トウダイカイギ2016(事前取材)

自分たちの大学をもっと誇れるものにしたい、もっとワクワクするものにしたい。そういう想いは誰もが持っていると思います。その想いを出発点に、現役東大生・卒業生・東大職員の三者が一堂に会して「オール東大」で議論し、行動していく場として、トウダイカイギ2016というイベントが3月26日(土)に開催されます。

UT-Lifeではその運営に携わっているトウダイカイギ実行委員会の

南藤優明さん(文科一類・2年、委員長)、

福田開史さん(文科一類・2年、委員長)、

松原樹大さん(文科一類・2年、広報担当)、

中島陽太郎さん(文科一類・2年、「地方分科会」担当)、

吉田渉さん(文科一類・2年、「地域・キャンパス分科会」担当)

にお話を伺ってきました。

新入生も現役東大生もまだまだ参加者募集中なので、この記事を読んで少しでも興味を持たれた方はぜひ参加してみてください。

※当日のプログラムは事前予約制となっています。最下部のリンク先、ウェブサイトから登録をしてください。


―トウダイカイギについて教えてください。

南藤
現役の東大生と卒業生と東大の職員の三者が一体となって、どうやったら東大をもっとワクワクさせられるような場所にできるかというのを、三者の立場を超えて考えようという会議です。東大で合格者番号掲示がなくなったということが個人的にとても悲しくて、「代わりに何かやろう」という一言から始まったイベントです。

―企画の理念を教えてください。

南藤
ひとつ挙げるとすれば、「自分たちの大学を誇れるものにしよう」という想いは強く持っています。東大生にしろ、卒業生にしろ、職員にしろ何らかの形で東大に関わっていて、なおかつそれが学歴なり職歴なりとしてずっと付いてまわるものであるならば、「自分が所属しているコミュニティを誇れるものにしたい、より良い場所にしたい」という想いはみんな共通していると思うんです。だったら、その良い場所にしたいと思っているその共通項をもって集まることで、より胸を張れるような大学を創りたい。それがひとつトウダイカイギの目指すところであり、理念であるといえます。

福田
もうひとつ理念として大事にしていることが、実際に行動して変えていくというところです。東大を良くしたいという気持ちに加えて、東大生を変えたいという気持ちがあります。頭で考えるばかりではなくて、自分で行動して何かを変えようとチャレンジしてみたからこそ得られる気づきや学びがあると思うので、そういう体験をここでしてもらって、その空気感がキャンパス内に広がっていくのが理想です。

―企画しようと思ったきっかけを教えてください。

南藤
もともとこの大会にはモデルがあります。“小布施若者会議”という長野県の小布施という小さい町でやっている地方創生の会議なのですが、それは小布施の町役場が主催していて、小布施の町の人と企業の人と一般参加者と、その三者が立場を超えて地方について考えて、「どうやったらもっと小布施を面白くできるんだろうか」「どうやったら地方に面白いことをしかけていけるか」というのを会議で考えていて、それがとても面白いなと思ったんです。多様な立場の人がそれぞれ知恵を出し合ってコラボレーションして、実際そこから様々な新しい動きも起こってきました。それに去年僕は学生として関わって、その大学版ができるのではないかと思っていました。

それから、東大にはネガティブな言説がとても多いなと僕は思っていて、ハーバード大学に負けているだの教員がつまらないだの、いろんな文句をたくさん聞いてきたんですけれど、それでも僕らは東大に来たのだから、だったらその中で文句を言うだけではなくて、実際に批判より提案、こういうふうに変えていけないかという動きがもっと東大の中にあっても良いんじゃないかというのが僕の中にあります。ただその動きというのは学生だけが頑張っても意味がないし、あるいは大学の人だけが頑張っても、例えば4学期制のように、結局うまくいっていない部分もあるじゃないですか。だから、その何かが動いていく枠組みとして、立場を超えて人が集まり、東大が好きだよねとか、東大に良い大学であって欲しいよねとかっていう根本的な所からみんなでスタートする場を作ったらどうなのか。何か一歩を踏み出す場として、そのような構造の大会があったらどうなのかというのを考えて、自分なりの昔からの問題意識をこの枠組みで形にしてみようと思ったのがきっかけです。

