やら気になってしまう酒井研究室。
この研究室のテーマが液体の物理的な性質という比較的イメージしやすいテーマであることもあってか、通りがかった人の多くが足を止めて説明に耳を傾けていました。

写真の回転している機械は液体の粘性を測定するもので、試料の液滴を付けた棒を回転させ、伸びた液滴の形を見ているとのこと。
なんとも単純じゃないかと思うかもしれませんが、この測定方法は試料を大切にする最も良い方法なのだと説明員の方が熱心に話してくださいました。
 液体の粘性を測る方法として、試料をこぼしてみたり、他の液体や固体を混ぜたりする方法も考えられるでしょう。
しかし、そのような方法では試料がごく少量の時に測定できず、また試料の性質が変化してしまうおそれがあるため、研究レベルの測定では使えないのです。
 液体の粘性の測定と聞くとまだ理解ができるかもしれないと思いましたが、測定の厳密さや実験への気配りは、とても筆者には想像の及ばない次元のものでした。

その他、粘度が非常に高い場合でも電気や磁気を用いて測定できるようにした粘度計や、表面張力や密度の測定方法などについても説明を受けました。
 身近な液体が少し違った角度から見えるようになった気がしました。


担当: 外山翔平 *

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渋滞学
西成研究室 @4号館2階 講義室前廊下

西成活裕教授の研究室では、渋滞・安全運転・車からの二酸化炭素排出についての研究がパネルで展示されていました。関連する問題は様々で、一国の政策に関わるようなものだと、アイドリングストップ(信号などで一時停車するときにエンジンを切ること)はどんな状況でも二酸化炭素排出を減らせるのか、車の交通量が爆発的に増加している発展途上国でどのように交通インフラを整備していくべきか、などといったことが挙げられます。アイドリングストップについて言えば、停車時にエンジンを切ることで次の発車時に時間がかかるため、交通量の多い都市部では車の流れが悪くなり、その結果かえって二酸化炭素排出量が増えてしまう可能性があるとのことでした。より身近な問題では、信号の色を変えるタイミングの研究があります。そこでは、付近一帯の交通全体の流れをよりスムーズにするために、どの信号をどのタイミングで変えるのがいいかということが論じられていました。

パネルには数理的なモデルを構築・検証する過程が書かれており、数式を完全に理解することはできないながらも、交通という身近なインフラに学問を感じることができました。


担当: 平山いずみ *

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電気を蓄え利用する:強誘導体とプロトン電池
宮山・野口研究室 @4号館4階404号室

ここでは主に強誘電体とプロトン電池の研究が紹介されていました。強誘電体とは、電場をかけなくても自ら分極する(プラス電荷とマイナス電荷をもっている状態になる)誘電体のことを言います。強誘電体は大きな電界が与えられることでその結晶の配列が整列するという性質をもっています。この性質を利用することで、強誘電体をコンピュータなどの半導体デバイスに取り入れることが可能になります。この研究室ではさらに、強誘電体がもつ「格子欠損」に焦点を当てた研究もしているそうです。

またリチウム二次電池の性能を向上させた電気化学スーパーキャパシタの開発、研究もなされています。電気をより多く充電でき、かつ瞬間的に電気を放出・蓄積できる機能が求められている中で、ナノ単位の層状シート型の電極材料はその機能を実現できる可能性を秘めているそうです。


担当: 門谷拓磨 *

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医療を改革するマイクロマシンとナノロボット
生田研究室 @4号館2階ロビー

研究公開2日目の「たまご落としコンテスト」の主催でもあるこの研究室では、次世代のバイオ用ナノマイクロマシンと医療用ロボットを中心に研究が進められています。今回の研究公開でもその一端が見られました。光で駆動する細胞生物学用マイクロロボットは、細胞や細胞小器官などの顕微鏡でしか見られない対象物を高い分解能で検出しながら扱うことができます。 そのため生物、医学、機械の分野における多様な実験に対応できるとのことです。また、患者への侵襲(手術などにより体内の通常の状態を乱すこと)を最小化するための低侵襲ロボット「ハイパーフィンガー」は腹腔内手術用に使われており、自由度が高く臓器の裏側での作業も可能なのだそうです。

開かれたロビーには研究ごとにパネルが並べられており、最先端の研究のアカデミックな空気が漂っていました。


担当: 門谷拓磨 *

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学際的アプローチによる昆虫微小脳の理解
神崎・高橋研究室 @3号館南棟エレベーターホール,364号室

エレベーターホールでは、昆虫の能力をもったロボットと、カイコガの操縦するロボットが紹介されていました。触覚や視覚など昆虫脳の神経回路モデルをもとに作られたロボットで、障害物を回避したり匂いの源を発見したりできるそうです。また研究室の中では、カイコガの脳を顕微鏡で見ることができました。大きさは1ミリくらいで非常に小さいですが、脳細胞の観察したい部分だけをピンポイントで着色する技術や、立体顕微鏡でカイコガの脳を画面上に立体的に映し出す技術のおかげで、カイコガの脳細胞それぞれの役割を視覚的に理解することができました。


担当: 門谷拓磨 *

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高齢者・障がい者の日常生活を支援するバリアフリー機器
田中研究室 @3号館中2階セミナー室

ここでは、日常生活で役立つ器具の展示や、実用化に向けて研究中の機械の展示が行われていました。
 部屋に入ってまず目につくのは、改良型スコップの展示。雪かきなどに使用する通常のスコップでは、作業時に腰の位置が高くなるため腰に負荷がかかりがちです。しかしそれに対して、改良されたスコップでは柄と先の部分との接点がS字になっている分、腰への負担が軽減され高齢者の方にも使いやすくなっているとのことでした。
 その向かいに展示されていたのは、座位における重心を一定に保つトレーニングを行える健康器具。座面がグラグラしているため、重心が正しい位置で保たれていなければすぐにフラついてしまいます。この健康器具の近くに置かれていたモニターで製品紹介の映像が流れていて、その映像通りに運動すると腹部に筋肉がつくのだそう。私も体験しましたが、なかなか安定を保つのは難しくお腹が鍛えられるのが実感できました。

この他にも、視野の隅に存在する対象を認知できない人のために研究された、視野を映像で取り込みレンズに縮小して表示させるメガネが展示されていたり、サーモグラフィーによって高齢者・障がい者の転倒転落を検知する技術が紹介されたりしていました。


担当: 川口倖左 *

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実験から見えてくる心の仕組み
渡辺研究室 @3号館中2階アトリウム

こちらのブースでは、認知科学に関する実験を体験することができました。筆者が体験したのは、左右の眼の認知機能を調べるというもの。この実験では、左右の眼に一部分だけ異なる画像を見るとどちらか一方の目からの画像のみ鮮明に認知でき、他方の目で認知した画像はぼーっと浮かび上がるほどしか認知できないことが体感できました。
 他には、画面の指示に従って左右両方の指に異なる力を加えるという実験もありました。一方の指で強めの力を加えるように指示され、しかし他方の指では弱めの力を加えることが求められるこの実験では、大多数の人は左右の指で同じ程度の力を加えてしまうか、求められる力と左右逆に力を加えてしまうのだとか。これは、人間の右脳・左脳が神経的につながっていることに由来しているのだそうです。左右で別の大きさの力を加えることが多いピアニストの方などであれば、力加減を左右別々に調節できるのだということでした。
 全部で3つの体験コーナーがありましたが、どのコーナーも常に来場者で賑わっていて大人気の様子でした。


担当: 川口倖左 *

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