山崎直子氏講演会

山崎直子氏講演会

法文2号館31号教室では宇宙飛行士山崎直子さんによる講演会「宇宙飛行士という人生~宇宙に出るまで、帰ってきてから」が行われました。講演に先立ってこの企画を開催した東京大学女子卒業生・女子学生同窓会(さつき会)がその取り組みを紹介し、続いて山崎直子さんが登壇されました。

講演の前半では山崎さんの宇宙飛行士としての人生についてお話しくださいました。小学生の時は宇宙だけでなく外国にも興味があったそうです。そのきっかけは、あるラーメン屋でインド人の女性に「世界は広いのよ。あなたも頑張って」と片言の日本語で言われたことでした。中学生の時にはアメリカの女の子と文通をし、いつか外国に行きたいと考えていました。そして大学院生になってその願いは叶いました。猛反対だった親を説得しアメリカへ海外留学、そこで改めて世界の広さを実感し価値観も大きく変わったそうです。その後2度目の受験で宇宙飛行士に合格、訓練が始まりました。

山崎直子氏講演会

その訓練は11年の年月を要しました。一番辛かった時期は2003年のコロンビア号空中分解事故の後でした。事故によりスペースシャトルが次にいつ飛ぶのか、飛べる日がそもそも来るのかさえ分からない状況に、自分はどうすればいいか悩んだといいます。そんな時も「どうしようもないことはたくさんあるけれど、自分でできる小さなこともある。いつか道が拓けるはずだ」と考え、訓練をやめることはありませんでした。そして2010年4月5日、スペースシャトルディスカバリーに搭乗しついに宇宙に行くことができたのです。今はJAXAを離れ、宇宙開発の分野や教育の分野で貢献されています。

さらに講演の後半では宇宙での活動の様子についてもお話しくださいました。無重力空間では壁や天井で寝ることも出来るため起床した時に思わぬところに他人の顔があってびっくりした思い出や、宇宙での食事に日本食が増え安心感が増していることなど、実際に宇宙で活動した人ならではの体験や思いを語ってくださいました。

山崎直子氏講演会

最後は「Wonder(未知)ful=すばらしい」という言葉で講演を締めくくりました。宇宙での未知の体験は私たちの人生にも当てはまるところがあります。将来のことは分からない、だから私たちは不安になって悩んだり考え込んだりします。しかしそれに対してどう動くか、どんな人と出逢ってどのように関わっていくか、そのような余地が将来に残されていることが素晴らしいのだと山崎さんは仰いました。講演後には質疑応答が行われ、学生を中心にたくさんの来場者から質問が出ていました。