記号論理学Ⅰ(理科生)

Sセメスターに開講される前期課程の総合科目A系列「記号論理学Ⅰ(理科生)」の講義ルポです。

履修した理由

総合科目は理系も文系寄りの科目を履修しなければならないので、興味のある文系寄りの科目があれば先に取っておこうと思いました。そう考えていたところ、オリ合宿で「記号論理学はA系列の中で理系に向いている科目だ」ということを聞き、授業に出てみました。

記号論理学とは初めて聞いた分野でしたが、とりあえずはアルファベットをパズルのように組み合わせて証明図というものを作る方法を勉強するようでした。初回の授業では、∧(かつ)・∨(または)・→(ならば)・¬(でない)の4種類の記号とそれぞれの導入則・除去則(証明図で用いる時のルール)を学びました。今まで無意識にしていたことを体系的に学ぶことに利点を感じ、わざわざ理系用となっている科目なので今後何かの役に立つかもしれないと思い、履修を決めました。ですので、先生が「期末試験で1問でも解ければ単位は出します」と言ったことは履修の決め手にはなっていません。

授業の内容

1限の開始時刻に駒場キャンパスに来るのは大変でした。とにかく電車が混んでいて疲れました。それはさておき、講義はプリントをもとに進みます。プリントは開始前に教室の前に取りにいかなければならないので毎回行列ができます。ノートを取りながら聞いていました。

論理学にも色々な種類があるそうですが、この授業では古典論理(NK)と直観主義論理(NJ)を扱います。そういう用語を聞いたことはありませんでしたが、高校までの数学の証明でも使っていた基本的な論理です。この2種類は否定の除去則だけが異なり、その他は同じなので一緒に教わります。古典論理は二重否定を取り除けるため、直観主義論理では証明できない問題もありますが、だからといって直観主義論理は不要というわけでもないのです。

最初にやっていたのは命題論理でしたが、これが終わると述語論理に入ります。∀(任意の)・∃(ある)の2種類の記号が増えました。ちょうど数理科学基礎でも同じような範囲をやっていたので、相乗効果があったと思います。「自由な出現」かどうかを気にしなければならないのですが、これを理解して今まで勘で判断していた領域がはっきりした気がします。授業の後半ではペアノ算術(要するに数学的帰納法の記号バージョン)、順序集合論(上界や下界の話)、モデル論(真偽表・メタ証明)、公理的集合論(対象が命題から集合へ)へと話が進みます。ペアノ算術や順序集合論の話はとても数学的だと思います。最後の方は難しくてあまり理解できず、元々履修する気はありませんでしたがAセメスターの記号論理学Ⅱは絶対に無理だと思いました。

試験

期末試験がありました。この講義では出席を取ったり課題が出されたりはしなかったので、試験だけで成績が決まることになります。ところが、プリントやノートの持ち込みは許可されていたので試験は大変ではありませんでした。教科書は指定されていませんでしたが、先生のプリントにいくつか練習問題が付いていたので、試験前にはそれをやる程度の対策はしました。また、何でもいいので自分で何かを証明するという問題が初回の授業から予告されていたので、加法の分配法則の証明図を予め作っておきました。理系に進むにあたって必要な教養だといえます。取って損はないと思いました。