経済学部講演会

経済学部講演会

経済学研究科棟B1第1教室では東京大学経済学部の卒業生を対象とした講演が開催されました。

初めに経済学研究科長・経済学部長の西村清彦氏による挨拶がありました。東日本大震災について、災害時には現場が上とは相談できない危機的状況にあったことを、東京電力が日銀ネットという、日本銀行が取引先の金融機関との間の資金や国債の決算をオンラインで処理する重要なネットワークシステムのサーバーを停電しようとしたことを例に挙げて説明されました。そしてそうした状況下にあって重要になるのは政府と大学、政府と企業という縦のつながりよりもむしろ、大学間あるいは企業間という横の連携であると述べられました。

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次に大災害に対する経済学部の対応やこれからの課題を、東京大学大学院経済学研究科教授の国友直人先生が説明されました。大地震の際、13階にある国友先生の研究室もかなり揺れたそうです。当時先生は地震予知研究の予算を審査する側にいて、災害には予測できる部分とできない部分があるとしながらも予算の出し渋りをしていたことは反省すべき点だと仰いました。この地震により授業の開始が遅れたため、先生はその間被災地である気仙沼を訪れ東京大学では何ができるかを考えたそうです。

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その翌年の4月、学生だけでなく教職員を含めて募った東京大学ボランティア隊に参加され、当時は一部崩壊していた東京大学海洋研究所のある大鎚町吉里吉里海岸で清掃責任者を担われました。東京大学ではこうしたボランティア活動が繰り返し活発に行われてきました。

2012年の11月には「東京大学釜石カレッジ」という、「三陸経済の復興にむけて」という題のもと3回にわたる連続公開講座を釜石市の市役所で行なったそうです。また2011年4月14日に福島県立相馬高校の42名の生徒が東京大学大学院経済学研究科教授の松井彰彦研究室を訪れ、人間の行動というのは必ずしも理屈で動いているわけではないということを教わったそうです。今年の9月28日には松井先生を代表者とした2014ふくしま高校生社会活動コンテストが行われ、上位に入賞した人が11月28日に今回講演がなされた東京大学経済学研究科棟にて開催される公開講座「福島の高校生が、日本を元気にする」と題した2014ふくしま高校生社会活動コンテストにおいて、優秀グループ活動発表を行います。

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学問的課題について、先生は「時々起きる現象」と「稀に起きる現象」の統計的解析について科学的に研究しなければならないこと、災害に対する政府・民間の役割をはっきりさせること、統計学・経済学の役割を問い詰めることを挙げました。そして東日本大震災から3年半かけて復興してきてなお経済的な課題が山積みであり、経済学・統計学のスタンスである”warm heart but with a cool head”を保ちつつその役割を考えなければならないとして講義は締めくくられました。

質疑応答では東京大学の経済学部生らしさとは何かや「稀に起きる現象」と「時々起きる現象」のインターバルについてなどの鋭い質問がありました。最後に司会の方から講演会後の懇親会への案内があり穏やかな雰囲気で幕が閉じました。