国際機関・キャリアガイダンス

国際機関で働くことに興味がある方はいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。同時に、「興味はあるけど国際機関で働くためにはどうすればいいの?」「どんな人が国際機関で働いているの?」など、興味はあるけどよくわからないと感じる方も少なくないはず。そんなあなたの疑問に応えるべく、本郷キャンパスで東京大学卒業生室と外務省の共催による「国際機関キャリア・ガイダンス」が開催されました。


本郷キャンパスにて、東京大学卒業生室と外務省の共催による「国際機関キャリア・ガイダンス」が開催されました。このイベントは、東京大学卒業生室が東大の卒業生や在学生のためのメンタリング・プログラムとして企画したものです。国際機関と一口にいっても国連、世界銀行、IMF、WHOなど、多種多様な国際機関があり、就職の条件として就職経験が2年以上という機関が多いため、一度就職した卒業生の転職先としても候補になります。

遠い存在のように感じられがちな国際機関だからこそ、今回のガイダンスでは、ファーストジョブはどのようなものがいいのか、英語力はどれくらい必要なのか、第二外国語は必要なのか、学位は修士まででいいのか、博士まで要るのかといった素朴な質問に答え、国際機関で働く魅力を伝えることで、国際機関への就職を考える際のヒントを提供することを目的としていました。

ガイダンスは2時間という限られた時間でしたが、外務省で国際機関の人事担当の方と実際に国際機関で働いていらっしゃる4人の方から、経験に基づいた貴重なお話を伺うことができるものとなっていました。そのお話からは、国際機関で働くことのやりがいが伝わってきました。

まず、総論として外務省総合外交政策局国際人事センターの萩野様から、グローバル人材の要件についてお話があり、異文化理解ができること、人類的課題に取り組むこと、英語を使えることの3点が挙げられました。国際機関の特徴としては、国際社会のルール作りをすることやワークライフバランスをとりやすいことなど、さまざまな観点からのお話がありました。実際に、国連職員の9割が仕事に満足していると答えているそうです。学位についても、修士号取得者が6割近く、博士号取得者は27%程度であるとのデータを示しつつも、ポジションによって必要とされる学位が違うというお話もありました。学位と職歴との関連性があった方がよい、海外での生活経験があると就職後の海外生活にも適応しやすいなどのアドバイスもありました。国際機関への道について、外務省国際機関人事センターのウェブサイトから確認できる空席公募や、外務省によるJPO派遣制度、国連事務局のYPP制度という3つの道とそれぞれの方法の特徴が示されました。

続いて、国際機関でお仕事をされている4名の方から、国際機関で働く心構えや働き方、仕事内容についてお話がありました。まず、IMF(国際通貨基金)で働いていらっしゃる見明様から、組織の名前にこだわらないで自分のスキルを磨き、スキルでキャリアを選んでいく方がよいということお話がありました。また、社会人になってからも学び続ける必要があること、国際機関に勤める前に現地に足を運んで自分の適性を知るべきであることなど、国際機関で働くにあたっての心構えを伺うことができました。博士号取得後にIMFへの就職の道が開ける可能性があるJAPAN IMF Scholarship Programという奨学金の紹介があり、経済系のポストへの就職を目指す人に推奨されていました。

次に、OECD(経済協力開発機構)にお勤めの樋口様から、ヨーロッパ色の強いOECDの特徴として、ベストプラクティスの共有を大切にしているとのお話がありました。また、OECD職員の前職としては政府系の機関が多く、メディアやコンサルティング業界からの転職もあるそうです。国際機関への就職の道として、外務省によるJPO派遣制度の利用を勧めていらっしゃいました。

UNICEF(国連児童基金)にお勤めの平林様からは、自分の目標と組織のビジョンが一致していると、志を体現することができるというお話がありました。何でも全力を尽くすこと、異質なものを受け入れること、失敗から学ぶことなど、働く上で重要なことについても伺うことができました。特に国際機関で結果を出していくためには、知識を身につけ経験を積むこと、声なき声を汲み取っていくこと、多様性を重要視すること、敵を味方につけてチームワームよく働くことが必要だということでした。

IDB(米州開発銀行)アジア事務所長の式部様からは、国際機関への就職にあたっては履歴書が決定的に重要であるというお話を伺いました。どのような場面でどのような工夫をし、何を成し遂げたのかを明らかにし、自分には何ができるのかを説明することが重要だということです。

質疑応答の時間には、国際機関の職員は任期付職員であることへの不安が参加者から出ましたが、それに対し、国際機関に勤めていらっしゃる4人の方からは、任期付だからこそ人に人生を決められないというメリットもあり、健全な緊張感を持って大きく成長できるという力強いメッセージが発せられていました。

多くの参加者にとって、国際機関で働くということについての漠然としたイメージがクリアになり、その選択肢が現実的なものとして感じられるようになった時間だったことでしょう。