横山隆さん

1.あいさつで変わる駒場 | 2.エピソードとメッセージ


駒場キャンパスに入ると、いつも正門のところで守衛さんから「おはようございます」と声をかけられる。そんな駒場キャンパスの守衛である横山隆さんにお話を伺った。

あいさつで変わる駒場

横山隆さん

守衛の最も大切な仕事の1つは、正門での朝晩の挨拶です。これは大学からの要望もありますし、人間が生きていくには挨拶が一番大事であると私たちも思っています。学生の方が登校してくる朝は、「朝一発気合を入れて、今日も一日勉強を頑張れよ」という気持ちで挨拶をしようということで、できるだけ、学生さんに目を合わせて軽く会釈しながら「おはようございます」と言っています。授業が終わった後は、「おつかれさん。今日もがんばってきたか」と。このような挨拶を毎日やっております。学生さんも急いでいたりするのか、なかなか目を合わせてくれない人もいますが、職員さん、関係者の皆様にもよろしくお願いしますという心も含め、挨拶をしています。

こちらからできるだけ目を合わせようと努めていますが、9時前は横に10人ぐらい並んだりして、その時は3人くらいしか声をかけられません。それがどんどん来ると無理ですね。しかし、そんな時でも、小さい声であっても「おはようございます」と言ってくれる人がいれば、他の人を飛ばしてでもその人に返事をします。毎日学生を見てると、どの人が挨拶に返事をしてくるかがわかるようになってきます。そうなると、こちらから自然に声が出るようになります。

横山隆さん

4月に入ってきたばかりの1年生はみんな下を向いてしまいます。3年生くらいになってくると、目を合わせて、笑いながらご苦労さんと言ってくれたりしますが、そのようになるには2年間くらいかかるのかな、と思います。本郷キャンパスに進学した女子学生で、駒場の正門は朝来るとうれしい、と言ってくれた子がいました。それはどうしてですかと聞くと、本郷では門のところで挨拶をされることがないようです。この話を聞いて、ああ駒場では挨拶をしていてよかったと思いました。

これは教養学部報の1面にも載った話ですが、京都大学から東京大学の教養学部に赴任された先生で、駒場の正門はものすごく活気があると書いた先生がいました。挨拶をすることで活気が出るということも含め、声かけというのは大事だと思います。いろんな方が正門を通りますし、そういう人たちに、犯罪のようなものを起こしてほしくないという意味を含めた、私たちがあなたをしっかり見ていると意識させるための声かけというのもあります。

あいさつの他にある仕事

横山隆さん

守衛の仕事は他に、大学構内の見回りがあります。
 5限もしくは6限が終わった後に教室を見回り、窓や電気がきちんとしてあるか、忘れ物がないかどうかを確認して入口を閉めます。夜は大学構内を見回りますが教室内部の巡回は行いません。ただし、研究棟については夜中でも院生や教授などいろいろな人が出入りするので、3回巡回します。それでも2007年の 12月に、16号館の8階で、入り口のドアが壊されるという事案がありました。ずっと一定の場所に張り付いているわけにもいかないのでこのようなことも起こります。他の大学では、パソコンが20台盗まれ、データが流出してもめたという話があったと聞きました。このようなことのないように一生懸命やっていますが、それでも追いつかなくて起こってしまうこともあります。最近はこのような事案は起きていないので安心しています。

コミュニケーションプラザの和館で、1,2年の学生が酒を飲んで騒いで、近隣の住民から苦情が来たということがありました。自分たちは大丈夫だろうというクラスがあるようで、なかなか意思統一ができていないというような面もあります。

他には、救急車が来たときなどの対応もあります。これにはマニュアルがあるのでそれに従います。救急車は大体の場合正門から入り、これを私たちが案内します。どういう状況かどこの病院に搬送するかは救急隊が判断しますが、早く搬送するためにどの門から出た方が良いかを一緒に判断し、場合によっては普段開けない門を開けることもあります。

救急車が呼ばれるときは、現場にいる人が直接呼ぶことも、守衛所を経由して呼ぶこともあります。基本的には、救急車が到着するのは少しでも早いほうが良いので、事故の現場にいる人が救急車を呼ぶ方が、時間短縮になります。たとえば第1グラウンドからだと守衛所に来るのに3分かかります。ただこの場合、守衛所への連絡なしにいきなり救急車が来て私たちが対応に手間取ることもあります。学生が、救急車を呼ぶ際には守衛所にも連絡することになっている、というのを知らないことがあるからです。クラブやサークルの責任者が、非常時にどう対応すればよいかを新入生に伝えてくれれば、万が一の時にも、今までとはまた違った対応ができるようになるかもしれません。救急車は来ないのが一番ですが、これだけの学生がいる中で事故が起こるのは仕方ないと思いますので、クラブ・サークル活動で説明などしてもらえれば、私たちとしてはありがたいです。


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