中国語

初修外国語として開講される中国語は、中国で「普通话」と呼ばれ、北京語を基に中華人民共和国の共通語として制定されたものです。

中国語には時制という概念がなく、語形の変化もありません。それゆえ文法に関して学ぶことはそれほど多くありません。時間や受け身、完了などを表すには、その意味ごとに特定の語句を挿入すれば十分なのです。すなわち、重要なのは文法というよりはむしろ語法と言えます。例えば、完了を表すには動詞の後に「了」を挿入し、昨日の出来事を表すには「昨天」という語を付けます。つまり、「我吃饺子」は「私は餃子を食べる」、「我吃了饺子」は「私は餃子を食べた」、「昨天我吃饺子」は「昨日私は餃子を食べた」となります。

なお、基本文型はSVO型なので、文法は日本語よりもむしろ英語の方が近いと感じるかもしれません。

文法が簡単な代わりに、発音とアクセントは複雑です。母音はそり舌母音(er)(舌を巻く母音のこと)を含めると大きく分けて7タイプあり、この時点で日本語の5タイプよりも多いです。üというiとuの中間のような音があるのです。これとさらに二重母音や鼻音(n,ng)などとを組み合わせた韻母は37種類もあります。これと21タイプの子音を組み合わせた音節は実はすべて使われるわけではないのですが、それでも膨大な数になります。使われる音節をすべて音読するだけでも5分ほどはかかります。

発音を表すには「ピンイン」というローマ字の一種が用いられます。英語の読みと完全に対応しているわけではないので注意が必要です。特に、濁音に見えるものが空気を口の外に出さないだけの「無気音」にすぎない場合が多いです。

アクセントは声調と呼ばれ、中国語では4種類あり、「四声」と呼ばれます。先述したピンインにはアクセント符号も含まれます。

第一声 第二声 第三声 第四声
ā á ă à

発音とアクセントだけでなく、文字も独特です。中国で用いられている漢字は「簡体字」と呼ばれます。これは現在では台湾などで用いられている繁体字を簡略化したもので、速く書けますが、外国語として学ぶ際には日本の漢字との区別に気を付ける必要があります。もっとも、字と意味との対応自体は日本語と似ているものが案外多いです。例えば、「馬」は簡体字では「马」となり、意味も同じです。

以上より、一つの単語を覚える際には、簡体字、発音、アクセント、ピンインのすべてを関連づける必要があるので、語彙の勉強が難しいかもしれません。特にリスニングでは発音とアクセントから語句を導かなければいけないので大変です。ちなみに、リスニングではピンインと簡体字との両方を書き取らせる問題もあります。

まとめると、中国語は文法は日本語や他の初修外国語と比べてかなり簡単ですが、それ以外の要素は発音を中心に少し難しいと言えます。

授業は全体として会話文が中心で、一列と二列は語法の解説、演習は発音練習と語彙の増加にそれぞれ重点が置かれています。一列と二列の教科書は『现代汉语基础』で、北京への留学生を主人公としたストーリーが展開されます。演習の教科書は『现代汉语基础 口語演習教材』で、基本会話の語句を置き換える練習を各講で行う形式になっています。

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中国語 – 講義紹介