筒井健介さん

1.駒場のまちづくりとの出会い | 2.駒場は「懐かしいまち」 | 3.駒場って居心地がいいですよ


工学系研究科建築学専攻修士1年の筒井健介さんは、地域団体 「駒場文化推進委員会」のメンバーとして、駒場のまちづくりに携わってきました。今年活動開始した学生団体KOMABACKでも、学生が駒場のまちにもっと関われるようにするための活動をしています。筒井さんが駒場のまちに関わるようになったきっかけ、そして活動のこれからの展望について、お話を伺いました。


駒場のまちづくりとの出会い

―駒場文化推進委員会の発足経緯を教えてください。

僕は出身は大阪なんです。幼いころから塾に通って中高は府外の私立の学校に通っていたため、地元との縁が強くなく、むしろそういったシガラミはあまり好きではありませんでした。だからはじめは東京のピカピカしたイメージにあこがれて上京するために東大を選んだという感じですね。兄も東京に進学・就職していて、大阪に帰省するたびに、今になって思えばあれは「意識高い系」というやつだったんだなとわかるんですけど(笑)、ビジネスライクな人間になっていっていたので、東京砂漠とかとも言うし、東京って寂しい、怖いところなんだと思っていました(笑)。東京にはあこがれもあったし、怖い気持ちもあったし、だから「戦いに行く」という気持ちで上京したのを覚えています。それなのにいざ東大に入学して、駒場に来てみると、まあ緑豊かで、踏切もカンカン鳴っているし、渋谷から歩いて10分でこんな昭和な景色が広がっているのか……と驚きました。

1・2年生のときは大学にできるだけ近いところに住みたいという理由で駒場に住んでいたんですけど、住んでいるうちにその印象はどんどん強くなっていきましたね。子どもが道で走り回っていたり、飲み屋に常連客がいたり、お祭りで盆踊りをしていたり。なのでだんだんと駒場のまちが大好きになっていきました。はじめは表参道とかをウロウロしているような人間になるはずだったのに、とんだ方針転換ですよね(笑)。

でもそのときはまだまちには誰も知り合いはいなかったんですね。ところが前期教養の都市工学の授業の課題で、「まちを一つ選んでもっと良くするには」という課題が出たので、よく行くクリーニング屋のおばちゃんや、ごはん屋のおっちゃんに色々話を聞くことになったんです。その中で「興味があるんだったら商店会議参加してみな」と言われ、参加してみることにしました。

商店街の会議は良くも悪くもユルい雰囲気で、お酒を飲みながら、という感じが楽しかったんですけど、同時に、これで大丈夫かなという気持ちもありました。そういうことは他の人たちも考えていたようで、そこで主婦や定食屋のおかみさん、あとは駒場で活動していたデザイナーといった元気な若手たちを中心に商店会の企画部・遊撃のようなかたちで駒場文化推進委員会が立ち上がったんです。

―駒場文化推進委員会はどんな活動をしているのですか。

駒場文化推進委員会というのは長ったらしい名前ですが、駒場の魅力を発信することで、地域全体を元気にしていこうということが基本的なコンセプトです。委員会の最初に取り組んだことは地図を作ることだったんです。駒場には基本的に、住んでいる人も気づいていないような「いいところ」がたくさんあって、地図をもとにそういった場所やお店を紹介していけるといいなと考えたからですね。団体として何の実績もなかったので、200~300の店舗を手分けして、地図掲載のお願いをしていくのは大変な仕事でしたが、そのおかげで、普段行かないエリアの方とお知り合いになることなどもあって、いいきっかけになりました。今でも商店街のお肉屋さんなどでもらえるので、是非手に取ってみてください。もうそろそろ第二版を刷らないといけない時期ですね。

活動自体は4年目を迎えますが、今は「街ゼミ」の開催が基本的な活動になっています。「街ゼミ」とは、まちの人が持っている技能を「おすそ分け」することで、地域の人どうしが顔見知りになればいいなというものです。駒場の定食屋「菱田屋」さんに餃子教室をやっていただいたり、福祉施設の方に高齢者体験や介護体験をやっていただいたり、子供たちを集めて盆踊りを教えていただいたり、色々な人に支えてもらいながら様々なことをやってきましたが、まちの人が喜んでくださるというのは嬉しいことですね。そしてもちろん、そういった活動を通して、だんだんとまちの皆さんに顔と名前を覚えてもらって、信頼してきてもらえている気がしています。


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