でも、僕が最初こういうのやりたいなと思ったんですけど、どう考えても一人じゃできないんですよ(笑)。そんなに東大生の知り合いが多いわけでもないですし。そこで以前に交流会などに行って東大ドリームネット(※註:東大卒業生との交流イベントを企画・運営する東大公認の学生団体)に関わらせてもらっていたのと、あとそこの代表をやっている彼(福田さん)とは個人的に親交があって、「これやるならドリームネットの力を借りなきゃ無理だな」って思いまして、まず彼にプレゼンしに行って、それからドリームネットの他のメンバーの前でもプレゼンをさせてもらって、やろうぜってことになりました。

福田
僕は個人的な想いの話をすると、出身高校にすごい愛校心があって、そこで一緒に過ごした仲間とは今もつながりがあるし、たぶん将来に渡ってもそこに帰れる場所みたいなものになるんだろうなあと思っているんです。けれど、今は東大ドリームネットという東大に根付いた団体で活動しているにも関わらず、そういうものに東大がなるという実感があまりなくて…… 「東大を自分にとって大切な母校にしたい!」と思ったのがきっかけです。

―当日は具体的に何をするかを教えてください。

2016年3月26日(土)
9:00-9:15 開会式
9:15-10:00 パネルディスカッション「東大の魅力と可能性」
10:00-16:00 ディスカッション(「地域・キャンパス」「学び」「地方」「女子」「国際」の各分科会ごと)
16:00-18:00 発表会・閉会式
18:00-20:00 交流会

南藤
まず開会式があります。それからパネルディスカッションがありまして、ここでは今後の議論に向かう上で自分たちにどういうことができるのかを考えてもらうきっかけにしてもらいたいです。その後は「地域・キャンパス」「学び」「地方」「女子」「国際」の各分科会ごとに分かれてテーマに沿った議論をしてもらうのですが、その内容は各分科会のリーダーたちに任せています。

どのタイミングで誰を集めてどういう議論をするか、どんな形でまとめるか、各分科会のリーダーの人たちも個性的でこういうふうにしたいというのが人それぞれあるので、それを生かしつつそれぞれの形で議論してもらって、最終発表としては模造紙1枚に成果をまとめてもらおうと思っています。その模造紙だけを持って成果発表会の会場に来てもらって、模造紙を貼っていって、お互い見たり説明したりしながら、2つの基準でお互いに投票したいと考えています。「やりたい」というのと、「応援したい」という2つの基準です。票が一番多かったものを発表して詳しく説明してもらう予定です。それから成果発表会にいろんな社会人の方々をお呼びしているので、その社会人の方々からコメントしていただこうと考えています。

ただそこで表彰したりはせずに、6月に東大プロジェクトコンペというのをやって、そこでアイデアを発表して面白いアイデアを応援していく枠組みを作ろうとしています。その東大プロジェクトコンペの第一歩として、今回のいろんなアイデアについて、自分がやりたいなら自分でやったら良いし、この人のアイデア面白いなと思ったらその人がやったら良いと思っているので、そのアイデアの品評会みたいなものを成果発表会ではしようと考えています。そして最後に閉会式と決起集会みたいなものをして、せっかく来ていただいたので交流会も行う予定です。これらを1日でやるので、だいぶ盛りだくさんだと思います。

中島
ちなみに、例えば学び分科会では午前中に教授をお呼びして議論します。昼食もご一緒する予定なんですよ。

―トウダイカイギに向けてどのように準備を進めていますか。

福田
全体では週1、2回程度集まって、運営全般や卒業生への連絡、広報などについて進捗を報告しあったりコメントをしあったりしています。

中島
全体以外に分科会ごとの話し合いもあって、僕の担当する地方分科会は週2回ほど集まっています。

松原
女子分科会もできるだけオンラインではなく実際に顔を合わせて話し合いをしています。中心的なメンバーだけでなくいろんな人の声を反映させるだけでもとても意味があると思うから、できるだけ直接会って、できるだけフランクな話をしようと心がけています。

吉田
この前は僕が担当する地域・キャンパスの分科会でディスカッションのリハーサルをやってみましたが、想定通りに進まないことばかりでしたね……(笑) 議論がどういう方向に進んでいくかやってみないと分からないし。

