フランス語

フランス語はフランスのみならず、スイスやベルギー、カナダの一部、及びアフリカ大陸の旧フランス植民地諸国といった世界の幅広い地域で話される言語です。東大では、2015年度入学者でみると文科生の27.3%,理科生の18.5%がフランス語を選択しており、文科生にはスペイン語と並んで最も、理科生にはスペイン語、ドイツ語、中国語に次いで人気のある第二外国語です。

単語の発音に関しては、h及び単語の末尾の子音字、eを発音しない(語末のc,r,f,lは発音されることが多い)など、慣れなければならない規則はいくつかありますが、英語とは異なり綴りと音の対応は一定で、原則として単語によって変わることはありません。アクセントに関しては、すべて最後の母音に来るといった規則があり、それも英語ほど強いアクセントではないので、あまり気にする必要はありません。フランス語で使用されるアルファベットは英語と同じ26種類ですが、母音字はa,e,i,y,o,uの6種類あります。単語によっては通常のものと発音を区別するため、éやçなど,綴字記号のついたアルファベットを用いることもあります。(eの発音は ウ ですが、éは エ と発音します。caの発音は カ ですが、çaは サ と発音します。)またrの発音は日本語では表せない音であり、最初は少し厄介かもしれません。

語群、文の発音に関してはリエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨンといった規則が存在します。リエゾンは、文中で1つ目の単語が発音されない子音字で終わっていて、次の単語が母音で始まっているとき、子音字が発音され、母音とつなげて読まれる現象です。例えば、「お元気ですか」に相当するフランス語 Vous allez bien? を単語ごとに発音するとそれぞれ ヴ アレ ビエン ですが、文として発音する際はVousの末尾の子音sとallezの最初の母音aがつなげて発音され、結果的にヴザレビエン? となります。一方アンシェヌマンは、文中で発音される子音で終わる単語の次に母音で始まる単語が来ると、それらの子音と母音がつなげて読まれる現象です。例えば、英語の what is に相当するフランス語 quel est を単語ごとに発音するとそれぞれ ケル エ ですが、文として発音する際はquelの末尾の子音lとestの最初の母音eがつなげて発音され、結果的に ケレ となります。make it がメイキット、an appleがアナップルと発音されることがあるように、英語でも似た現象は起きますが、強制的ではありません。一方子音+母音というかたまりが頻繁に現れるフランス語では、文を発音しやすくするためにこれらの規則に必ず従わなくてはなりません。最後のエリズィヨンは、冠詞のle,la,代名詞のje,me,te,se,ce,疑問詞、接続詞のqueなど、母音字で終わる短い単語の後に母音字または無音のhで始まる単語が来た場合に、短い単語のe,a,iが消滅し、二つの単語がアポストロフィ ‘ でつなげて記述される現象のことです。例えば 男の子 le enfant→l’enfant 私は~を愛する je aime→j’aime 習慣 la habitude→l’habitude のようになります。母音同士の衝突を避け、文を発音しやすくするためのこのエリズィヨンに似た現象は、笑っている→笑ってる、It is→It’sのように日本語や英語でも起きますが、やはり強制的ではありません。これに対してフランス語のエリズィヨンは、一部の例外を除き必ず適用されます。

名詞には男性名詞、女性名詞といった区別が存在します。基本的には語尾がeなら女性名詞、それ以外なら男性名詞という見分け方が可能ですが、例外も数多くあります。またフランス語の名詞を文中で用いる際は、それが属詞(英語のSVCのCに相当)である場合を除き、単数、複数を問わず必ず冠詞を付ける必要があります。不定冠詞、定冠詞がある点は英語と同じで、役割も似ていますが、これらに加えて数えられないものの抽象量を示す部分冠詞が存在します。(部分冠詞の例: Je mange du pain.私はパンを食べる。)

不定冠詞 定冠詞 部分冠詞
男性形 女性形 男性形 女性形 男性形 女性形
un une le(l’) la(l’) du(de l’) de la(de l’)

右記の通り名詞にはふつう冠詞が付くので、不定冠詞単数形をつけた形で名詞を暗唱すれば、男性名詞か女性名詞かを忘れにくくなるでしょう。

形容詞は一部の例外を除き名詞の後に置かれ、修飾する名詞の男女、単複に応じて性数変化を起こします。女性名詞を修飾する場合はeを、複数形名詞を修飾する場合はsをつける形容詞がほとんどですが、特殊な変化形をもつものもあります。

文法に関しては、複合過去、半過去、条件法、接続法など、英語しか学んでこなかった人からすると見慣れない用語が教科書に躍り出ています。英語の感覚で理解できるものもあればそうはいかないものもあり、やや苦労するかもしれません。動詞は主語の人称のすべてに応じて活用します。また動詞の原形とセットで使われる助動詞を多く持つ英語とは異なり、フランス語は動詞そのものが文法に応じて活用を起こすことが多いです。こうした点がやや面倒ですが、概ね規則的な活用をする動詞が多く、例外も頻繁に用いられるものなのですぐに覚えられます。自動詞、他動詞といった区別は英語の動詞とほぼ同じですが、特殊なものとして、主語と同じ人や事物を示す目的語人称代名詞を前に置き、独自の意味をもつ代名動詞があります

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フランス語 – 講義紹介