森に学ぶ(徹底検証「秩父」)

今回紹介するのは全学体験ゼミナールの「森に学ぶ」。今回は埼玉県の秩父演習林で行われるコース「徹底検証・秩父」を紹介したいと思います。

秩父市街と武甲山

秩父市街と武甲山

筆者が参加した年は「秩父地域の人々の暮らしと秩父の山々との関わりを探る」というテーマで、9月下旬に実習が行われました。1日目、西武秩父駅に集合した参加者はまず秩父市郊外の高台に上り、秩父市街、そして秩父地域に古くから伝わる山岳信仰の象徴とも言える武甲山を一望しました。続いて、「山岳信仰の見学」と題して「秩父三十四箇所」と呼ばれる巡礼コースの一部を徒歩やバスを使って巡ったり、秩父神社の宮司の方に秩父における山岳信仰の実態についてお話を伺いました。その後参加者は秩父市街から1時間ほどバスに揺られて、山梨県との境にほど近い秩父演習林へと移動。これ以降はこの近辺で実習が行われます。

集落

集落

2日目は「森林と人々の暮らし」と題して演習林にほど近い集落に聞き取り調査に出かけました。この集落はいわゆる「限界集落」(高齢化が進み(50%以上が高齢者)、共同体の機能維持が限界に達している集落)の一つであるとされており、現在もなお薪を暖房、あるいは煮炊きなどに使用している家庭が少なくありません。今回はそうした薪の使用状況を班に分かれて調査しました。調査の終わりには集落の人とともに栃餅(渋抜きをしたトチノキの実と餅米を混ぜてついた餅)作りの体験も行われ、つきたての栃餅を食べることもできました。

3日目は「森林と自然」をテーマにいくつかの班に分かれて森林の実地調査を行いました。筆者が参加した班は「土壌生物のサンプリング」。演習林の土壌を採取し、そこに生息する土壌生物を捕まえます。作業を始めると、ムカデ・ヤスデをはじめ多くの生物が次々に見つかり、秩父の森の多様性を身をもって実感することができました。その他に、班によっては森林内の樹木分布の調査や登山を通じて植生の変化を観察する調査などを行ったようです。もちろん、「虫が苦手」という人への配慮もありますので、ご安心を。

学生宿舎

学生宿舎

最終日は「森林管理の見学」ということで、秩父演習林が日常的にどのような活動をしているのかを体験しました。この地域が演習林に指定される以前、切り出した木材を輸送するために造られたトロッコ軌道の跡や、植林した苗木をシカの食害から守るネットを見学し、また現在演習林の保守管理に利用されている業務用モノレールへの体験乗車なども行われました。その後山から下り、秩父市街にある苗畑(演習林に植える苗木などを育てる畑)を見学した後に解散となります。

演習林

演習林

秩父は東京から2時間強とそう遠くはないうえ、費用も比較的安い(5000円程度)ため、「より手軽に森林を楽しみたい」という人に向いているといえるでしょう。ただ、ゼミ終了後にはレポート(紙1枚に収まる程度の分量)をメールで提出する必要がありますので、「楽しんだはいいが何も覚えていない」などということのないように。

外部リンク:秩父演習林HP