全科類座談会


1. 講義編 | 2.進学振り分け編


進振りについて

各科類からの進学内定者数とその割合

司会:ついに進振りについてです。だいたい資料の斜めのラインに集中してますね。

理一:法とか経済ってこの中でコース分けあるんですか?

文一文二:ありますね。

文一:ただ法学部は、進振り段階では特に無いですね。1類2類3類あるけど点数関係なく自由に選べるので。

文二:経済学部も進振りの後に経済・経営・金融の中から自由に選べて大体希望が通ると思います。

文三から文学部・教養学部への第一
段階の底点の例(2010年度実施分)
学部 学科 専修課程 点数
行動文化学 社会学 78.2
思想文化学 哲学 62.5
歴史文化学 日本史学 62.5
超域文化科学 表象文化論 83.5
地域文化研究学 83.4
総合社会科学 83.5

文三:文学部は専修まで全部決まりますね。それによって点数もぜんぜん違います。社会心理とか社会学とかの人気学科以外、例えば「何々文学」とかの学科は、底割れ(編註:募集定員より希望人数が少なく、進級条件を満たせば何点でもその学科に進学内定できること)しているところが多いんですよ。
 そのぶん、教養に行けるか行けないかで悩んでる人が周りに結構いましたね。文学部だと50点しかいらないけど、教養学部だと80点いるというぐらいの違いがありますから。そこは自治会に改善していただきたい点ではありますね(笑)。

各科類から医学部への第一段階の
進学者数(2010年度実施分)
科類 医学科 健康総合科学科
文一 0 2
文二 1 0
文三 1 5
理一 1 1
理二 10 11
理三 63 0

理二:文三から医学部が多いんですね。看護学科?(編註:正しくは健康総合科学科)

文三:だと思いますね。たまに医学科に行く人もいます。

理二:生物でセンター試験受けてる人もいますからね。

司会:いざ表にまとめてみると、全科類あるからいろいろバラけてるかと思いきやぜんぜんそうでもないんですね。

理二:一番ばらけているのは理二ですね。農学部が一番多いですけど。理二から枠(編註:進学振り分けには各科類から一定人数を受け入れる指定科類枠と科類を指定しない全科類枠があり、その指定科類枠のこと)もあるし、医学部が多いのも特徴ですかね。

司会:理二から医学部医学科へは10人は枠があるから少なくとも10人は進めますね。いわゆる医進です。

理二:90点で行けますし。

理二:こうしてみると文一・二・三から理学部薬学部が全然いないっていうのはどうしてでしょう。

文二:あーゼロですね。

理二:化学系にはちょっとって感じもあるんですかね。

文二:工にはいますけど。

理一:社会基盤とか文系に近い学科がありますからね。

文三:システム創成学科とかもそうですよね。

司会:農学部も農業経済とかありますからね。

理二:あれはやってることが完全に経済学部と同じって聞いたことがあります。

文二:昔は枠がありましたが最近は点数が変わらないんでしょうか。

司会:こうしてみると理二は全ての学部に誰か行ってるんですね。

文二:それも1人とか2人とかじゃなくてそれなりにいる感じですね。

理二:教養はどこからでも結構取ってますね。まんべんなく人が来てる感じがします。

司会:文系と理系と両方あってどこからも枠がありますから。大きく3つあって理系しかとってないところと文系しか取ってないところと両方とっているところがあって、学部でまとめるとこうなりますけど、中まで見てみるともっとわかれていますね。

理三:到着。

H.M.(以下 理三)遅れました。理科三類中国語選択のH.M.です。

司会:理三は人間総合科学が必修になって、それに伴って取得すべき総合科目の単位が2単位(編註:原則として1コマ分)少ないだけで他は理二と同じで良いんですよね?

理三:そうですね。その人間総合科学は、医学と他の分野の連携を紹介するという講義で、脳科学やってる人とか音響で人の脳の反応を利用した作品だとかいろいろな分野の人を呼んできて面白かったですけど、テストは適当に感想書けば単位きましたし、面白かったです。
 東大の医学部は結構そういうことやってて、この間終わったんですが、必修で医学の原点っていうオムニバスの授業もありましたし、他の分野も紹介してもらえるからリベラルアーツが身についていいんじゃないかと思います。
 進振りといえば文二から経済ほどじゃないけど年々点数があがって、今年は第一段階が高くて78点くらいでした。最初すごいびっくりして焦りましたが、勉強してないグループもたくさんあったみたいで、第二段階はあまり変わらずにすみました。発表された人数を足すと定員を超えていますから多少点数が低くても取ってくれるみたいです。

