猪子寿之さん、若林龍成さん

第一回目の「The東大卒」は、「ウルトラスーパーハイテクカンパニー」として多岐に渡る分野で活躍中のチームラボ株式会社代表取締役社長猪子寿之さん、ウェブサイトユーザビリティの第一人者である株式会社ビービット取締役副社長若林龍成さん。

猪子さんが起業を考えていたころ、起業家の先輩であった若林さんにアドバイスを貰いに行ったときから、話をするようになり、今でもときどきアイディアを出し合うなど、お二人の関係は続いているようです。


猪子寿之さん(写真左)と若林龍成さん(写真右)

若林龍成さん(以下、若林):
猪子さんは何で東大に入ろうと思ったの?
猪子寿之さん(以下、猪子):
僕が東大に入ろうと思ったのは、逆玉に乗ろうと思ったから。官僚になる友達をたくさん作って、将来は大企業の社長の娘と結婚して、逆玉に乗ろうとか思っていた。そのために一番有利なのが、東大だったんです。
若林:
なかなか変わった動機だね。
猪子:
龍成さんは大学院から東大なんですよね?
若林:
そうだね。僕は、大学は別のところに行っていたんだけど、4年間で嫌になっちゃって、大学院から東大に来たんだけど、キャンパス内には緑がたくさんあるし、毎日癒されに来ていたね。あと、なぜか医学部の図書館にブラックジャックが置いてあって、それを毎日読みに行ったりしていた。
猪子:
東大に入って、どんな印象でした?
若林:
まず感じたのは、全員ではないけれど、本当に頭がいい人っているんだなってこと。僕が一日かかっても理解できない難しい式を30分で理解できる人がいるってのは衝撃的だったし、うれしかった。
あと、みんな東大ってことに関して過剰にプライドが高いなと感じた。
猪子:
みんなプライドが高いばっかりに、選択肢を狭めてしまっていますよね。
若林:
就職活動のときも、どの会社に東大生が何人入ったとか議論している人がいて、でも、そこに何の意味があるのか分からなかた。
猪子:
人っていろんなものを持ってしまうと保守的になってしまうものだから、受験において一番になってしまっているばっかりに、物事を普通に考えることができなくなってしまっている人が多いんじゃないですか。
猪子寿之さん(写真左)と若林龍成さん(写真右)
若林:
テレビも新聞もそうだと思うんだけど、一流って言われている大学を出た人が中心で、彼らの周りも大企業に入ってたり、官僚になっていたりする。
ある意味偏った視点の情報を受け取って、それが全てだと考えてしまうので周りが見えなくなっていると思う。
これは東大生に限ったことではないんだけど、世の中にはいろんな人がいて、いろんな選択肢があるってことに気づいて欲しい。
猪子:
必要な産業って移り変わるものなのに、今、一番なものを選んでしまうというのは愚かなこと。アメリカの大学では、エリートというのは国の長期的な成長に貢献するために、これから伸びる産業で起業したり、これから伸びる企業に就職するもの。そういう意識が日本では特に薄いと思う。日本が豊かでいるために、何をするかという意識を持って欲しい。自分の立場を守りに入ってしまってはだめですよね。
若林:
実は、東大生って、すごくリスクを取れる立場だと思う。東大ってブランドは日本ではすごく強くて、起業して会社が潰れてもどこかに就職できるだろうし、東大生が集まって会社作りましたって言ったら底知れぬ期待みたいなものがあるよね。そういう後ろ盾があって、行動できるっていうのは大きいと思う。
猪子:
自分が起業したときも、仲間はみんな学生だし、実績もないし、人脈もないし、社会において信頼できる担保みたいなものがなかった。でも、最高学府で最先端の技術を学んできましたなんて、詐欺に近いと思うんだけど、東大生ってだけで、ちょっと信頼されやすいみたいな。
若林:
そうだね。だから東大生には、守りに入らずにどんどんチャレンジしてもらいたいと思う。