進振り座談会

座談会

東大の文系の学生の中で、ほとんど文三の学生のみの関心事と思われてきた進学振分け。2008年度の進振りからは「全科類枠」が登場し、もはや文一や文二の学生も進振りに対して無関心ではいられなくなってきたのではないでしょうか。

2008年5月某日、これから進振りを向かえる後輩達の役に立てればと、後期課程に進学した3年生(2006年度入学生)を中心に6人の学生が集まって「進振り座談会」なるものを開きました。進振りの結果の分析に始まり、これから進振りを迎える後輩達へのアドバイスまで、実に様々な話が飛び出した模様です。


≪ 前のページへ | ページ1 | ページ2 | ページ3 | 次のページへ ≫


参加者紹介(敬称略)

  • Y.W.【司会】(2006年度入学・文科三類出身・文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程3年)
  • Y.O.(2006年度入学・文科一類出身・法学部第2類3年)
  • D.T.(2006年度入学・文科三類出身・文学部行動文化学科心理学専修課程3年)
  • K.N.(2006年度入学・文科三類出身・教養学部地域文化研究学科アジア地域文化研究分科3年)
  • S.M.(2007年度入学・文科一類2年)
  • H.I.(2007年度入学・文科三類2年)

文系学部への進学者の傾向・分析

法学部

各科類→法学部の進学者数の推移
科類 2006 2007 2008
文一 431 418 400
文二 3 1 3
文三 4 6 11

Y.W. まずは法学部から見ていこうか。基本的に法学部に進むのは文一の学生がメインだけど、進学者数は2006年度・2007年度・2008年度の順に、431・418・400と変わっているね。微妙に減ってはいるけど、大して変わっていないのかな?

Y.O. 入試の段階での文一の定員が420人ぐらいだから、2007年度まではほぼ100%の人が法学部に進学していたことになるけど、2008年度はちょっとダメだった人がいるんじゃないかな。ごくわずかに、行きたいけど行けない人がいるっていう。

Y.W. 文二からの進学者数はあまり変わってないんだけど、文三からの進学者が増えている感じがする。4・6・11って。2008年度から全科類枠ができた影響なのかな?

D.T. いやー全科類って素敵だよね(笑)。

K.N. 実際全科類ってアツいよね。

S.M. 何だかんだで文三生は点数を稼いでるから、全科類で法学部に行けるようになったんですよね。

Y.W. 文三から法学部に行った人たちの底点(編注:ある枠において最低点で内定した人の点数。この点数より自分の成績の平均点が高ければ、その枠に入ることが可能であったといえる)を見てみると、2007年度は文二・文三から5人のところで、文三の底点が88.5。2008年度は全科類の文三の底点が 86.0。若干点数が下がったけど誤差の範囲かな。やっぱり文三の人は頑張って点数を取りにいってる分、入りやすくなったのかな。

経済学部

各科類→経済学部の進学者数の推移
科類 2006 2007 2008
文一 0 0 0
文二 339 344 270
文三 6 8 43

Y.W. 続いて、経済学部。2007年度から2008年度にかけてガクンと人数が減っている。

Y.O. やばいね。

D.T. 普通にひでーなこれ。

Y.W. 文二が全員経済学部に行けるわけじゃなくなった。

D.T. 文学部に流れてる感じだね。

Y.W. そうそう。

S.M. うちのクラスで「やばい」って言って、2年の夏学期なのに17コマ取ってる文二の奴とかいますよ。

Y.O. うちクラスで2人経済からサヨナラしたよ。

一同 あーーーー。

S.M. 経済学部狙ってたのに?

Y.O. 狙ってたというか、努力はしてないんだろうけど。「なんか経済出してみたら、案の定行けなかったね」みたいな。

D.T. 1つ上の先輩(編注:2007年度進学)の情報だけだと、文二は頑張れば法とか教養とか他の所に移れるけど、できない人はそのまま頑張らなくても経済行っちゃうよって感じだったらしい。だから、そういう話を鵜呑みにして、制度が変わることを知らないまま進振りに臨むと、こういう結果になる。全科類の出現でこういうことが起こりうるのを予想できなかった人たちが残念だね。