理一:工学部も確か200人くらい水増ししてた気がしました。定員945に対して入ったのが1100人とか言っていました。

司会:理学部もちょっと多めに取ってたような気がします。

文一:表を見ると7人増えてますね。

理二:全科類から医学部に行ってますよね。

理三:文二からも来ましたし、去年入ってきた文三の人もいて、彼は一回降年して同じ学年になりましたけど。勿論理二も多いし理一もいます。文一からは聞かないけど、表を見るといるようですね。

理二:健康学科じゃないかと思います。

理二:理三からは健康学科はいませんよね。

理三:今年は工学部に行った人がいました。数学科に行った人もいましたし。その人は好き好んでいったのかも。

理一:数学科は毎年いたりしますよね。それと灘の上位陣は理三理三理三理三ってすごいですよね。

理三:理三はみんな勉強します。追試で受ければいいという発想は一切なくて、死に物狂いになります。昨日も名前書いて帰っちゃったけど一人だけでした。寂しかったです(笑)。ほっといても医学部いけるのに94点とかとっている人もいて、「お前理三受けなくてよかったやん」と言いたくなりました(笑)。

理一:そういう点数はこっちに分けてくれないと……。

理三:優3割(編註:教養学部ではどの講義でも優(80点以上)は全体の3割程度という取り決めがある)といえば、うちのクラスは優秀すぎてひどかった(編註:前述の優3割規定により、良い点数が取りにくいということ)ですよ。おかげでチャイ語(編註:中国語のこと)単位落としかけました(編註:優がもらえるかはクラスが優秀かに依存するが、それ以外はその限りではない)し。それは違うか(笑)。

文三:雰囲気もありますし。

理二:クラスが優秀すぎるとシケプリが集まりやすいかわりに優は取りにくいですね。

理一:でもクラスが悪いと単位すら危ういですよ。みんなで落ちれば怖くない(笑)てなっちゃいますし。

理三:医学部といえば医学に接するっていう全学体験ゼミナールがあって、理三生は準必修みたいな扱いですが、これは内容が濃くて面白い授業だから他の科類も取るべきだと思います。でも受講者が少ないです。手術の見学とか普通できないでしょ。俺のときは人工肛門の手術で、入ったらおじいちゃんが開脚してて、前から後ろからトンネルの突貫工事みたいなことして最終的には穴があくっていうのを見せてもらって、貴重な体験でした。

理二:確か経済は全科類枠ではそれぞれの科類の総数の6%までしか行けないそうで。文三はそれで困ったりしてたんじゃないですか?

文三:身近に経済に行きたいって人がいなかったから良く分からないけど……悩んでる人もいたのかもしれません。6%ぎりぎりいますし。

文二:確か第一段階で埋まってましたし。

理一:事実上文三に対する制限ですしね。

理二:これは経済学部側からの理系にきてほしいってアプローチかですかね?

文二:そうですね。意図が見え透ける気がしますね、やっぱり。

司会:理系から経済学部には、それなりに行ってるんでしょうか。

文二:あわせて5%くらいですね。文二から経済学部に来た人は駒場のクラス単位でまとまったりするけど、理系はそれがないから理系で集まって勉強会とかしようって流れはあるみたいですね。

理一:そうか文二の4分の1は経済に行けないんですね。

理三:それで、仁義無き戦いが繰り広げられてるんじゃないの?

文二:1,2学期遊びすぎちゃった人たちはやってるみたいですね。

司会:文二の76%いけますからね。

文二:点数十分な人は3学期必修2つだけって人もいます。

理三:文二ってそんな余裕がある場所なんですか?

文二:ちゃんとやってれば……。

理三:新入生としては楽しい学生生活が待ってるって思ってるけど、実は経済学部はこういうところだ、みたいなことはありますか?

文二:4学期は経済はずっと1323という大教室で月から金までずっとこもっているので正直つらいです(笑)。外の空気を3学期のうちに吸っておくといいと思います。

理三:文学部は文三の羨望の的なんですか?

文三:文学部は点数無くてもいけるから羨望の的にはなりようがありません。でも細分化されてるから、ただ単に文学部に行きたいじゃなくて何学科に行きたいって話す雰囲気はありますね。でも本当に私は、今でも物理とか化学とか取ってるし、文学部に縛られてる人はあまりいませんよ。人文に縛られてる人はそんなにいないというイメージがありました。

理二:文一は法学部以外選択肢ないかなって雰囲気あるんですかね。

文一:後期から入った人が文一を選んだから、文一は3〜40人増えて、法学部の底点が5点くらいあがったはずです。

理二:理一の人数が多いのに比例して理一は工学部が一番多い感じですね。

理一:3分の1は工学部生ですよ。理一は学年に1000人いますからね。まあ工学部生は一番安田講堂に近いですしね(笑)。(編註:工学部の建物は安田講堂周辺に多い)

