第48回全国七大学総合体育大会

全国七大学総合体育大会(七大戦)とは、北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州の7つの旧帝国大学が合同で開催する体育大会である。第48回の2009年は東京大学が主管校ということで、実行委員長の近藤嵩史さん(東京大学運動会総務部4年)にお話を伺った。

大会の概要

委員長インタビュー

全国七大学総合体育大会というのは、1962年(昭和37年)に北海道大学の代表が、各競技で独自に行われていた七大学の定期戦を総合して始めた体育大会です。その当時掲げた理念に、真のアマチュアリズムの追求・学生の手による自主運営・競技レベルの向上・大学間の親睦・運営経費の節減の5つがありますが、それは第48回の現在まで引き継がれています。

競技ごとに行われていたときは単純にどこが一番強いのかを決める大会でしたが、それらを総合することによって、部の誇りだけでなく大学の誇りを背負って戦う大会という重みづけがまずなされました。さらにその上に、最初に申し上げました真のアマチュアリズムの追求、つまり単純に順位を決める以上のものとして、観ている方々や競技者自身がスポーツを純粋に楽しむという文化的意味を付け加えたものとなっています。また、大学間の親睦と申しますのは、せっかく七大学が集まるのだから、ただ競うだけではなく同じような環境にいる者同士交流を深めて自分自身の成長につなげようという理念です。過去47回こうした趣旨は変わることなく続いておりまして、今年もそれを踏襲しての大会となっています。

第48回大会の位置づけ

今年が48回大会ということで、50回の節目の大会が迫ってきました。第1回から先ほどの5つの趣旨の下で行われているということにはなっていますが、やはり半世紀経ってみると、趣旨はそのままでも運営側のスタンスは変わっていますし、そもそも大学の情勢も法人化されるなどいろいろ変化してきていると思うんですね。ですから50回大会に向けて、これまで七大戦がどういう推移をたどってきて、どういう結果を残してきたのかというのと、次の半世紀に向けてどういう大会を目指していけばいいのかというのを、総括して次の代に示せればという大会を目指してやっております。

具体的に申しましょう。昨今の社会情勢を見ますと、スポーツが世俗化しているということがいえます。アイドル性や営利性を重視するような傾向がある中で、やはり大学スポーツはそういうものではありませんので、真のスポーツの楽しさとは何なのかというのを見つめ直したい。また、有名私立大学などには選手の「セレクション」というのがありまして、それに対してセレクションのない国立大学は、私立大学とやりあえるのかやりあえないのか、もしやりあえないのであれば国立大学の競技レベルは何を目指せばいいのかというのを、この48回大会で七大戦の歴史を振り返って見直せればというふうに思っています。

実行委員会の役割

まず実行委員会のスタンスについて説明しますと、そもそもの大会の始まりがあくまで各競技でやっていたものをまとめたという形ですので、大原則として実行委員会が「させている」というのだけは避けるという姿勢があります。各競技が定期戦をやりたいというのに対して、たとえば学校に申請しなければなりませんのでその仲介役を務めることや、予算申請や関係各所への広報活動でその手助けをしております。体育館の確保も一団体では難しいものがありますので、そうした手助けをするというのが実行委員会の基本的なスタンスです。

普段の仕事はほとんどが会計ですね。現在の七大学戦は41種目に7000人が参加する大会ですので、会計事務が膨大になっています。もちろん学生の手による大会として、無駄な装飾品などはあってはならないということは理念に盛り込まれていますので、そのような無駄を一つ一つ吟味して取り除き、逆に足りないものがあるようだったら指摘する。やはり各部は、大会に出ることには慣れていても運営することには慣れていませんので、そういうことを大会運営という意味でアシストをいたしております。

委員長インタビュー

また、一般学生にスポーツを楽しんでもらうためにはまず知っていただかなければならないということで、広報活動を行っております。広報活動の最たるものとしましてはグッズの製作、販売・配布があります。現在、生協さんに協力していただいて七大戦グッズの販売をいたしております。また、諸手続きや入学式、新歓活動や五月祭など節目節目にクリアファイルなどの配布を行ってきました。販売だけでは自分たちでよくないと言っていた営利性に走ってしまうこともありますので、あくまで広報活動第一ということで配布も行っているというわけです。

以上が一般学生に対する大きなアピールであるとして、それとは別に総長を初めとする職員や理事の先生方に向けた広報活動もいたしております。その最たるものとして、7月4日に本大会の開会式がありました。開会式は七大学の総長・学長や理事の先生方をお招きして安田講堂で執り行ったんですが、これには開式の挨拶や優勝旗の返還といったいわゆる体育大会としての格式を整える意味があります。いろんなところから協賛をいただいておりますのでその方々に七大戦の盛大さを示して、今後の大会にも協力していただけるようにアピールをいたしております。

大会マスコットについて

去年の7月から約1ヶ月半、東京大学の一般学生の方々に公募をいたしました。集まった49点の中から、当時軟式庭球部4年生だった高橋あゆみさんの作品「忠犬ナナ公」を選ばせていただきました。理由としましては、まず東京名物のハチ公をモチーフにしているということと、犬に学帽を被せて首輪に銀杏のマークをつけており、学帽と銀杏はやはり東京大学のシンボルであるということ、またハチ公の飼い主が東京帝国大学の教授であり、東京大学にゆかりが深いということで、大会マスコットにするには条件が揃っていたことがあります。さらに事務的なことを言いますと、シンプルなデザインですのでグッズにしやすいし、親しみも持っていただきやすい。あとデータにしやすいということも大きいです。たとえば目の粗い電光掲示板でも表示しやすいということで、大会を広くアピールするためのマスコットですから、そういう意味で非常によかったと思っております。

本大会への意気込み

近藤さんは大会実行委員長であると同時に、東京大学運動会の一員であり、ヨット部の競技者でもある。3つの立場それぞれから、本大会への意気込みを聞いた。

まず実行委員会といたしましては、47回も続くと近年は少し惰性でやっているという面がありましたので、繰り返しになりますが50回の節目も近づいてきたということで、今回の大会でそういうのをすべて整え直し、50回大会につなげていくという意味で「くさび」となるような大会にしたいと思っております。そのためにOB会を組織したり、書面として整っていなかった会計の仕方や競技へのアプローチなどをすべて明文化したりして、次の大会でも戸惑うことなく実行委員会が一貫したスタンスをとり、大会の連続性が保てるように体制の整備を行おうと思っております。

次に東京大学運動会といたしましては、東京大学が21年間優勝から遠ざかっていますので、主管校である今年はぜひとも優勝を狙いたいというのがやはり一番ですね。主管校での優勝が一番少ない名古屋大学でさえ、地元開催で5割の優勝率を誇っています。やはり地の利は確実に存在するということで、今年は東京大会ですので主管校の地の利を生かして優勝を狙いたいと思っております。そのためにも五月祭や本大会の開会式直前には応援部さんと協力して壮行会を行いまして、七大戦に向けて鼓舞を行うなどこちらからもアプローチをしてきました。

例年の東京大学は、最初の種目は強くて残りの種目は弱いというジンクスがあったんですが、現在のところは普段負けているような競技でも勝ち続けていますので、やはりいい調子なのではないかと思っております。

私の所属するヨット部は4位でしたので、競技者としてはちょっと悔いの残る大会になってしまいましたね。今後は実行委員長と運動会総務部として大会をバックアップしていこうと思っております。

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