福田
それはトウダイカイギ全体が抱えている挑戦ですね。実際にやってみないとどんなことがあるのか分からないし、誰がどんな気持ちになるかも分からない。けれでも、「やってみないと始まらないよね」というのがこの会議の趣旨でもあるので、今回第一回、正直僕らもどんなアイデアが出てきて、それがどのくらい実行されるのかって分からないんだけれど、できる限りそれをやろうとしてみて、何が出てくるのかというのを、参加者みんなが挑戦する気持ちでできたらいいなと思っています。

福田
ちなみに今、申し込みをしてくれた人が90人くらい、運営メンバーを入れたら100人を超える学生が参加してくれる予定です。新入生にも参加してほしいと思っています。

―えっ、新入生も参加できるんですか。

南藤
そうです。むしろ新入生にこそ来て欲しいと思うんですよ。僕が東大に入学した経験でいうと、やっぱり、入学する時は正直ワクワク感がなかったですね。東大というものをあまり分かっていなかったですし。けれども実際2年間いろいろ活動してくると、本当に面白い人とかスゴイ人・カッコイイ人がたくさん東大にはいて、そういう人たちに早くから出会って、さらにそういう人たちがアイデアを出して、東大をもっと面白くしていこうぜという気持ちを持って活動しているということを入学前に知れるだけでも、全然東大での生活を送るためのマインドは違うと思います。そこでたくさんの新入生にも来てもらって、自分がある意味東大を担っていくんだという気概を持って、大学生活をスタートさせられたなら、ものすごく楽しいことになるのではないでしょうか。そういう意味でも新入生歓迎企画のひとつとして位置付けても良いくらいに新入生を大事にしたいと考えています。

そして新入生も他の参加者と同じように議論に参加してもらうわけですが、新入生だからこその意見もあると思っていて、例えば地方分科会だったら、地方出身の新入生にはまだ東京の生活に慣れきっていないからこその知見もあると思うし、他の分科会でも、東大というものが分かっていないからこその意見があると思うので、そこを尊重したいと思っています。

―当日は分科会での議論の他にも、パネルディスカッションがあるんですよね?

南藤
そうそう、今回のパネルディスカッションには、自分で行動して身近なところから変えていくというトウダイカイギのメッセージに合う4名の方に登壇していただきます。今をときめくじゃないですけれど、社会で大活躍されている方々で、あの4名の方のお話を入学前に聞けるというのはすごく贅沢な目玉企画と言えます。

松原
その意味では、分科会ばかり注目が集まっているんだけれど、実はパネルディスカッションも相当アツいよね。

―トウダイカイギ後の展望について教えてください。

南藤
例えばある人が「こういうことをやりたい」と思った時に、そのやりたいと思った人が前に出てプレゼンをして、それを見た社会人の方などが面白いと思ったものにはお金を出すだとか、あるいはうちのオフィスを使って良いですよだとか、それが起業でも良いし新しい試みでも何でも良いんですけれど、そんな感じでああコイツのこと純粋に応援したいなと思える人がそのようなアイデアを持った時に応援する仕組みを作りたいです。

先ほど話した6月の東大プロジェクトコンペについては、面白いアイデアで実際にやっていこうという時に、コンペに出てアイデアをブラッシュアップしていき、資金の援助や人のつながりが提供されるものを考えています。

準備段階で苦労していることや不安に思っていること、感じていることはありますか。

南藤
これに限らず新しいことをする時って常にすごい不安に苛まれるんですよね。自分はこれが良いと思っているけれども、果たしてそれは本当に共感される理念なのか。それを多くの人に話して仲間が出来ていく中で少しずつ解消していくんですけれども、やっぱり解消しきれない部分というのがあるんですね。ただむしろ、解消しきれない部分というのは大会が成功していくにつれ少しずつ減っていくと思うんですけれども、逆にそれを消してしまうのも危ないかなと思っています。常にこれが本当に世の中のためになっているのか、東大生に受け入れられるものなのかを考えなくてはいけません。準備段階でもこれだけ多くの人の時間を割いてもらって、今回参加していただく方にも3月26日を割いてもらうわけじゃないですか、本当にそれだけの価値のあるものなのだろうか。どれだけ準備しても拭えないその不安とどう折り合いをつけるか、ですね。

