STAND UPキャンペーン

世界で年々深刻さを増していく飢餓の問題。解決の糸口は簡単につかめるものではありません。でも、世界中の人々が立ち上がれば、何かが変わるかもしれない ――そんな想いから、毎年「STAND UPキャンペーン」というものが行われています。今回は、国連広報センターでこのキャンペーンに関わっている中村仁さん(文科一類1年)に、キャンペーンの魅力について、そしてご自身のキャンペーンにまつわるエピソードなどを伺いました。

キャンペーンの概要

中村さん

STAND UPキャンペーンは、貧困を削減することと、国連が2000年に定めたMDGs(※)を各政府に守ってもらうことを、一番の目的に挙げています。そこで政府を動かすために、世界中のみんなで同じ日に立ち上がっちゃおうという企画です。

2007年10月17日(水)の午前6時から18日(木)の午前6時までの間に、しゃがんだ状態から立ち上がって、その写真や動画を撮って、特設サイト(下のリンク参照)にアップロードすると、人数がカウントされるシステムになっています。それを全世界から集めてギネスを更新するのが目標です。昨年は全世界で約2300万人が立ち上がってギネスに登録されました。でも日本で立ち上がったのが約2700人と少なかったので、今年は日本でももっと盛り上げていきます。17日にサッカーの日本代表vsエジプトの試合が行われますが、そこでは4万人が一斉にSTAND UPする予定になっています。関西学院大学なども協力的にやってくれますし、ボーイスカウトの全国会議で700人立つことも決まっています。

もちろん、各個人でも参加できます。サイトに登録すれば一人でも気軽に参加できる身近な市民キャンペーンなので、全国で同時多発的に行われたらいいなと思っています。

主催団体について

このキャンペーンは、NGO団体によって構成されるSTAND UP SPEAK OUT実行委員会が主に進めています。昔中田英寿選手がテレビCMで腕にホワイトバンドをつけて貧困撲滅を呼びかけていた「ほっとけない 世界のまずしさ」というキャンペーンがありましたが、それをやっていた団体が中心となって動いている組織です。若者ではYDP Japan Networkという学生団体ネットワークの人達が協力しています。そして、今僕が働いている国連広報センターが支援という形で動いています。サッカーの日本代表戦でSTAND UPをするには、NGOだけではできませんから、そこは国連広報センターが交渉して進めています。国連という名前を貸すことが多いという感じでしょうか。

キャンペーンに関わって

中村さん

僕は東大に入学した頃から、YDP Japan Networkという学生団体ネットワークの事務局に入っています。YDPは世界銀行の協力で設立された、国際協力・開発・環境などの地球規模の課題(グローバルアジェンダ)に取り組んでいる学生団体のネットワーク組織です。事務局では、団体同士をつなぐ仕事をしていました。また、全国に60ほどある加盟団体をオリンピックセンターに集めて総会を開いた時に運営に関わったり、世界銀行のベトナム事務所開設記念の国際会議で日本のユース側コーディネーターを務めたりしました。今はYDP Japan Networkの大先輩に「仁ちゃんいまから国連来ちゃう?」と声をかけられ、そのまま国連広報センターで働くようになり、STAND UPキャンペーンに関わっています。

僕がこのキャンペーンに関わって一番良かったこと、そして一番苦労したことは、国連で働くということです。給料をもらっている分慣れない仕事でも成果を出さなければならないので少々辛いですが、逆に「仕事」がプレッシャーインセンティブになるので、成長の機会に恵まれていると思います。職員の方と気軽に話したり、意見を言ったりできるので、それはすごく面白いですね。日本サッカー協会の広報担当の方を交えて、今後どのようにしてサッカーの試合でSTAND UPしていくかというような大きなことが決まる会議の場にいさせてもらえるのも面白いです。国連内部がとても快適なので、そういう環境で働けるのはいい経験になります。楽しいってことと訓練になるということが良かった点で、苦労した点はその分プレッシャーが大きいということですね。

あとは、いろんな立場でこのキャンペーンに関われるという所が面白いと思います。僕は学生団体の一員でもあって、国連広報センターの人間でもありますし、ただのユースでもあるわけです。それぞれの立場でできることとできないことが色々あるんですよね。でも、それぞれの立場をうまく生かすと、いろいろ意見を聞いてもらえることもあります。国連広報センターに連れてきてくれた先輩の「賢くならなきゃ食べられちゃうよ」という言葉が印象的です。

僕自身はパブリックセクターで働きたいという思いが昔からあって、官僚や政治家になるためには東大の法学部を出るのが最適なキャリアパスになるんじゃないかと考えて東大に入りました。でも、大学時代は官僚や政治家になることにとらわれず、その時々で面白いなと思ったことに色々飛びついていきたいです。今は国連広報センターで働いていい経験をさせてもらっていますが、それも別にここで働きたいから学生団体に入ったというわけではありません。東大生は計画好きで、将来これをやるために今はこれをやっていこうとか考える人が多いと思うんですが、そんなに人生は単純じゃないですよね。もっとその時その時で自分が一番興味をひかれることをやっていくと、色々と新しい世界が見えてきて、それが将来のためにもなるんじゃないかなと思います。

最後に、改めてキャンペーンの告知を

中村さん

STAND UPキャンペーンは、世界同時多発の市民キャンペーンで、ギネス記録を生んだというのが大きなウリです。昨年度も全国各地で行われたとても大きなキャンペーンなので、皆さんにも是非とも参加してほしいです。誰でもできますし、立ち上がったところを写真に撮って送ればいいだけなので、その日に仲間で集まる機会があればやってほしいし、家族で撮ってもいいですし、気軽に参加してもらえればと思います。すごく遠い形ではありますが、飢餓削減などの世界の問題の解決に繋がるというところで問題意識を共有できればなと思っています。皆さん、是非ともキャンペーンに参加してください。現在、東京大学の中でもSTAND UPをしようという企画があるので、どなたでも興味のある方は17日の午後6時30分までに東大本郷キャンパス安田講堂前に来て下さい。


(※注 MDGs:“Millennium Development Goals”の略で、日本語では「ミレニアム開発目標」。貧困・飢餓の撲滅、普遍的初等教育の達成、女性の地位向上や疾病の蔓延防止などの8項目からなる、貧困解決のための目標。)


ご自身のこれまでの経験も語ってくださった中村さん。「面白いなと思ったことに色々飛びついていきたい」という積極的な姿勢が印象的でした。気軽に参加できるSTAND UPキャンペーン、面白いと思った貴方は飛びついてみてはいかがでしょうか?


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