化学工業実地演習

受講前

そもそも化学工業実地演習とはなんでしょうか。その名前からなんとなく予想がつくかもしれませんが、いわゆる工場見学のことです。工学部の応用化学科・化学システム工学科・化学生命工学科の化生系3学科において標準選択科目として設定されており、希望する学生が履修します。工場見学といいながらも、1単位ですがちゃんと単位の取得ができます。化生系の学生が就職し、活躍している企業にご協力いただいて、工場や研究所を見学させていただいたり、質疑応答があったりします。

実際に見学をするのは3月上旬でしたが、ガイダンスが冬学期始まってすぐの10月に行われました。このガイダンスの際にいくつかの班に分かれることになります。各々の班でどの企業を見学することになるかは大まかに割り当てられています。関東近郊に行く班が4つ、東海地方に行く班が1つ、関西地方に行く班が1つ、瀬戸内に行く班が1つあり、いずれも見学の都合上定員が30名以下となっていました。自分はとある関東の班を希望しましたが、第一希望の班は定員を超過していたので、第二希望の別の関東の班に移りました。班に割り振られた後、班長・副班長を選出します。この先、企業や大学の事務とのやり取りはこの班長・副班長が行なっていきます。自分はどちらにもなりませんでした。この場では自分の連絡先を伝えて解散となりました。

自分の見学先企業が決定した後は、各企業のホームページを見てどういった理念で、どういったことを行なっているかをある程度予習しました。実際に工場や研究所を見学したり、そこで働いている方からのお話を聞いたりするという経験がほとんどないので、楽しみにしていました。

見学当日

その他の試験やレポートが全て終わり、春休みの生活に慣れてきた自分にとっては朝早くに向かうのはつらいものがありましたが、社会人となったらこれが普通になるのだと思うと、早起きにも慣れていかないといけないのでしょう。

自分の班では3日間にわたって見学が行われました。1日目の午前・午後、2日目の午前、3日目の午後にそれぞれ、(株)IHI、JX日鉱日石エネルギー(株)、日本たばこ産業(株)のたばこ中央研究所、日清製粉(株)に訪れました。

いずれの場合でも、まず企業についての説明を担当の方から受けて、次に工場や研究所を見学させていただき、最後に質疑応答という流れでした。
各企業のことについては、事前に多少ホームページなどを見てはいましたが、やはり勉強不足の部分も多々あり、説明を受けることでその企業の概要・理念などがさらに詳しく見えてきました。

工場・研究所を実際に見学するときには、担当の方からの説明を受けながら回り、研究内容の紹介を受けたり、工場見学と聞いてイメージしやすいような製造ラインを見たりしました。

企業に関する説明や工場・研究所の見学を受けた質疑応答では、工場の設備や企業の理念や方針についての質問が多くありましたが、自分にとって印象深かったのは、大学との研究に関する質問でした。大学との研究と企業での研究は必ずしも一致せず、むしろあまり関連がなさそうなところに配属となる事もあるが、大学の研究は1~6年くらいのことであり、社会に出てからの時間に比べれば短い時間であるため、大学では基礎をしっかりと定着させるとよいといった回答が多数得られました。もうすぐ研究室に配属される自分にとっては大変参考になるお話だったと思います。

レポート

この講義は、出席とレポートによる評価でした。レポートは見学した4社についてそれぞれ1枚ずつ、計4枚というものでした。見学で学んだこと、感想、質疑応答の内容などを、見学のときに自分がとったメモやいただいたパンフレットを見ながら、当日を振り返りながら執筆しました。

受講を終えて

自分は大学院への進学を考えているため、就職のことは全く考えていませんでした。しかし、実際に工場・研究所を見学したり、そこで働いている人のお話を聞いたりすることで、自分があまり企業のことを理解していないことや、自分の専攻分野がいかに企業での研究につながっているかを分かっていないことを思い知らされました。そのため、企業のことをもう少し考えた方がいいのかなと思えるきっかけになりました。また、もうすぐ始まる大学の研究室での心構えみたいなものがつかめたようにも思います。