戊辰戦争と史料学

このゼミは本郷の史料編纂所で行われたゼミです。ゼミの名前から分かるようにこのゼミで扱った史料は戊辰戦争について書かれたもので、主な史料は「復古記」です。

まず史料学とはどのような学問なのでしょうか。ゼミで配られた資料によると、史料学とは「あらゆる過去の痕跡のなかから、何が歴史学研究のための材料すなわち史料となりうるのかを判断し、こうした史料を収集、整理、分類する基礎作業であるとともに、史料それ自体を考察の対象とする独自の研究領域」です。このような史料学の基礎を体験的に学習して、日本史学の方法論についての理解を深めることがこのゼミの目標でした。

最初に、このゼミで扱われた内容について紹介しようと思います。内容を羅列すると、史料学についての簡単な説明、復古記についての簡単な説明、復古記の解読実習、戊辰戦争関連の画像史料の解読実習、そして復古記編纂に使われた家記や戦場届書の解読実習です。

以下ひとつずつ具体的に書いていきたいのですが、最初の授業は諸事情により出席していないので説明を省きますが、内容は史料学についての簡単な説明だったようです。

復古記についての説明とは、復古記がどのようにして編纂されたか、どのような構成であるか、どのような史料をもとにしているかといったことについての説明です。この授業で、史料には編纂者の政治的立場が反映されることが多く、史料についての情報を知ることは大切だということを学びました。

次に復古記の解読実習とは、戊辰戦争中に宇都宮近辺で行われた安塚の戦いを記述した復古記の記事を読むことです。このときの授業では、この戦いについての復古記以外の史料も読みました。この時に配られた史料には新政府側と旧幕府側の両方の記事があったので、復古記とあわせて比べて読むことで安塚の戦いを偏った見方をせずに見ることが出来たと思います。

戊辰戦争関連の画像史料の解読実習では、戊辰戦争時に流行した「トコトンヤレ節」が書かれた史料やそれに関連したものなどを見ました。またこのときの授業で史料編纂所にある書庫も見学しました。トントコヤレ節については聞いたことがあったのですが、この授業でその史料を見ることができたのでよかったです。また書庫では様々な史料を見ることができ、知的好奇心が刺激されました。

最後の数回の授業で行われた復古記編纂に使われた家記や戦場届書の解読実習では、楷書で書かれた復古記と異なり、くずし字で書かれている、大名や公家の家記や前線から新政府や大名に送られる戦場届書を先生の指導の下読んでいきました。

この授業で扱った史料は明治初期のものであるので、漢文の用法が所々に混じっていましたが、楷書であるならば現代人の私でも意味を理解することは容易でした。ただ授業の最後の方に読んだ、くずし字で書かれた史料は読みにくかったです。くずし字といってもほとんど楷書と変わらないものから、もとの字からは全く想像もつかない形に変わったものまで様々です。授業の最後に扱ったものは、先生曰くそこまで崩れていないものであったのですが、初めてくずし字に触れる私にとってはかなり読みにくく分からない文字も多くありました。しかし分からない文字でも他の部分との比較や連想でわかるところもあり、やればやるほど新しい発見があっておもしろかったです。

このゼミを受けたことで、史料に対して今まで以上に興味を持つようになりました。このゼミでは史料学の基礎を体験的に学習したので、これからはより積極的に史料に接していきたいと思います。