トヨタ会長の語る、大学生活ことはじめ

来る5月27日(火)、トヨタ自動車会長・張富士夫氏(法学部卒)が現役東大生に向けて講演会を行う。この企画には東大ドリームネットが関わっているが、今回は担当者の本田浩一郎さん(大学院情報理工学系研究科)にお話を伺った。

講演会の概要

本田さん

今回の講演会では、トヨタ自動車株式会社取締役会長である張富士夫さんをお呼びして、主に1,2年生を対象に「トヨタ会長の語る、大学生活ことはじめ」というサブタイトルでお話しいただこうと思っています。

東大に入学した時って、「何かやりたい」とは思っているけど、具体的に何をやりたいかというのが決まってない人が結構いるのかなと思います。ものすごく勉強してやろうという人もいるし、サークルを頑張ろうという人もいるけど、その先にあるものは一体何なのかというのはまだ見えてないし、イメージもない。でも大学の4年間というのはものすごく重要で、やろうと思えば何でもできると思うんです。自分のやりたいことをやってほしいし、有効に活用してほしい。じゃあこの先にあるものは何なのかというのをしっかり見極めてもらうために、世界的に活躍されている卒業生をお呼びして、「私は学生時代こういうことをしていた。その後こういう会社に勤めて、今はこういう風なことをやっている」というように、その過程を1つのストーリーとして聞くことができたら、それによって何か刺激を得られるんじゃないかなと思いまして。そういう意味で、張会長にはご自身のストーリーを話してもらいたいと思っています。

売上高ではGMを抜き、世界一になったトヨタですけども、その現会長も東大に在籍していた時は1人の学生だったわけで、そこからどのようにして自分のキャリアを選択して、今やっていることまで結びついたのかというのは、誰もが興味のあることだと思うんです。おそらく誰にでも学生時代の悩みとか、就職の悩みとか、その後の仕事上の悩みとかがあると思うので、張会長ももしかしたらそういう悩みを抱えていらっしゃったかもしれない。そういう悩みとか意思決定みたいなものを、学生のうちに聴けたらすごくいいだろうなというのがあって、それを1つの人生のストーリーとして語っていただきたいという思いがあります。

なお、この講演会は一応東京大学が行うイベントなので、参加者は東大の学生・卒業生限定となっています。

東大ドリームネットとは

本田さん

東大ドリームネットは、学生として大学でどのようなことができるかということを考えながら活動しています。僕らが行っていることは一学生団体のイベントとしての側面ももちろんありますが、外から見ると「大学の事業に関わらせていただいている」というような側面もあるんです。実際、卒業式で学事報告がされたり、アクションプランにも項目として載っていたり、メディアなんかにも露出があるけど、その主体は「東京大学」。要するに学生が主体的に運営しているけれども、東京大学の事業として行っているんですね。

僕らは端的にいえば、「知の創造的摩擦プロジェクト」を運営する団体なのですが、大きな柱として2つの考えがあります。1つは学生のキャリア支援をしたいということ。今の東大の学生の中には、駒場生のうちは進振りまで猶予があるにもかかわらず、自分の進路をあまり考えずに過ごしてしまって点数で決めてしまったり、就職も周りの意見ばっかりを気にしてしまったりして、自分で主体的な選択をしないままに卒業してしまう学生も多いと思っています。でもきっと、世の中には学生が知っている以上にいろんな世界があって、それを知ったうえで自分の本当にやりたいことを選んでいけたらいいですよね。そんな機会をたくさん作っていきたい。

もう1つは、卒業生との交流を支援したいということ。東大には各分野で活躍する素晴らしい卒業生がものすごくいっぱいいらっしゃいます。そういう方々にどんどん大学に帰ってきてもらって、学生がアドバイスをもらったり、叱ってもらったりしながら、世代間のタテの交流を深めていけたらと思っています。

その根幹となるのが、2005年10月から始まった「交流会」といわれるものです。本郷と駒場で年1回ずつ、毎回3,40代の若手卒業生 100~150人と東大生300~400人ほどを集めて、キャリアについて考える交流会イベントをやっています。このイベントは毎回好評をいただいていて、交流会後も個人的なつきあいが続いている学生と卒業生もいるそうで、企画者としてはすごく嬉しく思っています。