福田
そういう不安は最近の僕の中では小さくなってきています。準備段階でいろんな人とやりとりをする中で、周囲に、「ああ、だんだんと熱が伝わっているな」と感じるので、「最初ほど共感が得られないんじゃないか」とか「参加者が集まらないのではないか」とかいう不安はないですね。もちろん南藤の言うように自分たちの活動の意味を疑い続けることは必要なんですけどね。

吉田
僕はこれまで東大ドリームネットでワークショップみたいなものを作ってきたつもりではいたんだけれど、そこでの目標は参加者の認識をちょっと変えたりだとか、同じ問題意識を持ったりだとか、それくらいのものでした。しかし今回のトウダイカイギでは、問題意識を共有した上でどういう解決策があってどうやって動くのか、実際に行動までつなげようという、一番レベルの高いワークショップを作り上げる必要があって苦労しています。

中島
ディスカッションのリハーサルをしていると、様々な問題意識のある人たちが集まって、いろんな視点から指摘をしてくれるので、とても勉強になるし、自分ってまだまだだなと思える機会になっています。自分が頭で考えている以上に社会の問題って複雑だなと感じました。

松原
僕は広報を担当しているんだけれど、広報はとても奥が深くて毎日が苦労の連続です。例えばウェブサイトひとつ作るにしても、まず誰に何を頼んで、そして頼んだは良いけれどこの情報が出揃っていないから各分科会のリーダーたちにこれを書いてもらって……という、そういうマネジメントがとても大変です。人に何かを魅力的に見せていくことは自分一人ではできないから大勢の人に力を借りなくてはいけなくて、そのために人を巻き込んでいくことの難しさを日々感じています。ただ一方で、広報というものは広く伝えることが目的だからいろんな人たちと関わることになるわけですが、その分いろんな人たちと出会えて、それが自分の視野を広げる機会にもなって、そういう意味では苦労もあるけど、刺激や学びがたくさん得させてもらっているなという感じです。

―最後にメッセージをお願いします。

南藤
UT-Lifeを見ている方は東大に関わるいろんな方々だと思います。学生の方だったり、職員の方だったり、様々な方がいると思います。けれどやっぱり関わっている場所がより良い場所であったりワクワクする場所であって欲しいという想いは共通だと思いますし、僕らはその共通の想いから出発したいと考えています。僕らは様々な立場があると思うんですけれど、トウダイカイギは衝突したりうまくいかなかったりする時に、原点に立ち返って腹を割って話しあえるような、もっとコラボしてワクワクできるような未来を作れる場でありたいと思っています。
そしてそういう場を作るにあたって、一人でも多くの人の「自分の思う東大」にこの場で触れるってことは、僕らの目指す東大にとって必要不可欠なものだと思うんです。
ですから、少しでも面白そうだなとか共感できるなと思う人や、あるいは自分なりに東大に意見があるという人には、ぜひ力を貸して欲しいですね。こちらとしても最高の時間を提供したいと思っています。一緒に東大を盛り上げていきましょう。

福田
自分たちが今作っていても当日何が起こるかなってとても楽しみだし、当日議論するのも絶対楽しいはずです。興味を持ってくれた人にはぜひ来てほしいです。

松原
自分の所属の垣根を超える機会って東大に入っちゃうと多くない。違う学年や学部の人と深く話してみる機会も意外と少ないのではないかと思います。だから様々な学年・学部の人が参加するトウダイカイギは、東大の中では実はとても希少な場になのではないでしょうか。

だから新入生には、大学でやりたいことはいろいろあると思うんだけれど、そのやりたいことをやっていくための起爆剤として、入学前の3月のうちにトウダイカイギに参加してみてほしい。それでいろんな刺激、「こういうことをやりたい!」というのを描く原動力になるんじゃないかなと思うので、参加してくれたら嬉しいなと思います。

トウダイカイギ2016:開催概要

  • 日時: 2016年3月26日(土) 9時・・20時(予定)
  • 場所: 東京大学本郷キャンパス
  • 対象: 東京大学の学生(新入生・大学院生含む)
  • 参加費: 無料
  • 参加人数: 学生150名・社会人40名(予定)

トウダイカイギ2016:外部リンク

公式HP:http://todaikaigi.jp/

Facebookページ:https://www.facebook.com/todaikaigi/

参加フォーム:https://goo.gl/0XC9mn