就職(第60回調査)

将来を考える上で一つの大きな問題となる「就職」。東大生が就職する職種というと、国家公務員や研究者などが浮かびますが、実際東大生はどのような職種に就職したいと思っているのでしょうか。

まず、全体として比率が大きいのは、18.2%を占める「企業等の研究職」と17.4%を占める「大学・公的機関の教育・研究職」。続いて、「技術職」と「専門職(医師、法曹、公認会計士等)」がともに13.3%を占めています。1位と2位は前回調査(2008年)から変わらず、やはり東大生が研究志向であるという印象を受けます。ちなみに前回調査では14.2%で3位だった「行政職(公務員)」は今回8.5%で6位と順位を落としています。行政職は東大生のイメージとよく関連付けられる職種なので、これは意外だったのではないでしょうか。

また、「その職業に就きたいと考えるのは、どのような理由からですか」の回答として最も多かったのが「自分の特技・能力や専門知識が活かせる」で25.8%、次に多いのが「人を助けたり社会に奉仕できる」で18.9%でした。一方、「安定した生活が保障されている」は12.8%、「十分な収入が期待できる」12.7%、「社会的な地位・名声が得られる」は4.1%と、あまり高くありません。東大生が仕事に対して求めているものは、収入・ステータスというより、自分を活かすことや他人のためになることである傾向が高いようです。また、後期課程の学生の方が「人を助けたり社会に奉仕できる」の割合が高くなり、「安定した生活が保障されている」「十分な収入が期待できる」の割合が低くなっています。

ところで、就職に関しては文系学生と理系学生とでは志望に大きな差があります。全体で1位・2位となった「企業等の研究職」「大学・公的機関の教育・研究職」に関しては特にそれが顕著であり、「企業等の研究職」は理系27.5%、文系3.5%、「大学・公的機関の教育・研究職」は理系21.9%、文系10.2%と、ともに理系には絶大な人気を誇るのに対して文系の割合は低くなっていることがわかります。文系で研究者を志望する壁は未だ高いのでしょうか。逆に文系に人気のある職種として、「専門職(医師、法曹、公認会計士等)」が文系トップで19.2%を占め(理系は9.6%)、「事務職」(文系17.7%、理系3.5%)、「行政職(公務員)」(文系14.8%、理系4.5%)、「管理職」(文系13.3%、理系5.0%)が続きます。このように、「東大生」として同じように括られていても文系・理系の間では将来にどのような職種に就きたいかの傾向は違っています。

また、男女間でもいくつかの点で差があり、就きたい職種の項では「大学・公的機関の教育・研究職」「企業等の研究職」「技術職」で男子が女子の割合より5ポイント高い一方、「事務職」については女子の割合が男子の2倍以上(男子7.3%、女子15.1%)という結果になりました。しかし、その他の職種に関してはそれほど大きな開きはなく、また職業に就きたい理由についても大きな差がある項目はありませんでした。ただし、文系・理系に分けるといくつか大きい差が見える点もあり、例えば「管理職」志望は文系男子が15.6%、文系女子が8.3%、「専門職」志望は文系男子が21.7%、文系女子が13.7%と大きな差が出ました。また、志望理由についても「国際的な仕事ができる」と答えた割合が文系男子では6.0%、文系女子では12.4%と、文系・理系を総合した男女の差より大きい差が出ています。さらに、最初に述べた「大学・公的機関の教育・研究職」「企業等の研究職」「技術職」における男女の志望割合の差についても、理系男子と理系女子では確かに大きい差がありますが、文系男子と文系女子の間ではあまり差がありませんでした。これらの点から、男女の差についても文系と理系とでは違いがあることがわかります。

最後にアルバイトが勉学の妨げになったかどうかですが、過半数の人が「妨げになった」と感じているようです。しかし、「妨げにならなかった」と感じている人も前回と同じく4割以上もおり、やるべきことは難なくしっかりこなせるように調節している人も多くいることが見えてきます。

東大生の中にもさまざまな将来への志望の違いがあるようです。他分野の学生と進路について話してみるといろいろな違いがあって面白いかもしれません。

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