Y.O. 残念すぎる。

S.M. それで今度進振りを迎える僕たちにはプレッシャーがかかっていて、「ホントに文二生やばいぞ」みたいな話をオリ合宿(編注:オリエンテーション合宿。新入生が入学早々に、2年生の引率によって合宿へ行き、クラスの親睦を深めるというもの)の時から先輩に聞かされてるので、ひょっとしたら今年のほうが底点が上がりそうというか、全体的にレベルが上がってるのかなという感じはしますね。

文二・文三→経済学部の底点の推移
科類 段階 2007 2008
文二 指定科類 第一 59.1 73.4
文二 指定科類 第二 65.2 69.0
文三 指定科類 第一 84.2
文三 全科類 第一 78.2

Y.W. なかなか文二生も大変になったもんだね。それで、文二→経済の第一段階の底点の推移を見てみると、2007年度が59.1。

D.T. 第一で!?

K.N. 落ちるほうが難しいじゃん。

Y.W. それが、2008年度は73.4。

一同 おー。

D.T. 59.1ってさ、不可がなければいいみたいな数字じゃん。

Y.O. 第二段階はどうなの?

Y.W. 2007年度が65.2。

Y.O. 上がるんだ。

Y.W. 2008年度だと69.0。第一段階ほど開いてない感じだよ。それで、文二が大幅に減ったのと対照的に、やっぱり文三が増えている。

D.T. 教養こぼれの人が多いんだよね。教養学部目指してたんだけど、希望を出した段階で行けそうになくなったから経済に切り替える。最後まで経済に行くか教養で出すかで迷ってる人が多かったから、それは教養こぼれの人たちだよ。

K.N. うちのクラスも、教養か経済かで迷ってる人たちが多かった。

D.T. 文一・文二は初めから教養を考えてない分高い点数を狙う人が少ないし、流れるとしたら経済じゃなくて文学部になるんだけど、文三は教養を目指して高い点数を取ってる人が多くて、そういう人たちが経済に流れやすいんだよね。もっとも、文三でも俺みたいなできない奴らは、文学部のどこに行けばいいかみたいな感じだけど。

Y.W. 一応文三→経済の第一段階の底点を見てみると、2007年度が84.2で、2008年度は78.2。

D.T. 下がった。

K.N. その80点って、結構壁があるんだよね。70点台後半は結構取れるんだけど、80点台に乗せるのは難しいから、これは点差以上に大きいよ。

H.I. 80点と85点の間の壁もまた大きいですね。

D.T. 平均80ってことは単純に全部優ってことだろ? 大変だと思うよ実際。

文学部

各科類→文学部の進学者数の推移
科類 2006 2007 2008
文一 2 1 5
文二 6 9 21
文三 313 312 266

Y.W. じゃ、次は文学部ね。基本的には文三が進学する所なんだけど、それにしても行く人が少なくなったねーこれ。

S.M. やっぱり法学部や経済学部に流れたからというのがあるんですかね?

Y.W. うん、流れてる。

Y.O. 経済への流れが半端じゃないよね。

K.N. てか、文三から経済に行った人の分がそのまま文学部から減ってるよね。

Y.W. 別に文学部は定員をそんなに変えてるわけじゃないのに、単純に人気がなくなってるだけという。

文三→文学部の学科別進学者数の推移
学科 2006 2007 2008
思想文化学 59 66 56
言語文化学 79 85 75
歴史文化学 87 73 59
行動文化学 88 88 76

K.N. それで一番減ってるのが歴史文化学科というね。

Y.O. 歴史ひどいなー。

D.T. どうにかしてよ。

Y.W. 87・73・59と。

S.M. 文二生が担ってますね(笑)。

D.T. 確かに、文二から歴史に行ったのが0・0・7だ。個人的には、行動文化学科が88・88で来たのに76になってるのが気になる。

K.N. あー、確かに減ってる。

S.M. 文二も文一もあんまり増えてない。

Y.O. 純粋に定員割れってこと?

D.T. 全科類が導入されても定員割れしてる専修課程があるわけ?

