じっくり学ぶ数学

大学の数学の授業は、1年間に教える内容がとても多くて、授業のスピードが速いと思っている人も多いのではないのでしょうか。実際、駒場の1年生の数学は、ひたすら黒板を写すのに忙しくなりがちな講義の時間と、問題を解く演習の時間が完全に独立しています。講義の時間は、定義→定理1→例1→定理2→例2→次の定義・・・・といった感じで授業が勝手にどんどん進んでいくイメージがありますが、逆に演習の時間というのは学生主体で、自分が問題を解かないと意味の無い時間になってしまいます。今回紹介する「じっくり学ぶ数学」は、演習よりも講義に近い感じですが、主題科目だからこそできる特徴がいくつかあります。

授業中に扱われる内容はそれほど理解しにくいものではないので、ノートを取る段階でだいたいは理解できます。これは、筆者個人の能力の問題とも言えるのですが、必修の数学や物理は、ノートを取る段階ではほとんど理解できず、テスト前にノートをよく読み返す段階になって初めて、「これってこういう意味だったのか」となることが多いのではないでしょうか。

ところで、少し誤解があるかもしれないのですが、「じっくり学ぶ数学」といっても、偏微分の導入やテイラー展開の証明をじっくりと学ぶわけではありません。それでは、この授業で何を学ぶのかということになりますが、この授業を受けた個人的な意見としては、数学の問題を解く上でのちょっとした工夫や考え方があげられます。先ほども述べたように、必修の講義での内容は、ノートを取っているときはとかく理解しづらく、先生がせっかく例題を解いてくれても、手ばっかりに意識が集中してしまい、その時は何をやっているのかさっぱりわからないことが多々あります。しかし、この「じっくり学ぶ数学」では、先生が問題を解いているその時に、先生の発想や工夫を多少なりとも理解できるので、思いがけない発見をすることがあります。ただ、必修の授業でさえ、ノートを取る段階でほぼ理解してしまう人には、少し退屈かもしれませんね。

なお、気になる合格の基準ですが、毎回4題程度プリントで渡される課題のうち、20題解いて、学期末にレポートとして出せば合格をもらえます。問題が渡されるときに、解答も一緒についてくるという親切なシステムであるため、合格するのに苦労することはそれほどないでしょう。この解答がかなり親切に作られているのも「じっくり学ぶ数学」の大きな特徴だと思います。

この授業には様々な参加の仕方があっていいと思います。毎回丁寧にノートを取っても、ただ90分黒板を眺めていても、履修登録だけして最後に問題だけ解いて合格をもらっても。いずれにしても数学の理解が深まると思います。


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