総合図書館屋上の三角点

国土地理院発行の2万5000分の1地形図「東京東北部-東京首部」で、東京大学本郷キャンパス付近の地図(http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=354242&l=1394538(国土地理院地形図ホームページ・閲覧システム))を見ると、東京大学の敷地内に三角点のマークがあることがわかります。

地形図

三角点とは、国により設置された基準点のことで、三角点の中心点がある場所の緯度・経度・標高が定められている点のことです。測量の際に、すでに位置座標が分かっている基準点として使用されます。

これらの三角点は観測点の精度や重要性などによって4等級に分類されていて、全ての等級の合計で11万点あります。

地図をさらによく見てみると、三角点は東京大学付属総合図書館と重なっていて、さらに三角点の標高は53.0mと、本郷キャンパスの標高(20m)よりかなり高くなっています。このことから、三角点は屋上に設置されているとわかります。

そこで、総合図書館にお願いして、この三角点を見学させていただきました。

三角点へは図書館5階から外に出て、さらにらせん階段を上ります。扉には鍵がかかっているため、図書館職員に依頼しないと見学はできません。

三等三角点1

三等三角点2

三等三角点3

三角点の柱石です。「三等三角点」とあります。

この写真は壁の上に登って撮影しました。この空間は縦横とも2メートル弱しかなく、また三角点柱石の周囲の壁の高さは2メートルもあり、かなり狭いところに設置されています。三角点付近で普通に立つだけでは壁が邪魔で周りを眺めることはできず、上空しか見えません。

航空写真で図書館を見てみましょう。三角点があるのはここの隙間。とても狭いところにあることが実感できると思います。

ところで、国土地理院が設置した基準点の測量成果が、国土地理院のホームページ「基準点等成果閲覧サービス」http://sokuservice1.gsi.go.jp/index.htmlで公開されています。(点の記の閲覧にはユーザー登録が必要です。)

「点の記」によると、この三角点の点名は「大学」。「東京大学」ではありません。こういうものなのでしょうか。

また、ここに三角点が設置されたのは昭和32年(1957年)で、最後に測量が行われたのが昭和59年(1984年)だというところもわかります。しかし一番気になってしまうのは、備考の「平成11年6月16日更新(笑)」というところ。いったい何が(笑)なのでしょうか……

また、基準点の測量成果によると、かつては駒場キャンパスにも「第一高等学校」という名の基準点があったことになっていますが、こちらは更新が長い間なく、かなり昔に工事などによって失われてしまったものと考えられます。

東京大学から南西に7キロほどの港区麻布台には、日本地図の経緯度表示の基準点となっている、経緯度原点があります。これが、東京大学の三角点から最も近い一等三角点となっています。


出典:1枚目の地図は国土地理院