まとめ

司会:他の科類の話を聞いて、自分の科類はこういう科類ですというまとめをお願いします。

文一:文一はピンからキリまでいます。上の方は伊藤塾(編註:法律系資格試験・公務員試験の受験指導を行っている学校の一つ)取ってますとか自主ゼミやってますといった様子です。
 一方、下の方は点数やばいって言ってる感じです。点数一番上だからみたいなので入ったけど、入ったら法律目指す人が意外と多いです。勝手に法学部に決まってるって人が多いんじゃないかと思います。ちゃんと点数取ったら意外と自由かもしれません。

文二:文二は文系として、理系と比べて必修とかの縛りもあまりなく、また文一で法学部行きたい人に比べて専門科目もないから3学期は自分の好きなように時間割が組めるんじゃないかなと思うので、経済の他にも自分の興味がある分野の教科をとることができるんじゃないかなと思います。

文三:文三はそれこそほんとに必修の縛りがあんまり無いというか適当にしてくださいみたいな科類で、文学部に行きたくない人にはシビアで点取り競争みたいに言われています。
 教養に行くのに文二からは5~60点で良いのに文三からは80点とか必要です。でも授業は好きにとって良いし、割と教養学部を謳歌できますね。リベラルアーツを学べる科類ではないかと思います。変な人も含めいろんな人がいますしね。

理三:文二から教養に行くのがそんなに簡単だなんて思いませんでした。

文三:文二では落ちこぼれみたいな扱いらしいですからね。経済に行けなくて教養にという人もいるし、戦略的に文二から教養の人もいますし。教養に行きたい文三は歯がゆい思いしています。国関・相関(編註:教養学部総合社会科学科のこと)とか高いですし。女子も多いですし、文三にいると東大女子少ないっていう実感がわきません。特に私はフラ語ですし。下クラは女の子のほうが多いですから。
 結局、個人的な見解ですが、科類はどうでもいいっていうのが前期のモットーなので、その辺を新入生には謳歌してほしいです。クラスだけが生活の中心ではないと思いますね。ということで、縛りがないから、文系に来るなら文三お勧めですね。

理一:理一は男子校みたいなものだからね、入ってるうちに街行く女の子がみんなかわいく見えてくるという素晴らしい利点を持ったところです。まじめな話もすると理一も工学部も全体の3分の1を占めるわけで、俺らは自分たちで東大のメインだって言ってるわけで、そう自負してるような科類です。理系のほとんどは工学部なわけですし。俺たちが一番強いと思ってるから(笑)。
 特に理学部とかは今の研究が100年後に繋がるとか最先端研究して将来いつ繋がるか結構先の話とかそういう感じですよね?だけど、工学部はそれを、言ってみれば産学の橋渡しみたいな感じで、今できることをどんどんしています。そういうことに楽しみを感じられるなら工学部と、それに進む理一はいいんじゃないかなと思います。あと男子校好きな人、理一は楽しいよ(笑)。

理二:理二は科類を見るとどこにでもいける科類ということが見てとれるので、理系の学生は迷ったらとりあえず理二にくればいいんじゃないかなと無責任なことを言ってみたり。学科によっては理一じゃないと難しいところもあるけど……。あとは理三から刺激を受けられるし、理一みたいに男子校じゃないので楽しい学生生活を送れるんじゃないかと。

理三:サークル入ればいいけどね。

理二:ゼミとかね。

理三:さっき言ったとおりそこそこ点取ってれば医進できるし、他と比べたら点数の条件は緩いです。みんな元々成績良いから、1学期は特に勉強しなくても優来たとか言うけど、2学期とか3学期はまじめにやった方がいいというのは僕の経験からです。
 数学科行く人もいたし、理三入ったから医学部ってだけじゃなくて、なかなか受験につぎ込んできたエネルギーを考えると難しいかもしれないけど、せっかく教養学部に来たんだからいろいろな進路考えながら、学校こなくても良いけどいろんな世界を見た良いんじゃないかなと思います。理三は鉄門(編註:理科三類及び医学部の学生のみからなる運動サークル)に入ってる人が多くて他と孤立してる印象があるので、サークルとかに首突っ込んでみたら良いんじゃないかなと思います。

司会:では、これで全科類対談を終わります。今日はお集まりいただきありがとうございました

おわりに

全科類対談いかがだったでしょうか。東大生でも他の科類のことはよく分からないことが往々にしてあるものです。僕もこの対談で初めて知ったことがいくつもありました。この対談が科類の違いを理解する一助になれば幸いです。


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