Y.W. やっぱりあるよ。うちの国語なんかそうだし。

D.T. でもイン哲(編注:思想文化学科インド哲学仏教学専修課程。例年定員割れを起こすほど人気は低いが、裏を返せば点数は低くても必要な単位さえ揃えばほぼ確実に進学できる。著しく成績の悪い学生が最後の選択肢として選ぶような進学先の代名詞として東大生の間で有名である)って人気あるんでしょ実は。

一同 マジで!?(笑)

Y.W. 一応、イン哲の進学者数を見てみると、2007年度が3人。

Y.O. そのうち1人が78点で……。

D.T. 定員割ってるのに78点だよ!?

K.N. クオリティ高いな。

Y.O. 優秀なのにイン哲に行きたいっていうよく分かんない人がいるんだね。

Y.W. 2008年度も文三から2人入ってて、こっちは底点が61.8。基準点が68。

D.T. 定員は何人?

Y.W. 指定科類枠で5人、全体で10人。

K.N. 定員が満たされることはないよね、文学部は。

Y.O. 行きたい所に行ける感じなのかな?

Y.W. 行動文化学科は人気が集中してて定員に達する所が多いけど、それ以外のところは大抵定員割れするね。

D.T. 皆趣味がバラバラだから。

H.I. 文学部は趣味が多すぎるから。

K.N. 決めきれない人が社学(編注:行動文化学科社会学専修課程)に行くというのもあるよね。社学は実際何でも研究できるし、僕一時期それで迷ったことがあったから。

教育学部

各科類→教育学部の進学者数の推移
科類 2006 2007 2008
文一 0 2 0
文二 0 1 4
文三 87 85 81

D.T. 教育学部はあんまり変わってないね。教育も全科類枠導入されてるんだよね?

Y.W. うん、全科類が導入されて、それぞれのコースで2,3人程度は全科類で入れるようになってる。

S.M. 教職科目って、教育学部の専門科目なんですよね? うちの文一・文二のクラスに教職取ってる奴いないなーって思って。点数いい奴はいい奴で週2 コマぐらいでダブルスクール行ってて、悪い奴は悪い奴で総合科目を取りまくってるから、皆教職を取ってないみたいな。だから結果的に文一や文二から教育にはあまり流れないのかなって。

D.T. でも教育に行かなくても教職は取れるからね。指定された科目を取ってれば大丈夫なんだよ。文学部に行っても他学部聴講できるし、2年の冬学期に教職科目を稼ぐ人とかもいるし。

K.N. 教員になりたいから教育学部に行くってわけじゃないんだよね。

文三→教育学部各コースの底点
(2008年度・第一段階)
コース 底点
教育学 指定科類 75.8
比較教育社会学 指定科類 77.9
教育心理学 指定科類 84.8
学校教育学 指定科類 78.0
教育行政学 指定科類 76.8
身体教育学 全科類 68.5

Y.W. 東大の教育学部は、教員養成じゃなくて純粋な教育研究に重点を置いてるからね。ともかく、人数的には教育学部はあまり変わっていない。一応底点を見ておくと、皆軒並み70点台後半以上は取っている。特に一番人気の教育心理学コースだと、2008年度は文三からで84.8とか。

K.N. マジで?

S.M. 何人入ってますか?

Y.W. 文三からの指定科類枠で8人。

D.T. 教育心理だと臨床系のことができるから、スクールカウンセラーになりたい人が目指すんだよね。文学部の心理学専修は認知脳科学みたいな感じで、脳の仕組みを勉強する所だから。

Y.O. あ、そうなんだ。

D.T. 臨床系のことやりたい場合はむしろ教育心理に行ったほうが、大学にいる間はできる。実際に資格取る場合はほとんど関係ないけど。何か最近流行りなんだよね、スクールカウンセラーとか。

Y.W. で、身体教育学コースだけはちょっと他のコースと性質が違っていて、2008年度は全科類枠でしか取っていない。

K.N. 指定科類枠はあるけど人が来てないってこと?

Y.W. いや、そもそも指定科類枠が存在しなくて、本当に全科類しかない。

Y.O. どの科類でも関係がないってことだね。

D.T. てかやってることはスポ身(編注:スポーツ・身体運動実習。前期課程の総合科目の1つ)みたいなもんだろこれ(笑)。

Y.W. ここは、2008年度の文三からの底点が68.5。

D.T. 結構高くね?

