大学の試験の成績開示

授業を履修すると必ずついて回る成績。特に教養学部前期課程では履修した授業の平均点が進学振分けの結果に直結する訳ですから、成績こそが学生の最大の関心事、といっても過言ではないはずです。幸いにして、2006年には前期課程向けのUTask-Web、2008年には後期課程・大学院向けのUT-mateがそれぞれ運用を開始(詳しくはこちら)し、学生はインターネットに接続されていれば成績発表後速やかに自分の成績を知ることができるようになりました。ところが、以前このコラムで紹介したように、こうしたwebサイトで公表されるのはあくまでも「優(80点以上)」「良(65点以上)」「可(50点以上)」「不可」といった評語と取得した単位数のみ。100点満点の得点をオンラインで知ることはできないのです。

しかし、得点を含む自分の試験の成績は東京大学が保管する個人情報にあたるため、「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年五月三十日法律第五十九号)」に基づく個人情報の開示請求をすることによって自分の得点を知ることができる場合があります。特に前期課程の場合は教養学部が「成績原簿」と呼ばれる資料を作成・保管しているため、これを開示してもらえば自分の得点を知ることができるのです。

手続きの場所は本郷キャンパス第二本部棟にある情報公開室。以前は入学試験の成績開示の申請もここで行われていたためそれなりの知名度があったのですが、入学試験の成績が申請なしで公開されるようになってからはあまり知られることが無くなってしまいました。

情報公開室では申請用紙に記入し、300円の開示請求手数料とともに提出します。この際には本人確認書類の呈示も合わせて必要となります。手続き後およそ30日で「開示決定通知」が郵送されてくるため、これに同封されている「開示実施申込書」に自分の希望する開示の方法を選択して返送します。開示の方法としては資料の複写を郵送してもらう方法、そして原本を閲覧する方法の主に2通りが存在しています。この方法で入手した成績表は一見するとwebサイトで出力した成績表と大差ありません。しかし、良く見ると評語が書かれていた欄が点数の数字に置き換わっていることが分かります。前期課程の学生はこうして入手した成績表を基に現時点での平均点を計算し、希望の進学先に行くための戦略を練っているのです。

ここまで前期課程の成績を例にしてその手順をお伝えしましたが、実は後期課程・大学院の場合はそうそう簡単には行きません。というのも、前期課程の例で言う「成績原簿」に相当する資料は各学部によってまちまちで、そもそもこうした資料にも評語しか記載されない学部も多々あります。そのため、後期課程の得点を学生が知ることは(学部にもよりけりですが)ほぼ不可能、ということができるのかもしれません。もっとも、既に進学振分けを終えた後期課程の学生にとっては、成績よりも卒業に必要な単位数を確実に取得しているかどうかの方が重要なので、成績を開示してもらう必要性は前期課程の学生に比べると低いのかもしれませんね。