カリキュラム(第60回調査)

入試という大きな関門を突破しても、入学後の授業について行けなくなってしまえばそれまでです。では、東大生は東大のカリキュラムをどのように評価しているのでしょうか。また、実際にカリキュラムを消化できているのでしょうか。

まず、現在のカリキュラムに対する満足度については、「満足している」と答えた学生が11.6%、「まあ満足している」と答えた学生が45.1%と、半数強の学生が満足していることが分かります。しかし、学部・科類別に見ると満足度には大きな開きがあります。例えば、前期教養課程で「満足している」「まあ満足している」と答えた学生の割合は、文科一類の45.2%、文科二類の42.9%に対し、文科三類では53.7%となっています。文科三類では、履修科目の自由度が他の2科類よりも高いことも影響しているのかもしれません。また、カリキュラムに「不満である」と回答した学生の割合が6科類中で最も高かったのは理科三類ですが、その一方「満足している」と回答した学生の割合も6科類中最高であり、いわば両極端の傾向を示しています。医学部進学がほぼ確定的となっている理科三類生の間で、前期教養課程に対する見解が大きく分かれているのは大変興味深いことです。

次に、「現在のカリキュラムを消化できますか」という問いに対しては、「できる」が31.9%、「まあできる」が46.9%と、8割近くの学生がカリキュラムを消化できていると回答しています。また、カリキュラムの消化が困難だと回答している学生の割合は年々減少傾向にあり、2010年度も含め、ここ数回の調査では横ばい状態です。この問いでも学部・科類間の差は顕著で、カリキュラムの消化が「多少困難」「困難」と回答した学生が全くいなかった教育学部から、25%を超える学生が「多少困難」「困難」と回答した法学部まで実に様々で、文理の別や授業形態・学部の規模による特段の傾向は見当たりません。

ただし、ここで挙げた理科三類や教育学部はアンケートの回答数が少なく、所属する学生全体の傾向を示しているとは限らないことには注意が必要です。

なお、報告書の中では「カリキュラムの消化度と進学振分け制度への評価」「カリキュラムへの満足度と進学振分け制度への評価」それぞれの組合せについて統合分析も試みられており、「カリキュラムの消化度」「カリキュラムへの満足度」がいずれも高ければ高いほど、「進学振分け制度への評価」も高いという関係が示されています。カリキュラムを消化できた人は満足し、消化できない人は不満を覚える、という単純な構造がうかがえます。もしかすると、「まずはきちんと勉強してカリキュラムの消化に努めましょう」という大学側からのメッセージなのかもしれません。

参考