Y.W. まあ、結構高いんだけどね。

教養学部A群

各科類→教養学部A群の進学者数の推移
科類 2006 2007 2008
文一 9 8 6
文二 15 20 21
文三 60 56 55

Y.W. 次は教養学部にいってみよう。ここではひとまず、教養学部の中でも文系的な内容を扱っているA群を見てみるね。……見た感じ人数としてはあまり変わってないね。

K.N. 教養って元々傍系進学の枠がなかったし、新しい制度になっても全科類がないんだよね。だから人数が変わるはずがないんだよ。従来通りの進振りをやってる感じで。

D.T. 逆にシビアな世界だな。

Y.W. 全科類枠はないけど、その代わりそれぞれの科類から何人という取り方をしてるのかな?

H.I. A群は文系の科類に対しては指定科類枠がありますね。

各科類→教養学部A群の定員
(2008年度・第一段階)
科類 定員
文一・文二 26
文三 36
理一・理二・理三 8
教養学部A群各学科・分科の定員
(2008年度・第一段階)
学科・分科 定員
文化人類学 6
表象文化論 6
比較日本文化論 6
言語情報科学 6
地域文化研究学 32
総合社会科学 25

K.N. 教養の進振りって複雑でね、A群だと文一・文二のトップ26人がまず内定をもらって、そいつらが学科に振り分けられて……。

一同 へ?

K.N. だから文一・文二の人たちが教養行きたいって志望を出すでしょ。志望を出した人のトップ26人が内定をもらうわけ。で、それぞれの学科の枠にポンポンと入れてかれて。

D.T. で、残りの定員を文三で取るんだね。

K.N. 違う違う。文三も同じように、この場合は36人取るわけでしょ。36人取って、彼らが行きたい学科に振り分けていく。

Y.O. じゃあさ、例えば文一・文二のトップ26人が全員文化人類学(編注:超域文化科学科文化人類学分科)に行きたいって言ったら、どうなるの?

K.N. そういう場合は多分、文一・文二からまず取って、そこで行きたい奴らの中でトップ6人を決めていく感じ。

D.T. 後から分けるんだね。

K.N. だから何って言ったらいいのかな、後から分けるといえば後から分けるのかもしれない。だから文三から36人で……。

Y.O. あっ、分かった。東大の中で文化人類学に行きたい6番目に入ってたとしても、それが文三で教養に行きたい人の中で36番以内に入れないと、文化人類学に行けないってことか。文化人類学には点数の悪い人が他の科類から入っちゃって。

K.N. そういうことそういうこと。

D.T. じゃ両方の条件を満たしてないと入れないってことか。

一同 ……難しーい!!(笑)

H.I. でも実際は第一段階でも文化人類学とかは定員が埋まらないですよ。

K.N. 表象文化論はギリギリ埋まってるな。比較日本文化論と言語情報科学は埋まってないもんね。地域文化研究学も埋まってないし、総合社会科学は埋まってるね。やっぱり教養学部の中でもどこに行きたいかというのは重要だね。教養って確かに難しいけど……。

H.I. 難しいことに変わりはないですけど、その中でも学科によって結構ばらつきがありますからね。

D.T. 結構イジワルだね。

K.N. システムを理解するのに時間がかかる。

D.T. どんだけ点数がよくっても、両方の条件を満たせてない人たちは落とされるわけだからね。

K.N. 国関(編注:総合社会科学科国際関係論分科)とかは競争激しいから、そういう人多いんじゃないかな。総合社会の点数高いでしょ。

H.I. 見たところ国関は総合社会で全部取って、だから総合社会に全部集中するんですよ。

K.N. で、その総合社会科学科に入った後に「分科届」ってのがあって、国関と相関社会科学の分科に分かれる。確か3分の2が国関に行くんだっけ。僕も地域文化で志望を出して通った後に、アジア分科で出した。

H.I. でも超域文化科学科だけは最初から全部分科ごとに志望を出してしまうという。

K.N. そうなんだ。

Y.W. 難しいなー教養。

K.N. だから志望集計の段階で、出した奴の点数を見て、自分が足りるか足りないかの判断をするっていうのが一番簡単な理解のしかただけど。


≪ 前のページへ | ページ1 | ページ2 | ページ3 | 次のページへ ≫


進振り座談会トップへ戻る
進振り座談会(理系編)へ

関連リンク:進振りシミュレーション
進振り体験談

掲載日:
担当: ,