きっと電流は身体に流れていた。

 去る月曜日。
 殊勝にも英語の授業の予習をしようと辞書を開いた私に、神は怒りの鉄槌をお下しになりました。
 これごときで辞書を使うのかと言うのか、それとも予習などするなと言いたかったのか。
 いずれにしろ、単一言語を嫌ってバベルの塔を崩した神は、しかし複数言語を学ぶ私もを崩しにかかったのだ。

 なんと悲惨な光景。
 絶句する光景。つまり絶景。
 二年に渡る受験生活を支えた相棒、面白そうなワードをチラつかせ空想へと駆り立てた真犯人の瀕死の姿を前に、僕は一つの決意を固めました。

 俺 が 直 し て や ろ う 。

 決して、修理に出すと一万はかかるからとかそんな理由ではないので。決して。

 そんなこんなで本日21時20分。天候は霧雨、湿度は髪が巻く程度、気温はわかりません。
 オペはまず液晶の背面カバーを外すところから始まります。
 これは前日の予行演習のおかげかスムーズに終わる。
 もし昨日爪を切っていたらきっとここで挫折していた。これからも深爪には気をつけよう。
 カバーを外すと見えてくる金属製の、またしてもカバー。
 即座にネジを外す。計5つ。

 この時点で液晶は右下の茶色いコードっぽいものだけで本体とつながっている。なんと頼りない命綱。

 ところで液晶の右側だけ表示されていない現状なわけですが、その境目が綺麗なので液晶が割れて浮いちゃったとかそんな感じなんではないか。
 そう素人考えをして、とりあえず怪しいところを覗いてみます。

 もっと剥がしたかったんですが、これまた怪しいテープでとめられててこれ以上いけません。
 テープ貼った上、テープの縁に接着剤までつけられちゃっちゃあさすがに剥がせないですよね。
 結局、わかったのは液晶の背面が綺麗だね、っていうことくらい。

 詰み。

 ここで一度トイレを催し、洗った手をドライヤーで完膚なきまでに乾かしきる阿呆を演じ、
 気を取り直して状況を確認します。
1.液晶浮いてるんじゃないの?
2.じゃあ押せば直るんじゃないの?
3.背面からコードとか回路を押してみる。
4.

 うおおおおおおおおおおおおおお!!!!

 たぶん練馬区で直ったよ直ったよおおって叫ぶ声を聴いたならきっと僕です。
 窓開けてたの忘れてた……

 でも、押さえたところを離すとやっぱり液晶は消えちゃう。
 ってことでなんか詰め物をしてカバー付けたかったんですが、電気流れるし、発火したら冗談ではなく大事なので困りました。
 ……物事はうまくいかないですね。
 それでも諦めきれなくて、あ言っておきますけど諦められないのは愛用の辞書であって一万円じゃないですからね、本当。
ってことで30分くらいは電池を入れたまま回路に直接手を触れてぐちゃぐちゃしてました。

 あるところを押さえると右だけじゃなくて全体が消えちゃうとか、あるところを押さえると全体が黒く染まるとか、なんだか面白い。
 面白かったから写真取るのわすれてました(笑)。皆さんご自分でやってみる機会があればお試しあれ。

 さて。
 ってことを繰り返してですね。
 ふと液晶を見たらですね。

 なおってるんですよこれが!!

 びっくりして思わず直った直った直ったよ直ったよおおって叫んじゃったので練馬区で(以下略
 相変わらず窓は開いてました。近所の皆さんすいません。

 そういうわけであんまり衝撃を与えないようにネジを締めて、金属カバーして、プラスチックカバーして、再び電源を入れる。

 な、なおりましたあああ

今回の修理を経て感じたこと、まとめ。
・いじったら直った。
・きっとまた壊れる。