講演会開催の経緯

本田さん

もともと知の創造的摩擦プロジェクトには、各世代間のつながりを作りたい、各世代間にクリエイティヴな摩擦が生まれて、それぞれがインスピレーションを得られるような場を作りたいというのが根源にありました。そのとっかかりとして、若手卒業生と現役学生の交流を深めようということで始めたのが交流会です。半年ごとに開催してきた交流会も今年の6月で第6回目を迎えるんですが、やっと学生側にも卒業生側にも大学側にも余裕が生まれてきたかなと。じゃあこれを機に更なる取り組みとして、さらに上の層である50,60,70代のシニアな卒業生をお呼びしようということになりました。

この世代になると、社会的にかなり重要な立場にいらっしゃる方が多いのですが、その方々をお呼びしてお話を聴かせてもらうことで、現役学生・若手卒業生・シニアな卒業生のすべての年代が一体となって大学をバックアップする体制を整える。これは設立当初からの1つの構想としてあったのですが、そこにちょうど今年、同窓会組織である学友会が「赤門学友会」として新体制になり、もっともっと東大をバックアップしていこうということになったんです。それで赤門学友会の新会長に張さんが就任したんですが、今回の講演会はそのキックオフ・イベントとしての位置付けもあるんですよ。

赤門学友会でも、もともと講演会をやりたいという構想があったとのことで、僕らが話をしてみたら、「考えていることは同じだからやりましょう」ということになって、今回の企画が立ち上がりました。それが去年の12月で、それから大学と赤門学友会と僕らで調整を進めて現在に至ります。

今後の講演会

今回が第1回目なのでまだどうなるか分からないですけど、想定としては、あらかじめ年間テーマを決めたうえで年に3,4人の卒業生をお呼びして、定期的に講演会を開いていこうかなという風に思っています。話してもらう内容には、やっぱりご自身のキャリアというのが観点として1つあります。あとはグローバルで成功されている方がすごく多いので、世界の中の視点――東大がよく国内最高峰の大学だと言われますが、そういった視点ではなくて、自分は世界有数の総合大学で学んでいて、主戦場は世界である、そのような視点をもって、自分のキャリア形成みたいなものを考えてもらえたらいいなと思っています。

最後に

本田さん

企画者の立場から言えば、世界に名だたる企業の会長が後輩のために大学に戻ってきて講演してくれるというのは、すごくありがたいことだし、なかなかないことだと思うので、ぜひ偉大な先輩の話を聴きに来てほしいと思っています。

それで聴いた後に、「よかった」で終わるんじゃなくて、この先何年か何十年か分からないけど自分の先のことを考えてほしい。平均点が何点だから進学先はどことか、そういうのじゃなくて、本当に自分が何をやりたいんだろうということを早いうちから考えてほしい。今回の張会長のお話が刺激となって、いろんな人と会って話をして、いろんな人生のストーリーを知って、自分のやりたいことを探し出してもらえたら企画者として幸いです。

企画詳細

本田さんもインタビューで少し触れていますが、6月初旬には交流会が行われます。以下は東大ドリームネットからの告知文です。

2008年夏学期、東京大学「知の創造的摩擦プロジェクト」

 講演会後、6月7日にはドリームネットの企画として第6回交流会が行われます。
 東大の卒業生100名以上を御殿下ジムナジアムにお招きし、学生と共に各々の人生観や職業観等を自由に語り合っていただきます。

 第一部では、お越し頂いた卒業生と学生で10名程度のグループに分かれ、数回にわたってキャリア選択や、人生観について語り合います。
 第二部では、立食形式の懇親会となり、自分の会いたい卒業生の方と個人的に話すことが出来ます。今回はその他にも、交流会後に行われる小企画を紹介するブースも用意しております。

 様々な卒業生が参加するので、主体的なキャリア選択のヒントになる新たな発見が得られるかもしれません。
 あなたも卒業生に自分の思いをぶつけてみませんか? お気軽にご参加ください!!

企画詳細

企画名:知の創造的摩擦プロジェクト~第6回交流会~

  • 日時
    6月7日(土)
    受付12:30~、開始13:00~(参加無料)
  • 開催場所
    本郷キャンパス御殿下ジムナジアム
  • タイムテーブル
    第一部座談会13:00~17:30
    第二部懇親会17:30~19:00
  • 参加卒業生業種例
    弁護士、裁判官、官公庁、議員、国際機関、起業家、金融、商社、コンサルタント、マスメディア、メーカー、教育機関、医者、研究家、建築家、教授など
  • 申し込み方法
    (1)東京大学キャリアサポート室ホームページからお申し込みください。
    (2)駒場キャンパスで配布されているビラの申し込みフォームにご記入後、駒場キャンパス守衛室横にあるポストに投函してください。

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